政治講座ⅴ1275「中国不動産は所有から賃貸に変化。共産主義に祖先返り」
習近平政権はすでに共産主義に祖先返りした。
資本主義の私有財産の保護(個人所有の原則)は共産主義にはない。過去に共産党は不動産所有の地主から暴力で奪い取り国家の物として国家所有とした。共産党における中国では私有財産の保障はないのである。
現在、所有する私有財産はいつ国有として略奪されるか分からないのである。中国不動産の不況(鬼城マンション)に関して中国共産党は、何ら手を打たないのは私有財産を認めていないうえに国有財産の意識があるからであろう。
その片鱗が見える報道記事を紹介する。国有と言う財産はあっても、財産格差を招く私有財産に重きを置かない事を再認識する必要がある。
皇紀2683年8月15日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国不動産に異変 作りかけで“放置”の超高層ビル
ABEMA TIMES によるストーリー •1 時間
中国の高度成長を支えてきた不動産市場に異変が起きています。業者の資金繰りが悪化し、建築が止まるビルが続出。天津市では超高層ビルの建設がストップし、放置されています。
天津市の開発区にひときわ高くそびえる摩天楼。117階建て、高さは597mと日本一高い「麻布台ヒルズ」より250m以上高い。しかし、工事は止まっており周辺のマンションの工事も止まって作りかけのマンションがあちこちにある。同じ不動産会社が開発していた一帯の工事がすべてストップしているという。
「核新区の場所なのにもったいない」(天津市民)
関連するビデオ: テレ朝news
建設ストップ続出 天津には“放置ビル” 中国の不動産市場に異変
「政府や地元民の経済への自信がなくなる」(広東省から来た人)
上半期の中国の不動産投資はマイナス7.9%と大きく落ち込んだ。このような問題は、天津市内の別のマンションでも…。4月末に引き渡し予定だったものの、まだ完成していないマンションの購入者に話を聞くことができた。
「私はお金を払って『モノ』を買った。ジュースや野菜ではなく『4000万円の部屋』だ。たくさんのお金を払ったのだから、その『モノ』を私に引き渡してほしい」(未完成物件の購入者)
不動産業者は工事が止まっていないと主張しているというが、工事は遅々として進んでいない。男性は政府に解決を求めているが、いまだ目途は立たない。
中国の経済成長を支えた不動産業界の異変。中国政府は不動産企業への支援などの対策を講じているが、効果はまだ見えていない。(ANNニュース)
中国、低迷する住宅需要を尻目に、進む「持ち家から賃貸へ」
青木 暁人 によるストーリー •
中国では住宅需要が低迷する一方で、賃貸物件の需要は高まっている。なかでも建物を一括して借り上げて賃貸経営する「サブリース」物件の注目度が高まっている。持ち家信仰が強かった中国でも、「持ち家から賃貸へ」という動きが今後進むことは間違いないだろう。(JBpress)
中国のGDPの20~30%を占めると言われる不動産業だが、このところ住宅需要が減少する傾向が明らかになっている。例えば、2023年に住宅購入を予定していた人の60%超が購入を取り消した、という記事が出ている(「2023年中购房意愿白皮书」)。また、住宅購入ローンの融資額が減少している(「央行最新公布!购房贷款罕见减少,楼市小阳春彻底没戏了?」)。
それとは反対に、賃貸物件の需要は高まっている。賃貸住宅の利用者は、2019年に約1.9億人だったものが2022年に2.4億人超となり、2030年には2.6億人を超えると予測されている。人口減少が始まっていること、一人世帯が増加していることを考えると、賃貸というライフスタイルが今後ますます広まっていくことは確実だ。「この10年が賃貸住宅市場の黄金期だ」と、市場成長を期待する声が出ている。
ただ、賃貸住宅に対する需要は、都市ごとに大きく異なる点には注意が必要だ。次にグラフに示すように、若い人、流入者が多い広州や深圳などの都市での賃貸割合が、明らかに高くなっている。
賃貸住宅需要の高まりとともに、会社が建物を一括して借り上げて賃貸経営する「サブリース」企業の注目度が高まっている。これまで中国では、入居者と大家との間で直接契約することが多かったが、急な家賃値上げや入居/退居時のトラブルなど、さまざまな問題が起きていた。
それに対して、サブリース型の物件は、統一されたサービスや明確な契約内容が支持されている。2023年上期は96万部屋がサブリース物件として新たに貸し出されており、これは前年度比10%近い増加だった(「2023年上半年集中式公寓规模榜单」)。
サブリース事業では、複数の建物からなる団地すべて一括して管理する、というような試みも広がっている。
中国では、賃貸用途での住宅購入が難しい
ただ賃貸市場の拡大は、賃貸物件の所有者(大家)に恩恵をもたらしているとは限らない。
要因の一つは、中国における「住宅価格対家賃比率(Price-to-Rent Ratio)」の高さだ。賃貸用途で住宅を購入しても、家賃収入がなかなか購入金額を上回らないのだ。
例えば2000万円で購入した家を月額家賃10万円で貸し出したとすると、家賃収入が購入金額を上回るのが200カ月で、住宅価格対家賃比率は200となる。ところが、次の表に示すように、中国はこの比率(回収できるまでの月数)が非常に高い。
中国の757というのは「60年以上かかる」ことを意味する。米国の比率が相当小さいのはおくとしても、世界平均や日本と比べても大幅に長い。
これでは、賃貸用途として住宅を購入しようとする人がなかなか現れない。
サブリース企業の事業も楽ではない。2019年には53社が倒産している。大手の蛋壳公寓(DANKE APARTMENT)が倒産した際には数十万件もの物件の家賃が回収できなくなり、不動産所有者と借主の間の賃貸契約が無効になってしまった。
サブリース企業や個人の不動産所有者は、本来の居住可能人数を超えて賃す「群租」という方法で利益を上げようとしてきた。ただ、この問題のある手法は規制が始まっていて、次第に通用しなくなるだろう。
2023年7月深圳市の地方政府は、違法に建築された住宅や都市整備が不十分である「城中村」と呼ばれる地域の不動産を一括して借り上げ、公営住宅として長期間にわたり安価で貸し出すという「統租房」政策を発表した(「房租翻2倍!深圳“统租房”多方共赢,只有租客输麻了?」)。
これまで中国には公営住宅が多くないうえに、入居に居住地の戸籍が必要で新築物件だけであることなど、一番必要な人々がなかなか利用できないものだった。
深圳市の取り組みは、シンガポールで広く導入されている「Housing Development Board(HDB)」制度に近いと思われる。
この制度が中国全土に広がるかどうかはわからない。ただ、持ち家信仰が強かった中国でも、「持ち家から賃貸へ」という動きが今後進むことは間違いなさそうだ。
中国景気回復にリスク、不動産危機が悪化-刺激策への圧力高まる公算
Bloomberg News によるストーリー •18 分
(ブルームバーグ): 中国の景気回復は不動産不況の悪化に圧迫されており、最新の経済指標では成長回復の兆しがほとんど見られない公算が大きい。
15日発表の中国の7月の工業生産と小売売上高、1-7月の固定資産投資は小幅な増加にとどまる見通し。不動産投資は引き続き減少した公算が大きい。大手不動産開発業者の債務危機を巡る懸念や住宅販売のさらなる減少によって、同セクターの回復が抑制されている。
さらに、中国の一部地域が豪雨や洪水に見舞われたことで、先月の建設活動が妨げられた。
これまで中国当局の対応はかなり消極的だったが、今回弱い指標が示されれば、当局に追加的な金融や財政刺激策を求める圧力が高まる公算が大きい。ただ、エコノミストによれば、人民元安と高い債務水準のため、政策当局者はより強力な措置を講じることを控えており、今年の刺激策は過去の景気低迷時の措置を下回る可能性が高い。
原題:China’s Economic Recovery Faces Fresh Risks From Property Crisis(抜粋)
--取材協力:ジェームズ・メーガ、Wenjin Lv、Chester Yung、Danny Lee.
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©2023 Bloomberg L.P.
参考文献・参考資料
中国不動産に異変 作りかけで“放置”の超高層ビル (msn.com)
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