政治講座ⅴ1396「苛政は虎よりも猛し」
人間の行うことはいつの時代でも同じようなことをやっている。温故知新。歴史と、故事を見ると人間の精神文化は発達していないことが分る。今回はそのような事例の報道記事を紹介する。
皇紀2683年9月29日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
はじめに
表題の白文、解説文は次の通りである。中国経済の低迷が叫ばれている。地方政府財政には、融資平台の1300兆円の負債があり、破綻状態にあると聞く。今後の中国で予想されることは、その負債を返済するための財源確保のために増税が検討されるのであろう。
『苛政猛於虎也』
孔子過泰山側。
有婦人哭於墓者而哀。
夫子式而聴之、使子路問之曰、
孔子が泰山のふもとを歩いていると、一人の婦人が墓の下で泣いており、そのわけを聞くと婦人は「夫と子供と舅が虎に食い殺された」と答えた。
孔子が「それならば、何故この地から出て行かないのか」と尋ねると、婦人は「ここでは税金を取り立てるむごい政治が行われていないからだ」と言ったという故事に由来する。
中国の自治体は歳入不足…訳の分からない罰金を科しているところも
Jennifer Sor によるストーリー •8 時間
債務とデフレに苦しむ中国の都市は、資金繰りに困窮している。
地方自治体は、必要な資金をかき集めようと、訳の分からない罰金を科したり、請求書を無視したりしている。
エコノミストは、中国が経済の「失われた10年」に陥る危険性があると警告している。
経済問題を抱える中国では、資金不足に陥った都市が、訳の分からない違反切符を切ったり、請求書を無視したり、さらには高齢者の健康手当を削減し始めている。
その理由のひとつに、自治体が中国政府の厳格なコロナ対策にかかるコストを捻出するのに苦労していることが挙げられる。パンデミック関連費用は、2022年における中国の債務残高を123兆元(約2500兆円)にまで押し上げる大きなきっかけになったとCNNがアナリストの試算を引用して報じている。
これらのコストにより、いくつかの都市は不安定な財政状況に陥っている。経済が中国最大規模の広東省は、2020年以降、検査やワクチンなどのコロナ対策に総額220億ドル(約1600億円)を費やしたと公式文書で報告している。2022年だけでも、コロナ対策に投じられたコストは、北京で約45億ドル(約6600億円)、上海の居住区で約6億6400万ドル(約980億円)だったという。
このような財政難をきっかけに、一部の都市では必要な資金をかき集めようと、訳の分からない罰金を科し始めている。この夏の初め、上海の3つのレストランが、無許可でキュウリを料理に使ったとして、それぞれ5000元(約10万円)の罰金を科せられ、ネット上で話題になった。
中国のトラック運転手も違反切符を切られやすくなっている。ある運転手は、ここ2、3年の間に過積載の違反切符を58枚切られ、その総額は27万5000元(約560万円)になったと、中国メディアの界面新聞に語っている。
この傾向は数年前から始まっていたようだ。中国の少なくとも15の都市では、2021年に罰金と没収による収入が2倍、あるいはそれ以上になったと、粤開証券(Yuekai Securities)が分析している。一方、政府の他の収入源は減少している。CNNが中国政府のデータを分析したところ、所得税収入は2022年に3.5%減少し、1993年以来最大の落ち込みを記録した。
参考文献・参考資料
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