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政治講座ⅴ1903「ウクライナの越境攻撃と次期大統領トランプの和平交渉への期待」

ロシアとウクライナの侵略戦争を俯瞰すると、日露戦争を思い出す。ロシア帝国(ロマノフ朝)の無敵と言われたバルチック艦隊を日本海軍により、最新鋭戦艦4隻を擁したロシアの巨大艦隊が日本海海戦で忽然と消滅した事実は、日本の同盟国イギリスや仲介国アメリカすら驚愕させた。また、この大敗が反ロシア帝政の植民地や革命団を大いに活気づけ、やがてロマノフ朝倒壊にもつながった。米大統領セオドア・ルーズベルトは、日本海海戦の後に外務大臣小村寿太郎(第1次桂内閣)から要請を受け、1905年6月6日に日本・ロシア両国政府に対し講和勧告を行い、ロシア側は12日に公式に勧告を受諾した。
翻って、現在にロシアとウクライナ戦争の和平の好機が到来したと考えることができる。ウクライナが占有した地域のロシア西部クルスク州とロシアが武力略奪したクリミア半島と占領した地域との交換条件が整った。これにトランプが米国大統領に当選すれば、仲裁で和平にこぎつけることができるのである。かつて、「24時間で戦争を終わらせる」と豪語していたトランプ氏に期待しよう。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年8月25日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

ロシア、ウクライナの越境攻撃で米欧報道封じ込めに躍起 記者の刑事捜査で威嚇

16日、ロシアのクルスク州スジャに展開するウクライナ兵(AP)© 産経新聞

ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州に、米欧メディアが相次いで現地入りしている。ウクライナ軍が同行取材を認めたもので、露軍の国境地域への手薄な展開が明らかになっている。ロシア側は現地入りした外国人記者を刑事捜査する構えを見せ、報道封じ込めに躍起となっている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、クルスク州スジャを制圧したと表明。米CNNテレビはその直後、ウクライナ軍車両がロシア領内に続々と入っていく様子を報じた。人気のないロシア側の国境検問所とともに、「ウクライナ軍は全く抵抗を受けていない」と伝えた。スジャに向かう車窓から、ロシア兵の遺体が放置された路上の風景を映した。

22日付フランス紙フィガロは、同州のクルスク原発付近のルポを掲載した。「小型無人機が落ちた」とする地元市長の証言を報道。露軍の警備はほとんど見られず、「住民にパニックを起こさないよう配慮している」という分析を伝えた。占領地に取り残された露住民や捕虜になった露兵のインタビューを報じたテレビ局もある。

露連邦保安局(FSB)は22日、スジャ入りしたCNN記者を違法越境容疑で刑事捜査すると発表した。近く国際指名手配する方針だとした。露側はこれに先立ち、越境取材の「第一陣」に加わった国営イタリア放送協会(RAI)記者に対する捜査着手も発表している。報道への圧力を強めている。

露側では有力紙コメルサント(電子版)などが、クルスク州に露軍が展開し、避難住民が食料支援を受ける様子を写真で報じている。これに対抗し、ウクライナ側は越境攻撃を伝える動画を次々発信して情報戦を展開している。(三井美奈)

ウクライナ、対ロシア圧力強め将来の和平交渉に備え…「グローバル・サウス」の支持固めも重視

読売新聞 によるストーリー

ウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター© 読売新聞

 【キーウ=蒔田一彦】ロシアによる侵略開始から24日で2年半が経過し、ウクライナは外交と軍事の両面で対露圧力を強めようとしている。将来的に和平交渉が始まった場合少しでも自らに有利な形で臨むためだ。ウクライナの思惑通りに進むかどうかは、戦況の推移や国際情勢に大きく左右されることになる。

 ウクライナの独立記念日である24日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はビデオ演説で「ロシアは早晩、ウクライナの攻撃が我が国と国民の生命を脅かす露国内のいかなる地点にも到達することを知るだろう」と語った。演説は北東部スムイ州のロシアとの国境付近で撮影した。ウクライナ軍が越境攻撃を続ける露西部クルスク州に隣接する。

 今回の越境攻撃は、将来的なロシアとの交渉開始を強く意識している。6月にスイスで開いた平和サミットでは、ロシアとの対話を求める声が相次いだ。11月の米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は即時停戦を主張する。

 外交面では新興・途上国「グローバル・サウス」からの支持固めを重視する。ゼレンスキー氏は23日、キーウに招いたインドのナレンドラ・モディ首相から「ウクライナの主権と領土の一体性」への支持を取り付けた。7月にはドミトロ・クレバ外相が訪中し、8月にアフリカも歴訪した。ウクライナ政府関係者は外交と越境攻撃が「同じ戦略の2本柱だ」と米紙に説明した。

 ただ、見通しは決して明るくない。クルスク州から撤退を余儀なくされれば、筋書きは崩れる。米大統領選でトランプ氏が当選した場合、望まない形での停戦を迫られるリスクもある。インドのANI通信によると、ゼレンスキー氏は23日、記者団に対し「トランプ氏や彼のチームから(支援継続に関する)何の合図も受け取っていない」と述べた。

 ロシアは中国と関係を深め、露中印などで構成する「BRICS」への加盟を申請する国も相次ぐ。ウクライナは2回目の平和サミットを年内にも開催し、ロシアの参加を視野に入れるが、プーチン大統領は否定的な姿勢を崩していない。

クルスク越境攻撃の後「南方でのロシア軍の攻撃が停滞?」報道官の見解は意外なものだった

乗りものニュース編集部 の意見

複数方面で展開するロシア側の兵力が不足?

 ウクライナ国防省の公式メディア「アーミーインフォーム」は2024年8月20日、ロシアのクルスク州への越境攻撃の後、ロシア軍の攻撃が南部で弱まっている理由について報じました。

【動画】大きな爆発…これがウクライナ軍のクルスク攻撃です

前進するウクライナ軍の戦車(画像:ウクライナ国防省)。

 報道によると、連日ロシア軍と激しい戦闘が行われていたザポリージャ地方のオリヒウ方面とグリャイピルスケ方面で、3日間ほど攻撃がないとのことです。

 この状況について、同地で作戦を指揮している「タヴリア部隊」のドミトロ・リュホヴィ報道官は、「(前線で)戦闘行為がゼロというのは、最近としては異例の状況といえる」と見解を述べました。

 ただ、ウクライナ軍が抑えているドニプロ川左岸の一部では、ロシア軍が追い出そうと散発的に攻撃を加えているとのことでした。

 この方面でのロシア軍の大規模な攻撃の停止クルスク方面への越境攻撃の因果関係についてドミトロ報道官は「私はこれをクルスク作戦と結びつけようとは思わない」と話しました。ただ、慎重論というよりは、以前に指摘していたことが現実になっただけという考えで「私は1か月前に、ロシアには複数方面に同時に効果的な攻撃を行うための資源がないと言った」と強調しました。

仲裁役の米国の病理

(米国の分断と言われる片鱗:足の引っ張り合い)

ドナルド・トランプとウクライナ論争

またはウクライナ疑惑
2019年に行われたドナルド・トランプによるウクライナへの働きかけと、それを問題視して弾劾手続の開始を模索する民主党による論争。

ウクライナのガス会社をめぐる疑惑

元アメリカ合衆国副大統領で2020年アメリカ合衆国大統領選挙への立候補を目指すジョー・バイデンの次男であるハンター・バイデンは、2014年から2019年まで、ウクライナの天然ガス会社であるブリスマ・ホールディングスの取締役を務めていた。同社は、2016年までに何らかの疑惑を抱えウクライナ検察当局の捜査対象となっていたが、父親のバイデン副大統領がウクライナを訪問した際に同国の検事総長を罷免するよう要求すると、まもなくウクライナ議会は検事総長を罷免。会社は、検察当局からの追及を免れていた。

2019年7月25日、ドナルド・トランプ大統領は、ウクライナへの軍事支援を進めているタイミングでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話で会談。秘密裏にバイデン親子のウクライナにおける活動について捜査するよう要請していたが、同年8月頃、会談の内容が何者かの手で明らかになった(告発者はCIA職員と複数メディアが報じている)。ウクライナ検察に働きかけていた人物として、トランプ顧問弁護士チームのルドルフ・ジュリアーニが名指しされ、本人も認めた。ナンシー・ペロシ下院議長を始めとした民主党議員らは、職権乱用であるとして大統領の姿勢を一斉に批判し始めた。

大統領弾劾裁判

詳細は「ドナルド・トランプの弾劾」を参照

民主党側は、2017年のトランプ政権誕生以降、大統領選挙におけるロシアとの共謀疑惑などを足がかりに大統領弾劾を模索してきた。明らかになったウクライナへの要請は、軍事支援を背景とした干渉で、国の安全保障と引き換えに政敵への妨害を試みたとの解釈もできることから、大統領の弾劾に向けた新たな材料となった。
2019年9月24日、ペロシ下院議長は民主党の会合後、弾劾調査を開始すると発表した。

2019年9月26日、トランプ側は電話会談の記録を公表。ウクライナ側に捜査を促す発言はあったが、軍事支援関連のやりとりはなく「いかなる圧力もなかった」と改めて主張した。また、ウクライナのゼレンスキー大統領も、会談記録の公表に合わせてトランプからの圧力を否定するコメントを発表した。

2019年10月8日、トランプは証人喚問や証拠提出を求める下院民主党に反発し、ペロシらにあてた書簡で弾劾に向けた調査には協力しないと表明。全面対決の姿勢を鮮明にした。弾劾に関してホワイトハウスの顧問は、ペロシらあての書簡の中で手続きを始めるためには下院本会議で採決にかける必要があると主張。一方の民主党側は、下院本会議での採決は憲法で義務付けられていないと指摘して対立した。

2019年10月9日、ウクライナ論争の切っ掛けを作ったジョー・バイデンは、ニューハンプシャー州で行われた選挙集会に出席。「トランプが国を裏切り就任宣誓を破った」、「大統領は弾劾されるべき」として初めてウクライナ論争に関する批判を行った。民主党から大統領選への立候補者を選ぶ戦いで終始リードしてきたジョー・バイデンではあったが、夏場以降、健康問題なども加わり支持率が低下。批判を行った前日には、二番手候補だったエリザベス・ウォーレンに支持率で逆転を許したとする調査結果も現れていた。

2019年12月10日、民主党はドナルド・トランプ大統領による職権乱用、議会妨害を理由に弾劾訴追状を作成したことを発表した。職権乱用は、トランプ大統領がウクライナ政府への軍事支援を保留し、バイデン親子への捜査を求めたこと。また議会妨害は、下院の弾劾調査に応じない連邦当局者らに命じたこととなっている。手続き的には、下院で大統領訴追の是非を問う採決の準備、続いて上院での弾劾裁判を行う準備が整ったこととなる。12月18日、下院は弾劾訴追決議案に関する審議を行い、職権乱用について賛成230反対197、議会妨害について賛成229反対198でそれぞれ可決し、トランプは弾劾訴追された史上3人目の大統領となった。

2020年2月5日、上院の弾劾裁判で陪審員を務める上院議員による評決があり、職権乱用については有罪48人、議会妨害については有罪47人と、罷免に必要な3分の2(67票)以上の有罪票が得られず、無罪評決となった。

トランプ再選で「来年中にウクライナは敗北」し、ロシアの「属国」になる

7/28(日) 9:05

トランプ前大統領が再選される見込みが高まってきている。「アメリカ第一主義」を掲げて、ヨーロッパからの手を引くことも匂わせているトランプが再び大統領になったら、ロシアとウクライナの戦争はどう推移するのか? 
東京大学先端科学技術研究センター准教授で、ロシアの安全保障が専門の小泉悠氏に聞いた。
【写真】大胆な水着姿に全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる!
2つめの記事『もう「日本のゴマすり」は通用しなくなる...「トランプ再選」で台湾は見捨てられ、さらに「日米同盟は崩壊」へ』より続く。 小泉悠(こいずみ・ゆう)/1982年、千葉県生まれ。専門はロシアの安全保障。外務省専門分析員などを経て現職。著書に『「帝国」ロシアの地政学』『ウクライナ戦争』ほか

敗北へのカウントダウン

外交や安全保障、とくにウクライナ戦争に関して、トランプ本人に確固たる考えがあるとは思えません。むしろ政権に入るスタッフが、アメリカの方針を大きく左右するのではないでしょうか。 バイデン政権が懸念しているのは、追い込まれたプーチンが核兵器を使うこと。ウクライナに負けてほしくはないけれど、かと言って勝ちすぎても困るというのが本音でしょう。だから戦況が現状のまま維持される程度の支援を続けてきたわけです。トランプがこの枠組みを踏襲することも十分に考えられる。 ただ国民にウケると踏めば、バイデン政権以上に支援を拡大する可能性もありますね。トランプとプーチンは蜜月の関係だと思われていますが、実際のところ2017~2021年のトランプ政権下では対露制裁がかなり強化されています。 というのも当時は、それまでの共和党政権を支えてきた国務省の官僚や軍人などが外交を担っていました。抑止を重視しロシアに厳しい彼らが再び政権入りすれば、ウクライナにさらに肩入れするはずです。 一方で新たに副大統領候補に指名されたバンスは、「ウクライナで何が起ころうと関心がない」と公言している人物。彼のようにアメリカ第一主義を掲げる人物が要職につけば、ウクライナへの支援をすべて打ち切ることも考えられます。その先に待ち受けているのは、ウクライナの敗北です。
ゼレンスキー大統領が語ったウクライナ敗北の可能性

今年の4月、ゼレンスキー大統領はウクライナ敗北の可能性について言及しています。ちょうどアメリカ議会で追加支援の予算が通過する直前で、アメリカからの軍事支援が半年ほど滞っていた時期でした。 つまり支援が打ち切られて半年も経ったら、ウクライナ軍はもう持ちこたえられない。戦線を維持できずに敗走をくり返し、ロシア軍がウクライナ領土を侵食して飲み込んでいくでしょう。トランプ政権が発足直後に支援を打ち切れば、来年中にこのシナリオが現実のものとなるかもしれません。 ただ東・南部4州など領土を失った状態で停戦できるならば、外交的にはウクライナの勝利と言ってもいい。領土が犠牲になっても主権は守られるからです。ウクライナが主権を奪われて、内政も外交もロシアの意向に従う「属国」となる――これこそ予測できる「最悪のシナリオ」であり、プーチンの最終的な狙いでしょう。 おそらくゼレンスキー政権は転覆され、NATO加盟なんて絶対にできない。ウクライナ軍の敗北が続けば、こういった圧倒的に不利な条件すら飲んで停戦せざるを得なくなるのです。 将来的に不当な侵略戦争に巻き込まれるケースを見越して、日本もウクライナを手厚く支えるべきです。現状の岸田政権の支援策は評価できますが、武器弾薬の供与も含めたさらなる支援に向けて国民的に議論すべきでしょう。 「週刊現代」2024年8月3日号より

ゼレンスキー大統領 露越境攻撃は「悪魔へのブーメラン」さらなる反撃を示唆 ウクライナ侵攻から2年半

日テレNEWS NNN によるストーリー

ロシアによるウクライナ侵攻から2年半を迎えた24日、ゼレンスキー大統領はロシアへの越境攻撃について「悪魔へのブーメランだ」などと述べ、さらなる反撃を示唆しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、独立記念日に合わせて、ビデオメッセージを公開しました。

その中で、ロシアへの越境攻撃を念頭に、「ウクライナの人々は常に借りを返す」「悪魔へのブーメランだ」と述べ、「反撃はロシアのどの地点にも達する」として、攻撃をさらに拡大する可能性を示唆しました。

また、戦闘で犠牲となった兵士らに花を手向ける様子も公開しました。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから24日で2年半となりますが、東部の戦線ではロシア軍が攻勢を強めていて、激しい戦闘が続いています。

一方で、ウクライナ軍も今月6日にロシア西部のクルスク州に越境攻撃を仕掛けるなど対抗していて、戦闘の終結は見通せない状況です。

救急隊や警察狙うダブルタップ ロシア軍の連続攻撃で犠牲増加

共同通信 によるストーリー

ロシア軍のミサイル攻撃を受けた現場で活動するウクライナの消防士ら=17日、北東部スムイ(スムイ州非常事態庁提供・ロイター=共同)© 共同通信

 ウクライナ侵攻が長期消耗戦となる中、ロシア軍は同じ場所をミサイルなどで連続攻撃し、被害を拡大させる「ダブルタップ」という手法を多用している。被害現場で活動する救急隊や警察を主な標的としているとみられ、ウクライナのクリメンコ内相は共同通信の取材に「攻撃全体の3分の1ほどを占めている」と指摘。犠牲増加を懸念した。

 ダブルタップは「2度たたく」という意味。最初の攻撃の後に人が集まったところを狙い再び攻撃する。ロシアが介入する中東シリアの内戦でも繰り返した手法だ。

 クリメンコ氏はダブルタップが今年に入り増えていると指摘し「悲劇的な結果を生んでいる」と訴えた。


参考文献・参考資料

ロシア、ウクライナの越境攻撃で米欧報道封じ込めに躍起 記者の刑事捜査で威嚇 (msn.com)

日露戦争 - Wikipedia

バルチック艦隊 - Wikipedia

ウクライナ、対ロシア圧力強め将来の和平交渉に備え…「グローバル・サウス」の支持固めも重視 (msn.com)

クルスク越境攻撃の後「南方でのロシア軍の攻撃が停滞?」報道官の見解は意外なものだった (msn.com)

ロマノフ朝 - Wikipedia

ドナルド・トランプとウクライナ論争 - Wikipedia

トランプ再選で「来年中にウクライナは敗北」し、ロシアの「属国」になる(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

ゼレンスキー大統領 露越境攻撃は「悪魔へのブーメラン」さらなる反撃を示唆 ウクライナ侵攻から2年半 (msn.com)

救急隊や警察狙うダブルタップ ロシア軍の連続攻撃で犠牲増加 (msn.com)

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