政治講座ⅴ819「経済破綻や不動産バブル崩壊の事実を認めて対応しないと大変なことになるよ!ゾンビ化する中国」
中国共産党には不動産バブル崩壊から始まった経済破綻とゼロコロナ政策で疲弊した経済は立て直しは無理であろう。一般企業は見殺しにして、国営企業だけを存続させる国家財政のみを存続させる意図に見える。中国経済は断末魔を迎えることであろう。人民の暴動がよく起きないなと思っているが、弾圧で抑え込んでいるだけであろうか。やっぱり中国から逃げ出さないと、抱き付かれて、財産すべて奪われることになる。中国共産党の成り立ちが中国の資産家から財産を略奪して不動産は国有化して、すべて奪い取った国土であるから失っても元々自分たちの財産ではないから痛くも痒くもないのである。盛者必衰、万物は流転する。今回は最近の報道記事を紹介する。
皇紀2683年2月5日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国不動産の危機「未解決」、IMFが報告で指摘-中国側は反論
Bloomberg News - 11 時間前
(ブルームバーグ): 国際通貨基金(IMF)は中国の不動産市場では危機が未解決の状態であり、政府は同セクター支援のため一層の措置を講じる必要があると指摘した。中国側はこうした指摘に強く反発している。
IMFは3日に発表した中国経済に関する年次報告で、「不動産危機は未解決のままだ」とし、政策対応を拡大したにもかかわらず、不動産市場の低迷は「続いており、大規模な再編がなお必要だ」と記した。
今年の中国の経済成長率については5.2%と予測。IMFの中国担当ミッションチーフ、ソナリ・ジャインチャンドラ氏は記者会見で、2023年の中国経済について「引き続き潜在成長率を下回っている」と述べた。
一方で中国はIMFの報告内容に反論。IMF理事会の中国代表である張正鑫氏は声明で、「中国の不動産市場は総じて円滑に運営されており、『危機』状態にはない」と言明。「不動産市場の課題を誇張するのは不適切だ」と反発した。
IMF Sees China Economic Rebound in 2023 | China's GDP is projected to grow 5.2% on consumption rebound© Bloomberg
また中国の複数の当局者は、IMFが示した23年の成長予測について「過度に悲観的」だとして異議を表明した。
原題:China Clashes With IMF Over Property Downturn, Growth Rate (1)(抜粋)
--取材協力:Tom Hancock.
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©2023 Bloomberg L.P.
中国、経済回復を強化・拡大へ=李克強首相
Reuters - 15 時間前
[北京 3日 ロイター] - 中国の李克強首相は3日、中国経済は持ち直しており、中国政府は回復の勢いを強化し拡大させるために取り組むと述べた。国営メディアが報じた。
閣議で、中国経済はなお困難と課題に直面していると指摘。中国の経済成長は一連の支援政策と新型コロナウイルスを巡る規制の緩和によって回復しており、中国政府はこの回復を強化し拡大するために取り組むべきだとした。
中国で「不動産バブル崩壊・失業」が深刻化、習近平政権は正念場に
2022.08.04
中国で不動産バブルの後始末が深刻化している。大手デベロッパーは資産売却を加速しているが、資産価格の下落スピードはそれを上回る。習近平政権は銀行に不動産業界向けの融資を増やすよう規制を緩めているが、相場底打ちの兆しが見えない。1~6月期の不動産開発投資は前年同期比5.4%減り、分譲住宅の売上高は同28.9%も減少した。懸念されるのが失業の増加だ。6月、中国の若年層(16~24歳)の調査失業率は19.30%に上昇、調査開始以来最高だった。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
深刻化する不動産バブル崩壊の後始末
企業業績が悪化、失業率は上昇する
中国経済が、かなり厳しい状況を迎えている。主因は不動産バブル崩壊だ。共産党政権の厳格な融資規制は、人々のリスク許容度を急低下させた。債務問題は悪化している。
加えて、ゼロコロナ政策は建設活動を停滞させている。他方、成長期待の高いIT先端企業の規制強化が先行き懸念をさらに高める。それらの結果として、若年層を中心に失業者が急増。ローンの返済を拒む住宅購入者も急増している。地方政府の財政悪化も鮮明だ。債務返済の延期を銀行に求める地方政府まで、出現しはじめた。 中国の不動産バブルの後始末は拡大するだろう。今後、大手不動産デベロッパーの資金繰りはさらに行き詰まる可能性が高い。ゼロコロナ政策も続き、個人消費は減少基調で推移する。
他方、世界のインフレも深刻だ。中国企業のコストプッシュ圧力は一段と強まり、企業業績は悪化するだろう。生き残りをかけて多くの企業が雇用を削減せざるを得なくなり、若年層を中心に失業率は追加的に上昇するだろう。失業問題は、共産党政権にとって無視できない問題だ。
長きにわたる不動産バブル膨張
「三つのレッドライン」導入後の誤算
中国で不動産バブルの後始末が深刻化している。長い期間にわたって、中国では不動産バブルが膨張した。根底には、共産党の経済政策があった。
共産党指導部は地方政府に経済成長目標を課す。達成のために地方の共産党幹部は土地の利用権を中国恒大集団(エバーグランデ)などのデベロッパーに売却する。それは地方政府の主要財源となった。デベロッパーはマンションを建設する。建設活動の増加が、雇用を生み出し、建材の需要も増える。インフラ投資も加速する。
そうして地方政府はGDP成長率目標を達成し、幹部は出世を遂げた。中国全体で「党の指示に従えば豊かになれる」という価値観が形成され、「不動産価格は上昇し続ける」という神話が出来上がった。さらに、リーマンショック後は世界的なカネ余りが価格上昇を支えた。上がるから買う、買うから上がる、という根拠なき熱狂が不動産バブルを膨張させた。
しかし、いつまでも価格が上昇し続けることはない。2020年8月、共産党政権は「三つのレッドライン」を導入。金融機関は不動産デベロッパー向けの融資を減らし、デベロッパーは資産売却による資金捻出に追い込まれた。そうすることで共産党政権は経済全体での債務残高を削減し、資産価格の過熱を解消しようとした。
問題は、三つのレッドラインが想定以上の負の影響を経済に与えたことだ。急速な融資規制は神話を打ち壊し、不動産バブルは崩壊した。それ以降、売るから下がる、下がるから売るという負の連鎖が止まらない。
エバーグランデなどは資産売却を加速しているが、資産価格の下落スピードはそれを上回る。習近平政権は銀行に不動産業界向けの融資を増やすよう規制を緩めているが、相場底打ちの兆しが見えない。1~6月期の不動産開発投資は前年同期比5.4%減り、分譲住宅の売上高は同28.9%も減少した。不良債権問題が深刻化し始めている。
企業・個人・地方政府に拡大する
不良債権問題
不良債権問題を三つに分けて考えてみる。まず、企業に関して。エバーグランデなど大手のデフォルト(債務不履行)が相次いでいる。銀行セクターでは、ずさんなリスク管理の実態が浮上した。
河南省では41万人の銀行預金が凍結された。貸し倒れ、担保資産の価値急落によって、銀行の資金繰りが急激に悪化している。同省では3000人が参加して、預金の支払いを求めるデモが起きた。取り付け騒ぎだ。それを阻止しようとした当局との衝突も発生した。
中国の金融システムの現況は、わが国の1990年代中頃を想起させる。連鎖倒産が起き、不良債権は雪だるま式に増え、金融システムの不安定感が高まる一連の流れだ。
次に、個人(家計)について。住宅ローンの返済拒否が増加している。例えば江西省では、不動産デベロッパーが経営体力を失ったせいで、1年以上建設が止まったままのマンションがある。ゼロコロナ政策も拍車をかけて、建設現場に作業員が集まることすら難しい。一部の購入者は、10月までに工事が再開されない場合、翌月から返済を停止すると表明した。購入した住宅がいつ完成するのか、不安視する人が増えるのは当然だ。支払い拒否は、他の地域でも急増している。
最後に、地方政府の返済能力が低下している問題だ。一例として、貴州省政府は債務返済の先送りを金融機関に求め始めた。鉄道などインフラ事業の収益性は低く、土地利用権の売却収入も減っている。結果、同省政府は債務返済負担に耐えられなくなったようだ。
インフラ投資積み増しのために債権発行などを増やす地方政府が増えている。債権者に返済期間の延長、さらには一部債務減免(ヘアカット)を求める地方政府が急増する可能性が高まっている。
かくして、「灰色のサイ」と呼ばれる中国の債務問題は深刻化している。
失業問題の深刻化
貧富の格差拡大も避けられない
懸念されるのが失業の増加だ。6月、中国の若年層(16~24歳)の調査失業率は19.30%に上昇、調査開始以来最高だった。建国以来で見ても、新卒学生を取り巻く雇用環境は最悪だろう。中国人留学生の中には、帰国せず日本での就職を目指す者が多い。
今後、中国では銀行の貸しはがしや貸し渋りが増える。不動産をはじめ民間企業の資金繰りは切迫する。ウクライナ危機をきっかけに、世界全体でインフレも深刻だ。中国では生き残りをかけてリストラに踏み切る企業が増え、若年層を中心に失業率は上昇するだろう。となると、共産党政権に不満を持つ人が増える展開が予想される。
その展開を回避するために、習政権は高速鉄道などの公共事業を積み増すだろう。しかし、経済全体で資本効率性は低下基調にある。高速鉄道計画では、ほとんどの路線が赤字だ。追加のインフラ投資は、地方政府の借り入れ増を必要とする。結果として、経済対策は不良債権の温床になる。
強引なゼロコロナ政策の継続で、個人の消費や投資は減少せざるを得ない。他方、成長期待の高いIT先端企業の締め付けも強まる。8月からは改正版の独占禁止法が施行される。連鎖反応のように、中国全体で企業の業績は悪化するだろう。
逆に言えば、一時的な失業増を伴う構造改革の実行は容易ではない。今のところ、共産党政権は公的資金を注入し、エバーグランデなどを救済する姿勢も示していない。
中国では、追い込まれる企業・個人・地方政府が増える。その結果、資金流出が加速し、人民元の先安観は強まり、ドル建てをはじめ債務のデフォルトリスクは高まるはずだ。資産売却などリストラを強行せざるを得ない企業は、追加的に増えるだろう。
失業問題が深刻化することで、貧富の格差拡大も避けられない。中国は不動産バブル膨張によって、過剰な債務・雇用・生産能力が出現した。今後は、その整理が不可避だ。以上
出典:ダイヤモンドオンライン 2022年8月2日
中国に「空きマンションが1億戸ある」は本当か?
中国不動産バブルの定量的研究(1)
2022.1.14(金)
(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)
本年(2022年)はいよいよ中国の不動産バブルが本格的に破裂しそうだ。だが、中国のバブルの実態は今一つ明らかになっていない。それは共産党の秘密主義、また中国人が「白髪三千丈」と言った誇張した表現を好むことが一因とも思われるが、語られる数字に信憑性がないからだろう。そんな国のバブルをフェルミ推計(実際に調査することが困難な数量をいくつかの手掛かりから論理的に推論すること)によって明らかにしたい。今回はその手始めとして、「空きマンションが1億戸ある」と言われていることについて検討する。
中国の住宅建設は明らかにバブル状態
中国の不動産バブルの背景に戸籍問題がある。現在でも中国人は、都市戸籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。農村から都市に出てきた人々は「農民工」と呼ばれて、二流市民扱いされている。彼らは子供の就学や年金、保険などにおいて差別的な扱いを受けている。この十数年で、このような差別的な制度はかなり改善されたとされるが、それでも都市戸籍と農民戸籍の間には大きな隔たりがある。
図1に都市人口と農村人口の変遷を示す。都市の人口は1998年に4億人だったが、2020年には9億人になった。5億人の増加である。一方、農村の人口は8億人から5億人に減少した。
図1 都市と農村の人口(単位:億人、データ:中国統計年鑑)ギャラリーページへ
中国の都市では一般的な住居はマンションである。過去20年ほどの間に中国でどれほどのマンションが建設されたのであろうか。この問いに直接答えるデータを見つけることはできなかったが、中国統計年鑑には建設された住宅の延床面積が記載されており、そこからの推計が可能である。延床面積が公表されているのは、中国のマンションが一戸というより1平方メートル当たりの価格で取引されているためだろう。
中国、懸念される「金融危機」の問題…世界経済へ及ぼす影響を「過去の日本の金融危機」から考察
2022/10/2(日) 9:16配信
中国の不動産バブル崩壊と、それに伴う金融危機が懸念されています。この問題について過去に日本で起きた金融危機の状況と照合すると、複数の共通点があることがわかります。そこをたどると、今後の中国の状況が読み解けるかもしれません。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。
中国の金融危機を心配している人は多いが…
中国で不動産バブルが崩壊し、金融危機が起きると心配している人も多いようです。現在は不動産開発業者の倒産可能性等が注目されているようですが、それが金融危機に発展しかねない、ということのようです。 筆者は中国の事情に詳しくありませんが、金融危機を心配している人が多いのであれば、そうした人々に日本の経験を復習してもらうことで、中国の今後について考える参考になるだろうと思います。 中国の専門家は、日本の過去に必ずしも詳しくないでしょうが、高度成長から安定成長に移行した真の原因(石油ショックは単なる契機で、本当は産業構造の変化等が重要だった、等々)や金融危機の経験等について学ぶと、中国の今後を予想する際に役に立つ、というのが筆者の認識です。
不動産の暴落が「さらなる暴落」を招くメカニズム
不動産価格が、主に実需(自分で住む目的や賃貸する目的での買い注文)によって上昇しているときには、仮に価格が暴落しても、売り注文が激増することはないでしょう。自分で住んだり貸したりしているのであれば、そのまま住み続けたり貸し続けたりすればいいわけですから。 しかし、主に投機目的の買い注文によって不動産価格が上昇しているとき(バブル的な状況)に不動産価格が下落を始めると、それまで買っていた投機家たちが買いから売りに一斉に転換するので、価格が暴落しかねません。 そうした暴落は、人々の値上がり予想を値下がり予想に転換させるので、買い注文をさらに減らし、売り注文をさらに増やし、さらなる暴落を招くことになるでしょう。 銀行も不動産担保融資を避けるようになりますから、借金で家や土地を買いたいと考えている人々が、家や土地を買うことができなくなってしまいます。これも需給を悪化させて不動産価格の暴落を加速させる要因でしょう。借金の借り換えができずに、買った不動産を手放す人が増えることも、不動産価格の暴落を加速させるはずです。
中国不動産バブル確実に崩壊「経営危機の中国恒大集団、破綻へ」
Global News Asia / 2021年10月2日 5時45分
2021年10月、経営危機が叫ばれていた、中国恒大集団の破綻は確定した。負債総額は1兆9700億人民元(約33兆5,000億円)と見られている。中国政府は直接救済を見送り、間接的な部分的救済にとどまる見通しだ。9月30日に償還期日を迎えた個人投資家向け債権は、10%の金額を返金したと会社側は発表したが詳細は非公表だった。
専門家は「恒大集団は、地方政府から開発用地の使用権を購入して、マンションやリゾート物件を開発して急成長をし、約20万人の従業員を抱える大手グループになりました。途中までは順調でしたが、多くの中国国民に悪夢を見せる結果に終わりました。
不動産価格は、必ず上昇すると信じた国民が、自ら住む住宅の他に、2軒目、3軒目のマンションを購入。転売して利ザヤを稼ごうとの投機目的だったのです。この3~4年はその夢から目覚めた中国国民は、損切をして売却に走りました。多くの人が銀行ローンで購入していたため、値上がりが見込めないほとんどの物件は担保割れとなり、金融機関の不良債権はドンドン増える見込みです。
ちょっと考えれば、少子化の中国で不動産価格が高騰すること自体、道理に合わなかったのですが。集団催眠・集団心理で、バブルの速さと大きさは日本以上でした。この20年で20倍以上に値上がりした極端なケースも。そこには日本同様に利益を確保したい不動産会社の優れたセールストークがありました。
恒大集団の高利回り債権も6月ごろからは大口の買い手が見つからず、資金難に喘ぐ状況に陥り、恒大集団の社員や取引先にも、ノルマを課し購入者を探すように指示。それができなければ自ら購入するよう命じられていました。
中国は、社会インフラの整備が遅れており、大雨が降れば各地で河川の氾濫、また電力不足での停電など。さらに大気汚染も深刻で不動産に魅力がある国ではありません。
恒大集団の事実上の破綻は、中国不動産バブル本格崩壊への序奏で中国経済に大きな悪影響が出ると思われます」と話す。
中国・不動産市場は行き詰まった
2022年8月24日 16:16
中国の不動産市場は完全に行き詰まり、完全崩壊する危険性もはらんでいる模様である。上場する不動産会社のうち、7月17日までに77社が2022年上半期の業績見込みを発表しており、このうち42社が赤字の見込み、さらこのうち23社が、当初の予想は黒字だったが業績が大幅に悪化したとのことである。21年上半期より利益を伸ばすのは12社にとどまりそうである。
住宅価格は2年前に逆戻り
上半期の利益が10億元(約200億円)を超えると見ているのは、招商蛇口、金融街、雅戈爾、保利発展であり、なかでも保利発展は前年同期から4.1%伸びて107億元(約2,195億円)との予想である。
その一方、陽光城、藍光発展、金科股份、栄盛発展、中南建設、首開股份、ST泰禾、中天金融が10億元を超える赤字を計上する見込みである。このうち藍光発展は、赤字額が46億元(約942億円)に達する見込みである。
中国国家統計局が発表した、22年6月現在の中国70都市における住宅の販売価格を見ると、コロナの影響や経済の下押しによりおしなべて下落している。2年前の20年6月以下となったのは34カ所で、このうち青島、済南、ハルビン、武漢など27カ所は3年前の19年6月にもおよばない。さらに天津、鄭州、石家荘など6カ所は5年前のレベルに落ちている。
鄭州市中原区に住む馬さんによると、現地の物件の売価は2016年末には100万元(約2,000万円)であったが、今は80万元(約1,600万円)でも買い手が出ず、賃貸にも出せず半年が過ぎているという。
資金繰り困難続く
中国で不動産業界の上位100社に数えられる宝竜地産が7月26日、7月25日が期限である2129万4,000ドルの手形の元金と利息が未返還であると発表した。この1週間で100社のうち4社が同様の事態に陥っている。
宝竜地産はまた、期限が22年11月8日である22年次期分の手形およそ3,725万ドルとその利息分についても、未返還であると発表した。さまざまな融資元をあたってはいるが期日までに返還できるかは未定という。
今年4月29日に宝竜地産が発表した2021年度の業績を見ると、年間の契約金額は前年を24%も上回り、1,012億元に達している。また営業収入は前年比12%プラスの399億元であった。1,000億の大台にのってほどなく、今回の国外債務違反が告げられたわけである。
今年前半は、2021年に全事業案件の約71.8%、保有地%の67.1を占めた長江デルタ地帯で、コロナの影響からか売上高が漸落しており、1~6月の契約金額は前年比で56.2%も低い232億元であった。
中国の不動産業界では、7月19日~26日の1週間で、宝竜を筆頭に鑫苑置業、俊発地産、景瑞ホールディングスの4社が債券違約を言い渡されている。
緑地集団の上半期は利益半分減
中国の不動産大手「緑地」は、上半期の営業収入が前年同期を27.64%下回り、主な決算項目を見ても好調だった昨年から軒並み数字を落としている。
8月3日夜に発表された緑地の業績速報を見ると、上半期の営業収入は前年同期比28%減の2,047億元(約4兆870億円)で、利益は同じく49%減の42億元(約838億円)であった。1株あたりの利益は0.38元(約7.6円)であった。
事業内容別に見ると、不動産業については販売の削減や、生産、引き渡しなどの主な業務で的確な取り組みを立て続けに講じた。販売や資金の回収を急いだことで、販売金額は681億元(約1兆3,597億円)で回収額777億元、引き渡し物件の合計面積は934万㎡で振込額755億元(約1兆5,074億円)であり、ほぼ目標を達成した。また大型の建設案件も予定通りに完成している。
緑地は4月7日から株価が下がり始め、4カ月弱で48%値下がりしている。
各社は売上不振続く
中国共産党政治局は7月28日、現在の経済情勢を分析し、今年後半の活動を検討する会議を行った。このなかで、不動産市場を安定させ、住宅は住むもので投機の対象ではないということが指摘された。地域別の取り組みで政治的ツールを十分に活用し、必然的および改善的な住宅ニーズに応え、地方政府の責任を定め、物件の引き渡しで暮らしの安定を確保するようにとのことである。
不動産業界では昨年の後半から、巨額の債務を抱え資金難にあえぐ企業が出ており、債務不履行やマンションの建設中止などといった事態も起きている。中国政府は今年に入ってから、「地域別の取り組みで不動産市場を着実に成長させる」と強調しており、地方でも実情に合わせたかたちでの調整策が絶えず打ち出されている。ただ、住宅購入手当の支給、頭金割合や融資限度額、購入制限などの規制緩和といった刺激策が出ながらも、現在の売れ行きをみると効果のほどはいまひとつである。
中国国家統計局が発表した今年1~6月の不動産の開発投資や販売データを見ると、分譲物件について、販売面積は前年同期比22%減の6万8923㎡で、このうち住宅については26.6%減、また金額ベースでは同28.9%の6億6072元(約132兆円)、うち住宅は31.8%減となっている。
中国・世茂集団 「第二の恒大」になるのか
2022年7月27日 09:30
中国・世茂集団 「第二の恒大」になるのか
中国不動産業界で激震が相次いだ昨年あたりから、各都市でマンションの工事中断が増えている。各地方政府や不動産会社は、「引き渡し確保」を最優先に据えているが、売上不振による資金不足という現状にあって、本格的に建設工事を再開するのは相当の骨折りである。工事の中断について業界関係者によると、事業の売上金が流用されて工事にお金が回らなくなり、仕入元が代金を得られず、仕事に身が入らないことが原因だと話している。工事は再開してものろのろ状態だというのである。
その原因で、新築マンションが完成せずに入居予定者がローンの支払いをボイコットするという、「ローン返済拒否」が相次いでいる。7月15日現在、河南省、湖南省、江西省、河北省、広西自治区、山東省など20の地域の70カ所で合わせて150軒以上のマンションで、「一定期間内に建設工事が再開されない場合は入居予定者がローンの返済を拒否し、そのリスクや損失は双方が負担する」との声明が発表された。
これらのマンションは、引き渡しが何年も遅れている未完成放置状態のもの、あるいは引き渡し時期は先だが業者が資金不足で工事再開ができなくなっているものである。その多くは、恒大、世茂などが事業主となっている違約状態の案件である。
とくに、世茂グループは債務不履行で、「第二の恒大」になるではないでしょうか、という噂が広がっている。
採石場の跡地に建てられたあの5つ星ホテルをご記憶だろうか。不動産開発大手の世茂グループが上海市松江余山の国営リゾートエリア・天馬山に建設した上海余山世茂洲際酒店(上海ワンダーランドIHCホテル)。海抜マイナス88mで、2021年9月に第18回中国土木工程賞「詹天佑賞」を受賞した。
世界で最も低い所に位置するこのホテルは、世界中のホテルファンや旅行ファンの人気を集め、上海だけでなく中国全体の新たな「超人気」スポットとなった。実質的支配者である世茂グループもこのおかけで、業界内で存在感を示すようになった。
しかし、同業大手である恒大が事業を再編し、融創や緑地などが相次ぎ債務不履行となり、都市部の有名建築物を手がける世茂も同様のピンチに立たされた。
売上高3,000億元の不動産大手・世茂グループが債務不履行に
世茂グループは7月3日夜、この日に期限を迎えた10億ドル(約1,383億円)の公募債券について、元金の返済が不能となったと発表した。2022年も半分を過ぎたなか、中国不動産会社が続々と事業の縮小や見切り、値下げ、資金回収に走っており、物件の値下がりも鮮明である。以下、債務不履行に陥った例を挙げてみる。
一、大手不動産の恒大、負債総額およそ2兆、2021年12月に債務不履行を発表。
二、大手不動産の融創、負債総額およそ1兆、ドル債務の返済期限2022年3月、債務不履行を発表。
三、大手不動産の世茂、負債総額およそ4,000億、2022年3月に60億の信託支払いを延期、債務不履行を発表。
四、大手都市開発の華夏幸福、負債総額およそ2,600億、2020年12月に52億の債務の期限切れを認め、債務不履行を発表。
今回の世茂グループの債務は、シンガポールでの株式上場時の元金10億ドルの優先手形4・750%が期限となり、未払い利息合わせておよそ1O・24億ドルとのことで、今現在未納である。ただ、巨大会社である世茂は、この利息だけでぐらついたわけではない。
世茂は2020年上半期、3,000億元という売上目標を見事にクリアーし、時価1,300億香港ドル(約2兆2,908億円)となる輝きの時を迎えたが、それから2年もたたない今、2021年の決算もいまだに発表されず、株取引も3カ月以上停止され、この間に時価も167億香港ドル(約2,942億円)で止まっている。つまり、株価が下落の一途をたどりそうな状態なのである。
2022年に入り、1月から5月までの契約済み販売額はおよそ342億元で、2021年同期の1,217億元から72%もダウンした。コロナのぶり返しで期限切れの債務も支払えず、窮地を脱出するために他社同様に資産の売却に走り始めた。
世茂はただ、2021年の第四四半期あたりから「売り出し」モードに入っており、売値を明記した資料でさまざまな物件をPRした。上海の中心部にあるIHGホテルや世茂広場、また深センの象徴的建物である深港国際センターなども含め、見積額は合計770億元(約1兆5,804億円)にのぼる。
かつてアメリカの地理系チャンネルの番組「メガストラクチャー」で「世界十大建筑」ホテルにも選ばれたIHGホテルは、22・5億元(約462億円)の売値をつけた。深センの深港国際センターは現在、151億元で売り出し中である。これらの案件の資産価値は合わせて629億元で、84億元が売却済み、残りは544億元(約1兆1,167億円)である。世茂もこの売却で、93億元を「借り入れ」している。
公表済みの世茂の資料によると、重慶の中心部の主要ビル群、上海の「世茂広場」、杭州の「智慧之門」、長沙の「環球金融中心」など、高さ200mを超えるビルを30件以上有している。しかし、とりあえずお金が必要である今、自社の誇るこれらの主要物件は商品棚に載せるほかなくなってしまった。
参考文献・参考資料
中国不動産バブル確実に崩壊「経営危機の中国恒大集団、破綻へ」 - 記事詳細|Infoseekニュース
中国不動産の危機「未解決」、IMFが報告で指摘-中国側は反論 (msn.com)
中国、経済回復を強化・拡大へ=李克強首相 (msn.com)
中国で「不動産バブル崩壊・失業」が深刻化、習近平政権は正念場に - クレジットリスク総研 (crri.jp)
中国に「空きマンションが1億戸ある」は本当か? 中国不動産バブルの定量的研究(1)(1/3) | JBpress (ジェイビープレス) (ismedia.jp)
中国、懸念される「金融危機」の問題…世界経済へ及ぼす影響を「過去の日本の金融危機」から考察(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース
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