政治講座ⅴ665「ドイツの国家転覆」
日本でも国家転覆を計った宗教集団があった。オウム真理教がサリン事件を起こし社会不安を煽り、そのための私兵やロシアから戦車や軍用ヘリコプターまで準備していた。このドイツの国家転覆はその事件を彷彿させる。報道記事から内容を紹介する。
皇紀2682年12月9日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
ドイツで陰謀論グループが国家転覆を狙ったクーデターを計画、貴族の子孫「ハイリヒ13世」など25人が逮捕される
8 時間前
ドイツ当局が2022年12月7日(水)に、陰謀論を信じてドイツ政府の転覆を企てたとして、暴力的なクーデターを計画した疑いで極右グループのメンバーとその支持者25人を逮捕したと発表しました。逮捕者の中にはドイツの貴族の子孫や退役した元空挺部隊員、元裁判官などが含まれていました。 GBA: Festnahmen von 25 mutmaßlichen Mitgliedern und Unterstützern einer | Presseportal https://www.presseportal.de/blaulicht/pm/14981/5388453 Suspected German coup plot spawns dozens of arrests | AP News https://apnews.com/article/europe-germany-constitutions-d7e67cfefbd1f33e2909f9c2fe1a3d3d Germany arrests 25 people over far-right coup plot https://www.axios.com/2022/12/07/germany-far-right-coup-plot 今回逮捕されたのは、まだ正式名称が明らかになっていないテロ組織のメンバーでドイツ人の22人と、支援者と思われるドイツ人2人、およびロシア人1人の合計25人です。警察による家宅捜索はベルリン州やバーデン=ヴュルテンベルク州などドイツ各地の150カ所で一斉に実施されたほか、オーストリアとイタリアでも行われました。また、さらに27人の容疑者に対しても裁判所命令による捜索が継続中です。
逮捕者の中には、2人の首謀者の1人として、ドイツ領主の家系であるロイス家の子孫のハインリヒ13世ロイス公(Heinrich XIII Prince Reuss)71歳も含まれています。ロイス家は家法で男性は全員ハインリヒを名乗ることが定められています。 今回逮捕された25人の容疑者らは、遅くとも2021年11月末までに設立されたテロ組織に所属しており、このグループについて当局は「いわゆるライヒスビュルガー(帝国市民)運動とQAnonのイデオロギー的な物語から成る陰謀論神話の集合体」と形容しました。 ライヒスビュルガー運動とは、第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国を否定し、ドイツ帝国がまだ存続していると考えているグループで、暴力の行使も辞さない姿勢から極右過激派団体として扱われています。 また、容疑者グループはアメリカの陰謀論にも感化されており、ドイツ政府がいわゆる「ディープステート」と呼ばれる勢力に支配されていると固く信じて、その暴力的な排除に参加するための具体的な準備を決行していたとのこと。
準備活動には、新国家の行政構造についての協議や、新メンバーの採用などが含まれており、その中心にあったのがハインリヒ13世率いる「評議会」でした。この評議会はドイツ政府を打倒した後はハイリヒ13世を指導者とする新たな支配体制を構築しようともくろんでおり、新政府樹立後は連合国、つまり第二次世界大戦の戦勝国らと新しい秩序について交渉する予定だったとのこと。また、連合国の窓口としてロシア政府にも連絡を送っていましたが、ロシア政府からの反応はありませんでした。 さらに、評議会はドイツ陸軍特殊部隊の元将校が率いる「軍事部門」を擁しており、この軍事部門が機材の調達や射撃訓練の実施などを担っていました。当局は、これらの活動がテロ行為およびその支援を禁じるドイツの刑法に違反した疑いがあるとして、今回の逮捕に踏み切りました。 ドイツのナンシー・フェーザー内務大臣は会見で、「今回の捜査はライヒスビュルガーの中にいるテロリストの脅威の深さを物語るものです。さらなる調査によってクーデター計画がどこまで進んでいたのかが明らかになるでしょう」と述べたほか、Twitterにも「私たちは民主主義の敵に全力で反撃しました」と投稿しました。
貴族の子孫や裁判官も ドイツで極右のクーデター計画 25人を逮捕
朝日新聞社 - 昨日 21:08
ドイツの連邦検察庁は7日、クーデター計画を練っていたとして、極右勢力のメンバーら25人を逮捕したと発表した。容疑者らは連邦議会の建物の襲撃を計画していた疑いがある。貴族の子孫のほか、現役裁判官も関わっていた。ドイツメディアによると、過激派への捜査としてはドイツで過去最大規模になるという。
検察の発表によると、7日朝から、計約3千人の捜査員が全16州のうち、11州の計130カ所を家宅捜索。テロ組織のメンバーとみなしたドイツ人22人と、ロシア人1人を含む支援者3人を逮捕した。さらに27人の容疑者を調べている。
容疑者らは遅くとも昨年11月以降、いまのドイツの政府組織を否定し、非民主的な独自の国家体制をつくることをめざしたテロ組織に所属。暴力手段によって、連邦議会を襲撃するなどして、国家転覆を図った疑いがある。
71歳「ハインリッヒ13世」、ドイツでクーデター準備…「帝国臣民」の関与も捜査
読売新聞 - 昨日 21:03
【ベルリン=中西賢司】ドイツ連邦検察庁は7日、政権転覆を企てたなどとして、極右勢力メンバーら22人とロシア人1人を含む支援者3人を拘束したと発表した。一部は武装して連邦議会襲撃を準備した疑いがある。独当局は7日、国内16州中11州に3000人以上を投入し、関係先130か所以上の捜索に入るなど強制捜査に踏み切った。
発表によると、メンバーは昨年11月末までにテロ組織を設立。陰謀論を唱え、暴力的手段で独自の国家樹立を目指していた。警察官や軍人の勧誘を試み、クーデターを計画していたという。当局は「ライヒスビュルガー(帝国臣民)」と呼ばれる勢力の関与を疑っている。この勢力には、戦後の連邦共和国の存在を否定し、なかにはドイツ帝国の継続を信じる人もいる。
報道によると、主犯格の一人は、かつてドイツ東部の一部を統治した家系出身で「ハインリッヒ13世」を名乗る71歳の男で、拘束されたロシア人支援者を通じてロシア政府と接触しようとした疑いがあるという。拘束者は、オーストリアとイタリアでもそれぞれ1人となっている。
ナンシー・フェーザー内相は声明で「摘発された組織は、暴力的な幻想と陰謀論に突き動かされている。転覆計画がどこまで進んでいたのかは、今後の捜査によって明らかにされる」と述べた。
独クーデター計画の主犯格「ハインリヒ13世」 一族は今も城を所有
12/8(木) 16:30配信
ドイツのフランクフルトで2022年12月7日、テロの疑いでドイツ全土で強制捜査が行われるなか、警官に連行される「ハインリヒ13世」=ロイター
ドイツ政府の転覆を謀るクーデターを計画していたとして、極右勢力のメンバーら25人が7日、逮捕された。ドイツメディアなどによると、逮捕された主犯格には貴族の子孫の男(71)が含まれ、「ハインリヒ13世ロイス公」を名乗っていることなどから注目を集めている。 【画像】ドイツ帝国の復活などをめざす「ライヒスビュルガー」(帝国市民)への家宅捜索をする警官 英BBCによると、「ハインリヒ13世」は、1918年まで現在のドイツ東部チューリンゲン州の一部を支配していた貴族のロイス家の一族。ロイス家の子孫は今もいくつかの城を所有しているという。また、「ハインリヒ13世」自身も同州に狩猟用の別邸を持っているとの情報があるという。 ただ、ロイス家は「ハインリヒ13世」とは距離を置いてきたようだ。ロイス家の広報担当者は今夏、「ハインリヒ13世」について「陰謀論にあおられた誤解」を信じ込んでおり、「時々混乱している」と地元放送局の取材に話していたという。
参考文献・参考資料
ドイツで陰謀論グループが国家転覆を狙ったクーデターを計画、貴族の子孫「ハイリヒ13世」など25人が逮捕される (msn.com)
貴族の子孫や裁判官も ドイツで極右のクーデター計画 25人を逮捕 (msn.com)
71歳「ハインリッヒ13世」、ドイツでクーデター準備…「帝国臣民」の関与も捜査 (msn.com)
独クーデター計画の主犯格「ハインリヒ13世」 一族は今も城を所有(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
71歳「ハインリッヒ13世」、ドイツでクーデター準備…「帝国臣民」の関与も捜査|au Webポータル国際ニュース (auone.jp)
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