政治講座ⅴ1917「反旗を覆す中国解放軍のクーデターと政変の前兆」
中国共産党の指導部と解放軍の間に意思疎通がてきていない。つまり、解放軍の指導に従わなくなってきている様子が見え隠れするのである。解放軍が勝手に暴走し出す兆候が感じられるのである。中国経済低迷に伴い、解放軍は言うことを聞かなくなって、解放軍が暴走しているのが最近の領空侵犯であろうか。最近、習近平氏の言動や行動に怪しい様相が見られると噂されている。というのは、最高指導者が3週間近くも表舞台から消える怪や重病説がささやかれ、跡目争いの兆候も見られる
今回はそのような兆候の報道記事を紹介する。
皇紀2684年9月1日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国の領空侵犯 「意図はない」では済まされぬ
読売新聞 の意見
日本の領空を侵犯しておきながら「他国の主権を侵す意図はない」と言うだけ。侵犯の事実を認めるのか、それとも単なる一般論を述べただけなのか。判然としない。
曖昧な表現でやり過ごすつもりなら、不誠実と言うほかない。
中国軍機が長崎県・男女群島沖の領空を侵犯した翌日、日中友好議員連盟の二階俊博・自民党元幹事長らが北京を訪れた。
二階氏は、中国共産党序列3位の趙楽際氏との会談で、領空侵犯について遺憾の意を表明し、再発防止を強く求めた。趙氏は中国外務省報道官と同様、「領空侵犯の意図はない。当局間の適切な意思疎通を期待する」と述べた。
中国国防省の報道官も「中国はこれまでも各国の主権を尊重している。過度な解釈をしないように望む」と語った。
領空侵犯したかどうかは事実の問題であり、解釈の問題ではないだろう。解釈の違いを生まないよう、明確な説明をすることが中国側の責務ではないか。
岸田政権は日中関係の安定を重視してきた。中国がそれを良いことに、今回の問題に日本は強い態度で臨めないだろう、と高をくくっているのだとしたら、見当違いも甚だしい。国際規範を順守することが関係安定の基礎である。
木原防衛相は「外交・防衛のルートで発生原因などの説明を中国側に求めている」と述べた。
重大な主権侵害である領空侵犯をうやむやにしたら、中国は更に挑発を強めかねない。日本は、領空・領海を守り抜く意思をきちんと示していかねばならない。
日中両国は昨年、偶発的な衝突を避けるため防衛当局間の専用電話を開設した。こうした仕組みを使い、意思疎通を図るべきだ。
南シナ海の領有権を中国と争う東南アジア諸国も、日本の対応を注視しているに違いない。
フィリピンの排他的経済水域(EEZ)にあるサビナ礁の周辺では今月、フィリピンの巡視船が中国海警局の船に体当たりされ、船体に穴が開いた。
中国軍機は比当局の航空機に対し、至近距離でフレア(火炎)を複数回発射した。重大な事故につながりかねない危険な威嚇だ。
重要な海上交通路である南シナ海の情勢が不安定化すれば、多くの国に悪影響を及ぼす。
中国の横暴を抑止するには、日米豪や東南アジア諸国が連携して対応することが欠かせない。軍事演習や海上保安機関の共同訓練を拡充し、対処能力を高めたい。
中国軍用機による韓国防空識別圏進入、ここ5年で最多…韓国空軍の緊急出動は60回【独自】
26日に中国軍軍用機が日本の領空を侵犯した問題で日本の複数の閣僚らが中国側に抗議したが、一方で昨年、中国軍軍用機が韓国の防空識別圏(KADIZ)に無断で進入した回数は133回だった。
韓国軍関係者が明らかにした。それによるとここ5年間に中国軍軍用機がKADIZに進入した回数は2018年140回、2019年50回、2020年75回、2021年65回、2022年65回、2023年は133回で、昨年中国軍軍用機がKADIZに進入した回数は2018年以来、5年ぶりに最も多くなった。
中国軍軍用機によるKADIZ無断進入に対し、韓国空軍戦闘機が緊急発進した回数は昨年1月から11月までに60回以上に達したという。
これに対し、中国と同じように領空が接しているロシアによるKADIZ進入は2023年には十数回で、中国の10分の1ほどだった。
ロシア軍機のKADIZ進入は2020年と2021年は15回以上、2022年は25回以上、2023年は十数回にとどまったという。
イ・テヒョン記者
重病説、求心力低下説、失脚説......「ポスト習近平」の中国に備えるべき時が来た
What Comes After Xi
2024年8月28日(水)10時55分
<最高指導者が3週間近くも表舞台から消える怪。重病説がささやかれ、跡目争いの兆候も見られるが>
今年もまた中国共産党の指導部は首都北京に近い河北省の避暑地・北戴河で夏の休暇を過ごした。その間、国内外で習近平(シー・チンピン)国家主席に関するさまざまな臆測が飛び交った。
習は7月30日を最後に20日間、公の場に全く姿を見せなかった。そのため重病説や求心力低下説、さらには失脚説までささやかれたのだ。
だが8月19日、訪中したベトナムの新しい指導者トー・ラム共産党書記長を迎えるため、久々に表舞台に登場。健在をアピールしたが、政治力の低下や健康状態に関する不安は解消するどころか、かえって深まったようでもある。
19日朝にトー・ラムを出迎えた様子は公式のニュースサイトで習の声が流されただけで、画像が出たのは数時間後。それも最初は遠くから撮った写真で、近くで撮った写真は夕方近くに新華社通信が公開し、夜に中国中央電視台(CCTV)が公開、人民日報など他のメディアが画像を出したのはさらに遅かった。
この遅れは、党のプロパガンダを担うメディアが健康不安説を払拭するために習の写真を修整したからなのか。あるいは自らを党の「核心」に祭り上げる習の傲慢さに反発した党内の一派が、メディアに圧力をかけたのか。
中国では指導部の動向について絶えずさまざまな臆測が流れるが、今回はただの噂とは違う。習の身辺で何か異変が起きているとみていい。
とはいえ習は今も厳しい統制の手を緩めていない。中国政府は7月下旬、インターネット利用者に身分証を発行し、ネット利用を一元管理する計画を発表した。昨年施行された改正反スパイ法の下で中国の成人約10億人がこぞって「私服警官」と化し、スパイ容疑で外国人が次々に逮捕されているのは周知のとおり。
最近では公安当局が台湾出身者によるスパイ行為を1000件以上摘発したと発表した。香港住民は今年3月に成立した国家安全条例でさらに徹底した統制下に置かれ、台湾とフィリピンに対する中国の威嚇と嫌がらせも悪化の一途をたどっている。こうした強権統治は中国の歴代の指導者に共通するが、徹底的な締め付けは習の専売特許だ。
親世代の文革体験が影響
その意味では習の指導力が低下しているとは考えにくい。では、なぜ謎めいた形で姿を消し、不可解な形で再登場したのか。毛沢東が政敵をあぶり出すのに使った手法「引蛇出洞」(ヘビを穴から誘い出す)を試みているとも考えられるが、それよりはるかに現実的な見方は重篤な病気にかかっている、というものだ。
何年か前から習は脳動脈瘤を抱えているのではないかと噂されていた。これは脳動脈の一部が膨れ、血管壁が薄くなって破裂する危険性がある病気だ。破裂すれば脳内出血で死に至ることもある。だが習は手術を拒み、漢方薬による治療を選択した。この病気では視力低下や平衡感覚の乱れなどの症状が出るが、習は最近カメラの前で転びそうになることがよくある。
過去10年ほどの間に習は何度か、今回同様、公の場から姿を消したが、たいてい2週間ほどで戻ってきた。それらも病状悪化のせいだったのかもしれない。今回は約3週間の不在だったので、かなり危険な状態だった可能性もある。
そうなると当然、習が亡くなる事態も想定しなければならない。その場合、中国と世界にどんな影響が及ぶのか。
健康状態が徐々に悪化しても、習は権力の座にしがみつくかもしれない。だが気力や体力の衰えが目立つようになれば、上層部では跡目争いが激化するだろう。結果、党の結束が乱れ、方向性が失われかねない。習が久々に姿を現した際のメディアの報道が慣例と違ったのも、その表れかもしれない。一方で、習が体調悪化に耐えられず、早々に辞任する可能性もある。ポスト習の中国はどうなるのか。
後継者については両極端のシナリオが考えられる。「改革派」が政権を握るか、引き続き強硬派が居座るか、だ。
両派の妥協もあり得るが、共産党の体質からすれば、いずれどちらかに傾くだろう。習自身、当初は両派の交渉の「落としどころ」として政権の座に就いたのだ。
跡目争いのシナリオ
跡目争いの行方を占う上で、見逃せない点は次の2つだ。
まず、現在の中国共産党中央委員会のメンバー205人の平均年齢は59歳。つまり彼らの多くは毛沢東が文化大革命を始めた1965年前後に生まれたことになる。その当時の彼らの親の年齢は30歳前後だろうから、文革を率いた造反派のリーダーだったとしてもおかしくない。言い換えれば、今の党中央委のメンバーの多くは過激な共産主義者に育てられた、ということだ。この層が党内における習の最も忠実な支持者となっている。
第2に、2022年の第20回党大会から10〜20年時間を巻き戻すと胡錦濤(フー・チンタオ)と江沢民(チアン・ツォーミン)の時代になる。この時代の党中央委のメンバーは全て改革派だった。彼らの親の世代はおおむね文革の犠牲者。つまり過激な共産主義に痛めつけられた世代の子供たちが改革派になったわけだ。改革派は過去10〜20年で権力中枢からほぼ排除された。彼らは現在75〜80歳で実権を取り戻すには年を取りすぎている。
この2つのグループを比べれば、習を支持する強硬派がポスト習政権を担うのは目に見えている。西側の人たちはこの結果を残念に思うかもしれない。改革派は穏健で付き合いやすいという見方が西側では一般的だからだ。「偉大な改革者」だった鄧小平が89年に天安門で非武装の学生と労働者を惨殺したことを、欧米は都合よく忘れているのだ。
中国国内で強権政治への不満が高まれば、改革派の政権が誕生するだろうって? 残念ながら、その読みも当たらない。中国は民主主義国家ではないから、民意が政治を動かすことはほぼ皆無。しかも習が党内から改革派を一掃したため、約9900万人の党員は全員、現状維持を望む既得権益層に属している。
中国にも反乱の歴史はあるが、弱体化した政権を倒す日和見主義的なものばかりだ。その証拠に中国には「墻倒衆人推」(崩れかけた壁は群衆に倒される)という警句がある。今の中国は富と影響力のピークを過ぎたとはいえ、まだ崩れかけてはいない。
強硬派の勝利は悪いことばかりではないかもしれない。西側の覚醒を促すからだ。
鄧やその改革派の後継者に目を欺かれ、甘い幻想に浸っていた西側は、敵対的なイデオローグが支配する危険な超大国となった中国の実像に気付き始めた。強硬派が習の後を継げば、西側はまたもや偽りの中国像を夢見る長い眠りに就かずに済む。
著者 練乙錚(リアン・イーゼン)
経済学者。香港生まれ。米ミネソタ大学経済学博士。香港科学技術大学などで教え、1998年香港特別行政区政府の政策顧問に就任するが、民主化運動の支持を理由に解雇。経済紙「信報」編集長を経て2010年から日本に住む。
参考文献・参考資料
中国軍用機による韓国防空識別圏進入、ここ5年で最多…韓国空軍の緊急出動は60回【独自】 (msn.com)
中国の領空侵犯 「意図はない」では済まされぬ (msn.com)
重病説、求心力低下説、失脚説......「ポスト習近平」の中国に備えるべき時が来た|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
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