政治講座ⅴ1086「漢字を廃止した韓国と日本の違い」
数年前に韓国旅行をした。色々な名所を回った。
丁度、国立中央博物館で李氏朝鮮時代の文献はすべて漢字で書かれている。当然である。漢字を読めるのは両班の貴族階級だけと僧侶だけである。奴婢などほとんどの人々は識字率が低かったのである。韓国語通訳人に韓国人はこの文献を読解できるかを聴いたら漢字教育を廃止したために読めないとのこと。ハングル文字だけでは意思疎通が不便であり、近年漢字教育も取り入れているらしい。漢字に含まれている抽象的概念はハングル教育では教えられないために、韓国学生はリテラシーの欠如が甚だしいと言われている。これが漢字の廃止した弊害であろう。明治以降の昔、中国から若者の知識人が日本に留学してきた。
その時期は孫文も日本で学び立ち上げた国が中華民国である。そして、中国語の70%は日本語である。「中華人民共和国」は日本語を使用していることから分かる。日本は西欧の学問(科学・文学・法学など)を漢字の組み合わせで造語を作ったのである。だから日本に留学した孫文(中華民国)なども日本の影響をうけている。韓国が漢字を廃止して、ハングル文字のみにしたのは、焚書坑儒に他ならない。戦後、李承晩は日本に貢献した者は反民族行為者として粛清や通称親日罪として私有財産の没収などをした。余りにも日本に対してあこがれを持つ者が多かったので、日本の大衆文化への接触をも禁じた。その手段として漢字を廃止して漢字文化を遮断するという焚書政策に着手したのである。だから昔の李氏朝鮮時代の漢字の文献も読めないのである。当然日本統治時代の文献や当時の教科書も読めなくした。歴史の文献も読めなくして捏造歴史教育をしたのである。
中国大陸での漢字の弊害は文字数が多く、それを覚えることに労力を使い、その漢字で啓発を促すこともせずに西洋の合理的な実学(科学・数学)に劣る事となったのである。日本は、論語読みの論語知らずにならないように西洋の文献の専門用語を独自に漢字による造語で知識を蓄積したのである。そのように汗と血と涙でできた造語は、中国では当然のように使われているが、つまり、日本語を使っているのである。その割合は現在において70%が日本で発明されて作られた造語という日本語である。今回はそれに関する報道記事を紹介する。
皇紀2683年5月14日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
韓国はなくしたのに、日本はどうしてまだ漢字を残しているのか―華字メディア
Record China によるストーリー •
華字メディア・日本華僑報は11日、「韓国はなくしたのに、日本はどうしてまだ漢字を残しているのか」と題する記事を掲載した。
記事は、「東アジア文化圏の日中韓は互いに気に入らない存在ではあるが、漢字で固く結ばれた長い歴史がある」と指摘。「かつて私が日本に来た時も『ありがとう、バカ野郎』以外のほとんど日本語が話せず、漢字に頼って生きてきた」とした上で、「憎らしいのは生来の反骨者である韓国が率先して精華である漢字を捨てていることだ」とした。
その上で、かつて一部の韓国のネットユーザーらが「われわれは漢字なしで生活できる。漢字は煩雑で後進的な物。世宗大王が言ったように、ハングルは容易に習得できるため、漢字よりハングルの方が完璧な表記システムだ」と主張したことを挙げる一方、「日本は中国文化を尊重しているためネガティブな感情はなく、漢字廃止を叫ぶ人もいない」と説明。「そのため日本語はより包容力を増し、豊かな表現手段を有することで極めて先進的な言語になる一方、ハングルはガラパゴス化している」と論じた。
また、「日本では知っている漢字の多さが文化レベルを表すとも考えられており、正確に使用することで周囲にプラスの印象を与えられる」とし、「日本は近代に無数の新たな言葉を生み出し、中国に“逆輸出”してさえもいる」と述べた。
記事は、「残念なことにわが国でも漢字の廃止をめぐって混乱したことがある」とし、魯迅が「漢字が滅びなければ中国が必ず滅びる」「漢字の難しさは多くの人民を、前進する文化から永遠に切り離している」などと述べて漢字廃止を主張したことに言及。「幸い、1950年代から中国では識字運動が展開され、識字率が大きく向上したことで、『漢字が識字を阻害する』というこの主張は理を失った」と説明した。
また、台湾や香港でも繁体字の識字率がほぼ100%にまで向上したことに触れる一方、「逆に韓国では漢字廃止の反動を実感したのではないか」と指摘。「韓国では現在、民間企業が戦時中の旧日本軍による慰安婦強制連行を証明する文書を非常に多く所持しているが、漢字が廃止されては人々は教科書に書かれた歴史こそが正しいと認識してしまう。李承晩政権とその後継者たちは、政府が外交問題を処理しやすいように教科書をでっち上げているのだ」と主張した。
そして、「このように一つの言語システムが激変すると、人民の知る権利が阻害されることになる。漢字廃止によって自国の文化や歴史を破壊するのは、まったくもって下策であることが分かる」と言及。「ハングルにも日本語にも中国語の語彙(ごい)が多数存在するため、漢字を取り除くとあいまいさなど意味の理解に支障をきたす」とし、韓国ではより多くの文字数を割いて漢字の欠落を補っているため「本末転倒」との見方を示した。
記事は、「日本はなぜ漢字を廃止しないのか、というのはまったくの偽命題であり、その必要がないからである。膠着語である日本語は大幅に文字数を削減し、文の認識度を上げ、情報伝達の効率を向上させている。これは、言葉の存在や消滅を考える際の最も基本的な基準ではなかろうか」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
参考文献・参考資料
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