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政治講座ⅴ1914「満身創痍の滅びの美学」

 中国の歴史を俯瞰すると中国大陸には一貫した王朝や国家が存在しない。中国3000年の歴史と豪語する無知な輩がいるが、中国大陸を舞台に各民族・血族による侵略・征服が繰り返された細切れの歴史であることが分るのである。清王朝は女真族に支配され、元王朝はモンゴル民族に支配され、あとは漢民族の血族(姓)による支配(易姓革命)され、無残なほど分断された歴史で構成されている。中国大陸を統一した秦の始皇帝の顛末は呆気ないものである。紀元前207年秦の帝国は、栄華を極めた初代皇帝である始皇帝の死からわずか3年にして滅亡の時を迎えてしまう。まさに満身創痍の滅びの美学である。その点、日本は神武天皇から2684年の一貫した歴史を誇るのである。
今回はその兆候の報道記事を紹介する。

     皇紀2684年8月31日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国の「鉄飯碗」は崩壊するのか。バングラデシュから得た教訓【中国問題グローバル研究所】

株式 によるストーリー

◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。

バングラデシュの公務員採用制度の問題と影響1971年の独立後、バングラデシュは退役軍人とその子孫に公務員採用枠の30%を割り当てる政策を導入した。この政策は当初、独立戦争に従軍した人たちへの感謝の意を表すものであったが、バングラデシュが社会経済的に発展を遂げるにつれ予期せぬ結果をもたらし始めた。人口急増と大卒者数の増加で、若者を中心に失業者が増えている。かつては退役軍人に対する妥当な褒賞であったこの特別採用枠は、公平な雇用機会を阻んでいるとして次第に争点となっていった。

国民の不満にもかかわらず、2018年にこの特別採用枠が復活したことで、こうした状況は臨界点に達した。この政策を再び実施するという政府の決定は、長年続く政策を社会のニーズの変化に適応することができないということを意味し、政策決定プロセスの大きな不備を浮き彫りにした。こうした因習的な政策はバングラデシュだけでなく多くの国に見られ、時代の状況に即しているか十分に検討されないまま多くの政策が固定化している。

特別採用枠の復活を受けて各地で抗議デモが起き、同枠は最終的に廃止された。ところが、バングラデシュ高裁が2023年6月に再びこの特別採用枠を復活させ、それをきっかけに社会不安が一気に高まった。この決定に対する抗議デモで数百人が命を落とし、旧態依然とした不公平な制度のせいで社会から取り残されていると感じる一般大衆の強い不満が浮き彫りとなった。ハシナ政権はこの問題が政治に及ぼす影響に対応することができず、首相の辞任と国外逃亡という事態に発展し、統治とリーダーシップの深刻な不全が明らかとなった。

バングラデシュで起きたこの一連の出来事は、不公平な公務員採用制度の定着と、世間の声に鈍感な指導者の行動が、たちまち体制崩壊を招くおそれがあることを示しており、中国など他国にとって教訓となる。国民の間で不満が広まっている中で時代遅れの政策にかたくなに固執していると、政府の正統性が損なわれ、失墜につながりかねない
「鉄飯碗」制度が長年にわたり公務員採用の基盤となってきた中国にとって、バングラデシュの現状は、改革の必要性を無視すればどのような結果につながるかを示す厳しい警告となる。

中国の伝統的な血統論「血統論」は中国の政治に強い影響を与えてきた。特に文化大革命時に血統論が掲げられ、社会的地位と政治的忠誠は家族背景を基に判断された。共産党の血統論は、その人の政治・社会的立場を決める主な要因として血筋を重視したため、「悪い」階級出身者に対する差別が広まった。社会を分類するこの硬直的な制度は壊滅的な影響を及ぼし、不平等を永続させ、社会的流動性を妨げることになった。

自らの論文「出身論」の中で「血統論」に異議を唱えたことで知られる若き知識人の遇羅克氏は、「英雄が英雄を生み、反動主義者が悪者を生む」という考えに反論した。彼の批判はこのイデオロギーに内在する欠陥と不公正を暴くものであり、遇氏は処刑されたが、彼の論文は当時の社会の硬直化に対する抵抗のシンボルとなった。文化大革命後も依然として「血統論」の影響は現代の中国社会に残っている現在も多くの高官の子弟が官公庁で特権的な立場を享受し続けており、それが不平等を永続させ、能力主義への道を阻んでいる。こうした不平等の固定化は、「鉄飯碗」制度の公平性への疑問を生じさせるだけでなく、特に大卒者の失業率が高い今、社会的緊張を高めている。

血統から特権へ:社会的不公平に対する幅広い観点「血統論」に内包された、血筋により地位が決まるという伝統と思想が、中国の社会・政治的環境の基盤を形作ったことは間違いないが、今の時代にはもっと広い視野で物事を見なければ、公務員制度内で機能するダイナミクスを完全に理解することはできない。「血統論」はその人の将来を決める上で家族背景と血筋を重視しており、特に文化大革命時にはその傾向が強かった。

だが、中国が社会経済的に発展するにつれ、コネや富、教育を受ける機会、所属政党など、別の特権も不平等を永続させる大きな要因となってきた。「特権論」ととらえることができるこうした幅広い形態の恩恵は、さまざまな社会・経済的要因に及び、官公庁に限らず他の分野でも個人の出世に影響を与えている。「血統」のみに焦点を当てるのではなく「特権」にも目を向けることで、現代中国に根強く残る組織的な不平等を、現在の社会階層の複雑さを反映しつつ、より包括的に分析できる。特権と公務員の腐敗の影響精華大学出身の馬翔宇氏の一件は、特権と公務員の腐敗が公務員制度内で個人に与える影響の典型的な例と言える。馬翔宇氏は学歴と資格はあっても特権的背景を持たなかったため、キャリアで大きな壁に直面した。上司の不正行為を暴くという彼の決心は勇気ある行動であり、合法的行為を促進し公務員の環境を改善するためのものであった。しかし同時に、組織的腐敗という大きな問題と、その問題への対処を組織的改革ではなく個人の内部告発に頼っているという現状を浮き彫りにもしている。馬翔宇氏のような内部告発者は困難に直面しており、不正行為の告発者を保護し支える仕組みの強化が必要なことは明白だ。内部告発者を守る強固な枠組みがなければ、処罰しないことが当たり前になり、告発者が声をあげることを思いとどまり、腐敗の連鎖を永続させることになる。馬翔宇氏の一件は、「鉄飯碗」制度に内在する不公正と、コネのない人間が腐敗した環境でうまく立ち回ることの難しさを如実に示している。

個人が告発しても公務員の不正行為がなくならない現状は、現在の改革メカニズムが不適切であることを物語っている。組織的な問題と個人の不正行為の両方に対処し、公務員に対する信頼を取り戻すことができなければ、効果的な改革とは言えない。包括的な改革を進めなければ、「鉄飯碗」制度は中国政府にとってマイナス要因となり、不平等と社会の不満を助長するおそれがある。

中国の「鉄飯碗」制度の今後のリスクと課題中国では現在、毎年1,300万人以上の新卒者を輩出しているが、失業率が高く、雇用市場の悪化が進んでいる。こうした状況の中、中国政府は「鉄飯碗」制度(公共セクターの雇用を中心に国や政府が提供する終身雇用・雇用保障モデルのこと)での公平性の確保という課題に直面している。このような旧態依然とした慣習の残存は、現在の社会経済状況との乖離に他ならず、現在の社会経済環境に合致した改革の必要性を物語っている。

中国では大卒者の失業率が高く、社会の安定が脅かされかねない。安定した仕事をなかなか見つけられない若者が増えるにつれ、「鉄飯碗」制度の公平性に厳しい目が向けられるようになってきた。この制度が特権や腐敗という面から不公平だと問題視されていることも一因となり、能力ベースであるべき雇用機会を奪われていると感じる若年世代に幻滅感が広がっている。

中国の「鉄飯碗」制度が直面する課題は複雑かつ多面的であり、旧来の血統論や組織的腐敗だけでなく、急速に変化する経済環境への対応といった幅広い問題が含まれている。中国政府は長年にわたりさまざまな改革を実施してこうした課題に対処してきたが、その取り組みの多くは断片的なものであり、問題の根本原因を解決するには至っていない。

こうした問題に効果的に対処できなければ、バングラデシュで起きたような社会的混乱が生じかねない。バングラデシュのハシナ政権の崩壊は、中国政府にとって重要な教訓となる。失業問題や機会の不平等など、社会の不満の根本原因にバングラデシュ政府が対処しなかったことで、抗議デモが各地で起き、最終的に政情不安が生じた。中国はバングラデシュの経験から学び、深刻な社会不安の原因となる前に先手を打って「鉄飯碗」制度を改革しなければならない。現在の改革戦略では、この制度が直面する複雑な問題に対処できない可能性がある。組織的な不平等と外部圧力の両方に対処し、公務員制度を公平かつ能力ベースにするには、より繊細なアプローチが必要となる。

こうした課題への対処にあたって、いくつかの対策を提言する。
まず、公務員採用制度を改革して透明でオープンな手順を確立し、特権の影響を減らしてすべての応募者が公正に競争できる環境を確保する。
2つ目に、監督・説明責任メカニズムの強化、実効力のある監視機関の設置、違法行為の厳罰化を図り、公務員の倫理水準を向上させる。
3つ目に、恵まれない低所得者層の支援強化で社会における公平な機会を促進し、貧富の差を縮め社会的公平性を高める。そして、経済政策を見直し、国有企業の保護や地方政府の「鉄飯碗」と、社会的公平性を推進する取り組みのバランスを取って、社会的対立を和らげることで共同富裕を実現することが大切だ。

まとめ中国の「鉄飯碗」の崩壊は不可避ではないが、これを避けるには包括的な改革を早急に行う必要がある。中国政府が他国の経験から学び、社会の不満の根本原因に対処することで、公務員制度は混乱ではなく安定の象徴であり続けることができる。バングラデシュの教訓から、行動を起こさなければどのような結果になるか、また体制の不平等に率先して対処する必要性について、貴重な知見を得ることができる。写真: バングラで政府職の割当て制度廃止を巡り衝突(※1)https://grici.or.jp/

<社説>3期目の習政権 「強権と排外」の危うさ

<社説>3期目の習政権 「強権と排外」の危うさ

 中国共産党の習近平(しゅうきんぺい)氏が異例の党総書記3期目に突入して間もなく2年。来年には任期5年の後半を迎えるが、中国は近年、国際社会との対立や分断を招く動きが目立つ。中華民族意識を鼓舞し、党の指導の下で強い国をつくろうとする習氏の統治は強権と排外の度合いを深め、「1強体制」の危うさが増している。

 米中間の最大の火種ともいうべき台湾問題で、習氏は「武力行使の放棄は約束しない」と、繰り返し言明。中国は、台湾の頼清徳(らいせいとく)総統が5月の就任演説で独立を示唆する発言をしたと怒り、軍事演習などで威嚇を強めた。フィリピンとも昨年以降、南シナ海の領有権を巡って衝突を繰り返し、8月19日、25日には、同海域で中比船舶が衝突する事件も起きた。

 日本、米国、オーストラリア、インド4カ国の枠組み「クアッド」は7月下旬、東京で外相会合を開き、中国の南シナ海での「威圧的かつ脅迫的な操船」に重大な懸念を表明する共同声明を出した。

 横暴ともいえるふるまいが目立つ中国だが、孤立回避を狙うしたたかな戦略も目につく。王毅(おうき)党政治局員兼外相が7月下旬、ラオスでの東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会議に出席、経済的な関係強化を武器に外交攻勢をかけたのも、その一つだ。

 米中角逐の中で、それが一定の効果を上げている面があるのは否めない。シンガポールの研究所が4月に公表したASEAN10カ国の識者や政府関係者らを対象にした調査では、米中いずれかとの同調を余儀なくされた場合に「中国を選ぶ」と50・5%が回答し、初めて「米国」を上回った。

 ただ、いわばカネの力で強引に他国の支持を得ようとする中国の姿勢は真の信頼関係構築にはつながっていないこともうかがえる。同じ調査で、中国の経済的影響力の拡大を「懸念する」割合は、67・4%と、「歓迎する」(32・6%)の倍以上だった。

 現体制最大の懸念は、習氏が最高指導部をすべて側近で固め、毛沢東独裁時代への反省を教訓に党が導入した「集団指導体制」を事実上葬ってしまったことだ。万が一にも習氏が暴走した場合、ブレーキをかける機能がない。習氏3期目、最大の危うさである。

歳入の増加は、役人の業績…中国の自治体で虚偽の歳入計上が相次ぐ 党は重要会議「3中全会」で配慮示す

 【北京=石井宏樹】中国の地方政府の予算を巡り、虚偽の歳入を計上する事例が相次いでいることが、各省が最近発表した昨年の監査報告書で明らかになった。

中国共産党の旗

 不動産不況による財政難で厳しい懐事情を取り繕うためだとみられるが、地方経済の混乱や誤った政策判断につながりかねないため、政府は税源移譲によって改善を図ろうとしている。

 報告書によると、広東省の3市3県は国有企業を通じて国有資産を購入させる手口で、計171億元(約3500億円)を架空計上した。

 河北省では1市7県で公共施設を売却処分したと偽ったり、国有企業から得られる収入・配当や罰金による収入を過剰に計上したりして、計25億元(約500億円)を水増しした。

◆不動産不況の影響で懐厳しく

 四川省では一昨年の地震被害への寄付金を歳入に繰り入れたほか、内モンゴル自治区の一部の市は収入に当たらない資金を財政収入として偽ったとされる。

 中国では歳入の増加は、役人の政治業績として評価されるが、近年の不動産不況で地方財政の柱だったマンション用地の使用権売却益が減少。収支バランスが崩れて財政難が深刻化し、虚偽計上に手を染める自治体が相次いだとみられる。

◆税制改革で地方財源の拡充方針を示す

 7月に開かれた党の重要会議「中央委員会第3回全体会議」(3中全会)では地方の税制改革が主要テーマとして議論され、会議の決定全文で地方財源の拡充方針が掲げられた。

 具体的には、ぜいたく品に課される「消費税」を地方に配分するほか、中央と地方で分ける税の分配比率を見直す方針が示された。地方政府関係者からは「今回の改革で一息つくことができる」との安堵(あんど)の声も漏れている。

日本で本を売る中国人 習体制の出版抑圧を逃れ

Wenxin Fan によるストーリー

【東京】チャン・シージーさん(47)はかつて中国大手出版社の経営幹部として年間数百万ドル相当の書籍販売を監督し、北京で開かれる宴会で契約を取り交わしていた。最近はショッピングカートを引いて東京の本屋街、神保町付近を歩き回り、自費出版業者として手がける3作品を置いてほしいと本屋に頼み込んでいる。

北京で彼が扱った書籍は月に何万部も売れることがあった。日本で売れたのは1月以降で合計2000部にも満たない。

チャンさんは、新型コロナウイルスの流行以降、総じて衰えずに続いている中国の広範な頭脳流出の一例だ。習近平国家主席の下で政治的統制が急速に強まる中、それを逃れるために同国を去る知識人や起業家が後を絶たない

母国では自分の望む生き方ができないと悟り、国外に居場所を求める中国人の思想家や芸術家、文化人たちの波に加わり、チャンさんも中国を離れて規模を縮小した自身のキャリアをスタートさせた。

チャンさんはこの「シフトダウン(低速ギアへの切り替え)」に満足しているという。中国を出れば、国内のし烈な競争から解放されるうえ、中国当局がもはや容認できない種類の思慮深い批評的な作品を出版できると話す

「私は『あの幸せの国に行く』ために北京を離れた」。チャンさんは専制的体制から逃れることを語るのに、中国最古の詩集である「詩経」の一節を引用した。

活動家や反体制派は共産党と衝突して以前から外国に逃げていたが、現在出国する人々の多くは政治的な穏健派で、それほど厳格でない習氏の前任者たちの下では同国の文化や知識に貢献する生活に満足していた。だが、創造性を巡る閉塞(へいそく)感に加え、景気減速によって経済的不安が募っていることが、ここにきて頭脳流出を加速させている。

増え続ける自発的な国外逃亡者たちは、世界各地の都市に拠点を移している。中国のテレビ局の看板キャスターだった柴静(チャイ・ジン)さんは、現在住んでいるスペインのバルセロナからユーチューブで配信するインタビュー番組を最近立ち上げた。上海の有名な書店のオーナー、於淼(ユー・ミャオ)さんは、米国の首都ワシントンに新店舗を開く準備をしている。高名な映画監督の王小帥(ワン・シャオシュアイ)さんは、当局に何年も受け入れられてきたが、最近になって検閲の標的となり、英ロンドンに移住した。


日本で本を売る中国人 習体制の出版抑圧を逃れ

中国国内では政治はもちろん、経済などの話題でも穏健な意見を表明する場さえ与えられないため、国外にいる中国人の発する声が重要性を増している。「Sparks: China’s Underground Historians and Their Battle for the Future(歴史の書き換えと闘う中国新世代の歴史家たち)」の著者であるイアン・ジョンソン氏は、中国の重要な記憶を守ろうとする知識人たちの取り組みについてこう語る。

「10年前にはこれほど顕著ではなかったが、異なる見解に対する渇望がある。それはまさに代わりの説明を求める感覚が、反体制派や活動家だけのものではないからだ」

その渇きをいやす一助になればと考えるチャンさんは、今月のうだるような暑さの午後、本を携えて神保町の中国書籍専門店、東方書店に足を運んだ。中国関連の本が並ぶ棚に近づき、その下の引き出しを開けた。

「ほら見て」。彼は引き出しの中を指さした。「在庫がなくなりそうですよ」

店長はチャンさんが持参したある作品を5冊引き受けてくれた。だが、ショッピングカートで持ち込んだ他の作品は全て断られた。

自由で民主的な社会では、本の出版は簡単だ」。チャンさんは書店を出る際、こう話した。「だが本を売るのは大変難しい

チャンさんは2人の娘のことも心配だったと話す。学校で中国共産党の政治教育を浴びるように受けていたうえ、社会に出れば、今度は激しい出世競争にさらされることが懸念された。

一家は2021年、コロナ禍のさなかに東京に引っ越した。娘たちが適応するのは早かったが、チャンさんは足場を見つけるのに時間がかかった。中国人作家の本を日本語で出版しようとしたが失敗し(彼は日本語が話せない)、その後は卓球やバスケットボールに興じ、地元の観光スポットを探すなどして日々を過ごした。

他の国外逃亡者も同様の苦労を味わったと語っている。ワシントンで書店を開こうとしている於淼さんは、2018年に最初の書店を当局に閉鎖させられた後、中国で疎外感にさいなまれたと話す。だが米国に到着すると「疎外感が(故郷と切り離された)孤独感に変わっただけだった」。

チャンさんは時がたつにつれ、東京に移り住む中国の知識人が増えていることに気づいた。彼らの利用する書店や読書スペースが出現するようになり、中国の歴史や時事問題の講演会が開かれた。彼はそうしたイベントに定期的に顔を出し始めた。それは20年前に北京で方々に顔を出していたのと同じだった。もう一度出版業に挑戦することにした。

検閲を避けたい中国人作家の多くは、作品を国外で繁体字を使って出版するしかない。繁体字は国外移住者コミュニティーには好まれるが、中国本土の人には読むのが難しい。チャンさんは、中国本土の簡体字を使って検閲を受けない作品を出版できるチャンスを作家たちに売り込み始めた。

「中国国内で出版されるのとは違う本が欲しいと伝えた」とチャンさんは言う。「異質であればあるほど、なお良いと」

日本で本を売る中国人 習体制の出版抑圧を逃れ

中国で発禁処分を受け、現在はタイのチェンマイに住むエッセイストの野夫(イェ・フー)さんは、中国の知識人に関する著作集の新刊発行をチャンさんに許可した。中国の歴史作家、傅国涌(フー・グォヨン)さんは、発禁本を含む2作品をチャンさんが出版することに同意した。

チャンさんは日本の書籍の奥付を見て印刷所を探し、妻の助けを借りて本の表紙をデザインした。この新事業を「読道(よみみち)」と名付け、中国当局から自身の活動を隠すため、新しい下の名前に「シージー」を選んだ。

最初は売れ行きが鈍かったが、すぐに軌道に乗った。1917年に上海で創業し、東京・神保町に店を構える内山書店で、チャンさんの本はベストセラーとなっている。現店主である内山深さんはそう話し、購入者の大半は中国人旅行者だと述べた。

彼らはこのような本を中国では見つけられない、と内山さんは話す。日本で書籍を出版している中国人はあまり多くないのだという。

習氏と共産党が政府をしっかり掌握している今、東京やその他の場所にいる中国人の頭から革命は遠のいている。代わりに多くの人が望むのは、権威主義的な支配から解放された中国知識人コミュニティーを守り、育てていけることだ。

日本で本を売る中国人 習体制の出版抑圧を逃れ

米IBM、中国の研究開発拠点を閉鎖へ 地元メディア報道

CNN.co.jp によるストーリー

米IBMの中国での歴史は長く、1934年には北京の病院に設備を納入していた。/Sheldon Cooper/SOPA/LightRocket/Getty Images© CNN.co.jp

香港(CNN) 米IBMが中国にある研究開発拠点を閉鎖し、1000人あまりの従業員を削減する方針であることがわかった。複数の中国メディアが伝えた。米中間の地政学的な緊張によって、グローバル企業の多くが世界2位の経済大国である中国での将来について再考するようになっている。

米中の関係は、人工知能(AI)やグリーンテクノロジーといった科学技術をめぐり、国の安全保障への懸念もあって悪化している。一部企業はひっそりと人材を削減したり、スタッフを異動させたりしている。

中国メディアの第一財経は26日、IBMが中国全土で研究開発拠点を閉鎖すると報じた。この中には25年前に開設された研究施設も含まれる。

IBMは27日、CNNの取材に対し、声明で、顧客に対して最善のサービスを提供するために必要に応じて業務を調整しており、こうした変更は中華圏全体の顧客を支援する能力に影響しないと述べた。ただ、削減する人数や中国に研究用のスタッフを残すのかどうかについてはコメントしなかった。

別の中国メディアは、IBM幹部が北京や上海、大連のスタッフが人員削減の影響を受けると発表したと伝えた。報道によれば、同幹部はスタッフに対し、IBMの中国でのインフラ事業は「下り坂」にあり、中国で行われている研究は他の研究所に移管されると伝えたという。

IBMの中国での歴史は長く、1934年には北京の病院に設備を納入していた。84年には改革開放の動きにあわせ、大きな可能性を見いだして中国市場に再参入した。しかし、近年ではこうした熱気も冷めた。米中間の科学技術分野での競争は激しさを増し、米企業が中国市場で事業を行うことがだんだんと難しくなっている。

蛇足

バングラデッシュの出身の人と働いたことがあるので敬意を表す意味で旗を掲載する。(日本の旗を参考にしたと言われる)礼!

バングラデッシュの国旗

パラオ旅行に行って日本兵の英霊を供養してきた。パラオ国旗も日本を模しており親日国である。礼!

パラオの国旗

誇りを持つべき我が国の国旗である。礼!

日本の国旗

参考文献・参考資料

中国の「鉄飯碗」は崩壊するのか。バングラデシュから得た教訓【中国問題グローバル研究所】 (msn.com)

<社説>3期目の習政権 「強権と排外」の危うさ (msn.com)

歳入の増加は、役人の業績…中国の自治体で虚偽の歳入計上が相次ぐ 党は重要会議「3中全会」で配慮示す (msn.com)

日本で本を売る中国人 習体制の出版抑圧を逃れ (msn.com)

米IBM、中国の研究開発拠点を閉鎖へ 地元メディア報道 (msn.com)

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