政治講座ⅴ1911「中国はアジアの最大の平和の破壊者」
中国外務省は、「中国はいかなる国の領空も侵す意図はない」と繰り返し説明。
中国国防省の呉謙報道官は「中国と日本は外交ルートを通じて意思疎通を続けている」と述べた上で、「中国は平素から各国の主権を尊重している。この件について深読みしないように望む」と強調し、具体的な言及を避けた。
今までの戦狼外交と軍事行動や反スパイ法実施を俯瞰したらとても信じられるものではない。謝罪も無い無礼な国、それが無法者国家の中国である。中国はアジアの最大の平和の破壊者と非難させているのである。
今回はそのような世界情勢の報道記事を紹介する。
皇紀2684年8月30日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
「中国は平和の破壊者」とフィリピン国防相 無人の浅瀬めぐり攻防
朝日新聞社 によるストーリー
「中国は、東南アジア地域における最大の平和の破壊者だ」
【写真】フィリピン・バラバク島の西岸から望む南シナ海。桟橋で地元の子どもたちが遊んでいた
フィリピンのテオドロ国防相は27日、首都マニラで開かれた米インド太平洋軍司令部の会合で、中国を非難した。南シナ海のサビナ礁近海への進出を強める中国に対し、フィリピンでは危機感が急激に膨らんでいる。
テオドロ氏は報道陣の取材に対し、中国が国際秩序を自国の都合のいいものにつくりかえようとしている、と指摘。国際社会はより強く危機感をもつべきだと訴え、「中国を躊躇(ちゅうちょ)させるだけの世論と、軍事的抑止力をつくり出すことが必要だ」と連帯を呼びかけた。
サビナ礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内のスプラトリー(南沙)諸島にあり、中比両国が領有権を争う。フィリピン政府によると、5月に中国による埋め立ての痕跡が見つかり、6月には中国の調査船が確認された。8月に入ってからは両国の船舶が衝突してフィリピン船が損傷したり、放水を受けたりする事件が相次ぐ。
中国が新貿易戦争を始めた理由
Lingling Wei によるストーリー
中国はその巨大な輸出体制を再び強化している。今回はライバルの隠れ場所はどこにもない。
米マサチューセッツ州のスタートアップ企業、キュービックPVは、太陽光パネルのハイテク部品であるシリコンウエハーに賭けることにした。ジョー・バイデン大統領は2年前に気候変動対策を盛り込んだ「インフレ抑制法」を成立させ、これに基づきキュービックPVは数十億ドルの税額控除と政府の融資を受けた。2022年末には14億ドル(約2000億円)を投じてテキサス州にウエハー工場を建設する計画を発表した。
それ以降、中国はシリコンウエハーの生産量をほぼ倍増させている。これは中国に必要な量をはるかに超え、どこかに余分なウエハーの行き場を求めていた。それらは国外に輸出され、価格を70%も押し下げた。キュービックPVは今年初め、生産計画を中止せざるを得なくなり、エンジニアなどの従業員が職を失うことになった。同社は「中国の過剰生産能力の結果として市場がゆがめられた」ことを理由に挙げた。
そこから数千キロ離れた南米チリでは、中国産の安価な金属が大量に押し寄せる中、鉄鋼大手のCAPが今月、チリ中部にある同国最大のウアチパト製鉄所を無期限で操業停止にし、約2200人分の雇用が失われると発表した。CAPは政府が棒鋼などへの輸入関税を引き上げても、安い中国産鉄鋼には太刀打ちできないと説明した。
中国経済の低迷を受け、国内製造セクターに筋肉増強剤を投与する中国政府の解決策は、世界中の企業を苦しめ、新たな世界貿易戦争の影を浮かび上がらせている。
欧州連合(EU)が最近、中国製の電気自動車(EV)に関税を課す決定をしたことは、深まる緊張の最新の表れに過ぎない。各国は対抗手段として中国製品に対する関税を引き上げたり、反ダンピング(不当廉売)調査に乗り出したりしている。
その背景には、中国政府の大胆だがリスクを伴う計算がある。製造業への投資を増やせば、中国の将来を脅かすほど重大な国際的反発を招くことなく、国の経済活力を取り戻し、工業の強じんさを構築できるという読みだ。
政府の政策アドバイザーや中国当局者と協議したことがある人々へのインタビューによると、中国指導部は昨年、極めて重要な岐路を迎えていた。不動産バブルがはじけ、ここ数十年で最悪クラスの景気低迷に見舞われたためだ。
中国経済には根本的な見直しが必要で、従来のような製造業と建設業への依存から脱却し、代わりに国内消費の拡大に軸足を置くべきだと主張するアドバイザーもいた。そうすれば、中国は米国型に近づき、潜在的により安定した成長軌道を描けるというのだ。
だが、習近平国家主席はそうではなく、数十億ドルの新たな補助金と融資枠によって国家主導の製造業モデルを一段と強化するよう当局者に命じた。習氏は彼らに確実にメッセージを伝えるスローガンを掲げた。それは「先立後破」だった。先に新しいシステムを作り、後から古いシステムを壊すということだ。
このスローガンの「新しい」とは、新たな成長モデルへの転換を意味するのではない。それは習氏が、国家の支援すべき製造業はどのようなものかについて自らの考えに磨きをかける方法を指す。要するに、EVや半導体、グリーンエネルギーといった中国が将来的に主導権を握りたい産業を構築する一方で、鉄鋼のように中国が伝統的に強みを持つ「古い」産業も維持することを求めている。過剰生産能力の問題があるとしても、それは未来に委ねればよいことだ。
習氏の思考を導いている二つの原則がある、と中国の政策アドバイザーたちは言う。第一に、中国は包括的な産業サプライチェーン(供給網)を構築し、米国などの西側諸国から厳しい制裁を科された場合でも、国内経済が回り続けるようにしなければならない。習氏の見解では、先進諸国との緊張が高まる中、産業安全保障は中国の国家安定の中核に位置づけられるという。
第二に、習氏は米国流の消費に対して根深い哲学的な反対論を抱き、これを浪費とみなしていることだ。
そうすると中国にとっては、弱体化した経済を安定させ、国内の建設業で失われた雇用を補うために、輸出に投資する以外の選択肢がほぼないことになる。
結果として、中国の労働者が失業するのではなく、ブラジルの鉄鋼労働者や欧州の化学エンジニア、米国の太陽光パネルメーカーが雇用を失う可能性がある。
政府支援は手厚く
公式データによると、習氏の掲げる優先課題は中国経済に徐々に浸透している。
製造企業を含む鉱工業向け融資は2021年末以降63%増加している。その一方で、中国の銀行は不動産向け融資から急激に資金を引き揚げている。
政府補助金も、長らく中国の経済政策の中心ではあったが、大幅に増加している。金融情報サービス大手の万得信息技術(ウインド)のデータによると、深圳と上海に上場する企業が2023年に申告した政府補助金は総額330億ドルに上り、2019年を23%上回った。
独シンクタンクのキール研究所によると、中国上場企業の99%は何らかの形で補助金を受給したことを公表している。米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家であるスコット・ケネディ氏によると、中国は国内総生産(GDP)の約4.9%を産業育成に費やしており、米国やドイツ、日本に比べて数倍の水準だ。
在中国の米企業ロビー団体、米中ビジネス評議会のクレイグ・アレン会長は、習氏の製造業への執着心は、ある中国の貧しい農村部の省トップと最近会談した際にも見て取れたと話す。
アレン氏が経済の優先課題について尋ねると、省トップは半導体やソフトウエア、バイオテクノロジー、ロボット工学、航空宇宙、電池、EVを挙げたという。
「農作物の収穫向上など、圧倒的に農村部の住民が多い有権者のニーズに応えるものが、経済の優先課題の上位に並ぶのではないかと思っていた」とアレン氏は語る。
[深層NEWS]中国軍機の領空侵犯の真意は…「技術的なミスの可能性高い」「故意の可能性も」
読売新聞 によるストーリー
神田外語大の興梠一郎教授と笹川平和財団の小原凡司・上席フェロー、明海大の小谷哲男教授が27日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、中国軍機による日本領空の侵犯について議論した。
小谷氏は「技術的なミスで起こった可能性のほうが高い。政治的な意図はおそらくないだろう」との見解を示した。小原氏は「技術的なミスだとすると、中国のパイロットの練度は極めて低い。故意である可能性はある」と指摘し、「中国共産党中央からの指示か、現場が嫌がらせでやったのかはわからない」と述べた。
中国技術の影響力に早いうちに制限をかけるべき―ドイツ専門家
Record China によるストーリー
2024年8月26日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の技術による影響力に早く制限を掛けるべきだとするドイツ紙の評論を紹介する記事を掲載した。
記事は、独紙ハンデルスブラットが掲載した独外交政策協会のシニア研究員バレンティン・ウェバー氏の評論を引用。ウェバー氏が文章の中で、中国の技術企業が世界への拡張を積極的に進める中、ドイツでは環境配慮型の科学技術や防犯カメラなどのセキュリティーシステム、ソーシャルメディアなどの分野において、「重大な安全リスクが存在するにもかかわらず、なおも中国のサプライヤーに大きく依存している」とし、連邦政府や各当局が中国の技術によってもたらされる体系的なリスクに対処するプランを打ち出していないと指摘したことを伝えた。
ウェバー氏はその上で、ドイツ政府は明瞭、明確なリスク低減基準を制定すべきだとし、そのポイントとして「公共機関や地方政府においてセキュリティーリスクとなる中国技術を排除すること」「政府や軍事関係の場所で、監視カメラや電気自動車、車載ソフトウェアなどの中国による技術の使用を禁止すること」「TikTokをはじめとするソーシャルメディアに代表される中国の技術の普及を制限すること」の3点を列挙。「これらの措置は、中国とのデカップリングが目的ではなく、リスク排除が目的。何もかもを禁止するデカップリングとは異なり、リスク分析やデータ、透明性を踏まえたうえでのリスク排除だ」と論じている。
また、中国では自身が提案したような大規模なリスク排除が行われたことがないとし、その理由について「なぜなら、中国は大多数の西側企業が重要な市場の存在となることを許さなかったからだ」と指摘。「中国は西側の技術が入るリスクを最初の段階から排除ないしは低減させており、ドイツも中国からもたらされるさまざまな分野のリスクを果断に低減し、新たに出現した中国の技術やアプリケーションプログラムのリスクを速やかに制限する術を学ばなければならない」とした。(編集・翻訳/川尻)
中国「一帯一路」プロジェクトに投入した7800億ドルの結果が“借金とテロ”という悲劇
WANI BOOKS NewsCrunch によるストーリー
中国は農作物とエネルギー、鉱物資源の確保を目的に「一帯一路のプロジェクト」を世界各地に広げていったが、パキスタン・スリランカ・ベネズエラ・ジブチなどでは、テロなどの妨害でプロジェクトは進捗せず、途中で放り出すこととなった。日本を代表する中国ウォッチャーである国際政治評論家・宮崎正弘氏が解説する。
※本記事は、宮崎正弘:著『悪のススメ -国際政治、普遍の論理-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
アフリカ諸国への中国のプロジェクト投資
中国がアフリカ諸国に一帯一路のプロジェクトを広げたのは、農作物とエネルギー、次いで鉱物資源の確保が目的だった。決して善意や友好関係の樹立が中国外交の目的ではない。
中国は高々と国家目標を掲げ、ジャブジャブとプロジェクトに金を投じた。アフリカや中央アジア、南太平洋諸国を大きな顔でのし歩いた。
しかし、結果は無残なかたちで露呈した。ほとんどが砂上の楼閣と化したのである。中国国内におびただしいゴーストタウンを建設したように、諸外国へのプロジェクト輸出は各地にゴーストシティをつくった。そして支援金も尽き果て、事実上の不良債権と化した。
▲中国国内で進むビル建設 イメージ:tabi-guide.com / PIXTA
中国からむしり取った国は多いが、露骨なパターンを示したのが。モルディブ・スリランカ・パキスタンである。
モルディブは「海に沈む国家」と言われる。コロナ禍の前は世界中から観光客が集まった。日本のツアーも年間4万人以上が、この南インド洋に浮かぶリゾートに遊んだ。
無人島が1000以上(そのほとんどは岩礁。海に沈む時間もあるが、統計上は1192の島々がある)、有人島は200、このうち100ほどの島がリゾートで、海上ホテルや砂浜のコテージではお酒も飲める(ただしアルコールの持ち込みは禁止)。
海域があまりにも広大で、海難救助は難しい。従来からモルディブはインドの保護国でもあり、災害救助を目的に小型飛行機とヘリコプター部隊のインド軍80名が駐在していた。
安全保障の取り決め、地域防衛的な協定ではなく、あくまでも海難救助隊だった。その恩義を忘れてインド軍に、親中政権は「出て行け」と言いだした。怒り心頭のインドは期日を早めた。モルディブは、これによりインドという保護国を失った。
以前のヤミーン政権も親中派で汚職まみれ、インドの干渉を嫌い、プロジェクトを持ちかけてきた中国に転んだ。空港から首都マレへ海上橋をかけてもらい、合計15億ドルが中国からの借金、その返済について心配した気配はなかった。
モハメド・ムイズ新大統領は、ヤミーン政権下で建設プロジェクトに深く関与した肥った利権政治家、中国裨益組である。
2020年にヤミーン汚職政権を倒したソリ大統領は親日派でもあり、インドとの関係を修復した。インドはモルディブに15億ドルの信用供与を与え、観光客もインド人がトップだった。
しかし、2023年に「親中」「反インド」のムイズ政権が発足すると、モルディブへのフライト予約システムを中断し、怒りを静かに現してきた。なお二国間援助では日本がトップである。
中国人を狙ったテロが相次いで起きている
中国は対インド戦略の要衝、パキスタンに一貫して肩入れしてきた。パキスタンの西南部、グアダール港の近代化、ターミナル増設、工業団地、大学も建設。一帯一路の目玉プロジェクトだった。総額520億ドルのうち、中国は合計330億ドルを注ぎ込んだ(大半は中国輸出入銀行、開発銀行などの貸し付け)。
グアダールからパキスタンを斜めに横切って、ウイグル自治区へ石油とガスのパイプライン、鉄道と高速道路、そして光ファイバー網を通すという5つのプロジェクトが平行し、工事はかなり進捗していた。
ところが、グアダール港はパキスタン中央政府の統治がおよばない無法地帯だった。パロチスタン独立運動が過激化し、テロリストが次々と中国人を標的としたため、建設現場で中国人エンジニアを守るのがパキスタン軍、という皮肉な事態となった。そのうえ鉄道建設現場からはレールもセメントも「蒸発」した。
中国はたびたび苦言を呈したが、2021年、「グアダール・プロジェクト中断、代替地はカラチ」とした。するとカラチでも中国人を狙ったテロが起きた。
パキスタン北東部には中国が主導するデスダム工事が進行中だが、ここでも中国人エンジニアがテロに襲われ死傷者がでた。
2007年以来、中国はベネズエラに680億ドルを融資した。主に石油鉱区、鉱物資源鉱区の開発プロジェクトで、直接投資は300億ドルを超えた。
中国の融資条件は高利で、返済条件も厳しいことで知られる。ベネズエラの経済実情(GDPは80%減、インフレ率はIMF統計で2355%)をみれば、返済は不可能だ。となると、次の選択肢は狭まる。中国はスリランカやジブチでそうしたように、担保権行使に踏み切った。石油鉱区のりである。
2023年10月17日から北京で開催された「一帯一路フォーラム」には華やかさが消えていた。目立ったゲストはプーチンとオルバン(ハンガリー首相)、背の高いトカエフ(カザフ大統領)、ジョコ(インドネシア大統領=当時)、元首級はラオス、カンボジアくらい。
▲第1回一帯一路国際協力サミットフォーラム 出典:The Russian Presidential Press and Information Office / Wikimedia Commons
ムードを盛り上げようと、中国のメディアは習近平を「一帯一路の総設計師」と褒めそやしていた。
習近平は演説で「これからの一帯一路は、ハード面からソフト面の協力にも展開する」と強調した。従来の大型インフラ投資は、かえって途上国を「債務の罠」に陥らせてきたと批判されてきた。
途中で放り出した案件は、パキスタン・スリランカ・ベネズエラ・ジブチなどが典型だ。新幹線開通は、インドネシアとエチオピア・ジブチ間だけ。中国が「一帯一路」プロジェクト全体にぶち込んだのは7800億ドル前後で、中国自ら借金の罠に陥没した。
方向転換は予想された。国際協力フォーラムで習近平はこう言った。「一帯一路は高水準で、人々の生活に恩恵があり、持続可能であることが重要な原則となる」
また、外相兼政治局員は記者会見で「発展の新段階に進んだことは、各方面の支持を得ている」とし、方針転換を正当化した。「量から質へ方向転換」ということは、これまでは「悪質」だったことを自ら認めたことにならないのだろうか。
中国軍機による日本領空侵犯で中国国防省が「深読みしないことを望む」とコメント 意思疎通を続けていると強調も
FNNプライムオンライン によるストーリー
8月26日、中国軍機による日本の領空侵犯が初めて確認されたことについて、中国国防省は「深読みしないように望む」と述べました。
防衛省によりますと、8月26日、中国軍のY―9情報収集機が、長崎県の男女群島沖の領海上空を飛行し、中国軍機による領空侵犯が初めて確認されました。
中国国防省の呉謙報道官は29日の会見で、「中国と日本は外交ルートを通じて意思疎通を続けている」と述べた上で、「中国は平素から各国の主権を尊重している。この件について深読みしないように望む」と強調し、具体的な言及を避けました。
中国外務省は、これまで「状況を確認中」であり、「中国はいかなる国の領空も侵す意図はない」と繰り返し説明しています。
参考文献・参考資料
「中国は平和の破壊者」とフィリピン国防相 無人の浅瀬めぐり攻防 (msn.com)
[深層NEWS]中国軍機の領空侵犯の真意は…「技術的なミスの可能性高い」「故意の可能性も」 (msn.com)
中国技術の影響力に早いうちに制限をかけるべき―ドイツ専門家 (msn.com)
中国「一帯一路」プロジェクトに投入した7800億ドルの結果が“借金とテロ”という悲劇 (msn.com)
中国軍機による日本領空侵犯で中国国防省が「深読みしないことを望む」とコメント 意思疎通を続けていると強調も (msn.com)
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