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政治講座ⅴ2088「韓国の政治的混乱」

以前掲載したブログの続編である。
政治講座ⅴ2067「近代法治国家ではない韓国」|tsukasa_tamura

政治講座ⅴ2085「いつまでも続く韓国の混乱と世界の嘲笑」|tsukasa_tamura

政治講座ⅴ2075「尹氏は戒厳令を『統治行為だ』として違憲ではないと主張。この法律論争に占術家現る。」|tsukasa_tamura

政治講座ⅴ2074「韓国の李在明 前科4犯が大統領に?」|tsukasa_tamura

  国民情緒法という前近代的なもので法が支配されている韓国。何ともはや、憲法の規定も機能しない、前近代法治国家の李氏朝鮮のままである。罪刑法定主義を無視して、事後法(遡及法)で裁く。法律の遵守精神もない。国家の統治能力も喪失している。北朝鮮に侵略されて金一族に統治されるのはもう少しのようである。

     皇紀2685年1月5日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

報道記事紹介

「我々が勝った!」 韓国大統領の逮捕状執行中断に支持者歓声

毎日新聞 によるストーリー

韓国の尹錫悦大統領に対する逮捕状執行が中止され、沸く尹氏の支持者ら=ソウルで2025年1月3日午後3時4分、日下部元美撮影

 「我々が勝った!」「民主主義を守った!」

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対して、内乱容疑での逮捕を試みた高官犯罪捜査庁(高捜庁)が逮捕状執行の中断を発表すると、公邸周辺に早朝から集結していた尹氏の支持者数千人は一斉に手をたたき、歓声をあげた。

 会社を休んで抗議をしにきたという会社員の男性(61)は、「(動画共有サイト)ユーチューブを見て(韓国の)自由民主主義が(韓国外の)共産主義に脅かされていると知った。韓国を守るために来た」と説明。高捜庁が再び、逮捕状執行を試みようとする場合は、「再びデモをして阻止する。私たちの子孫のために皆でやらなければならない」と強調した。

 公邸前での尹氏の逮捕に反対する抗議デモはソウル西部地方裁判所が昨年12月31日に逮捕状を発付して以降、連日続いている。尹氏はこうした抗議デモの存在を知っており、さらに鼓舞する動きも見せた。

 聯合ニュースによると、尹氏は逮捕状執行に先立つ1日、支持者らに対し関係者を通して、「私は皆さんと共にこの国を守るために最後まで闘う」との署名入りの手紙を伝達した。「国内外の主権侵害勢力と反国家勢力のうごめきによって今、韓国は危機にある」とよびかけたうえで、「(デモを)生中継しているユーチューブを通じて、皆さんが頑張っている姿を見ている」と励ます内容だ。

 こうした抗議活動に備え警察は3日早朝から、公邸の正門がある幹線道路沿いに多数のバスを「壁」のように並べて停車。支持者らが公邸の方向に進入できないように道路を規制した。警官ら約2700人が動員され、厳戒態勢で臨んだ。

 支持者らは「国軍統帥権者を逮捕することが内乱行為だ」「弾劾反対」などと書いたプラカードを手にして、「高捜庁、反対!」「高捜庁を廃止しろ!」などと叫んだ。警察のバリケードのすきまに入り込んで公邸に近づこうと試みる人や、バリケード前で道路に寝転び抗議する人もいた。

 昼ごろになると更に支持者が増えた。朝鮮日報によると、この日は公邸前の約200メートルに約7000人が集まった。韓国メディアは尹氏の「手紙効果」を指摘している。尹氏は野党や政権に対抗する勢力を北朝鮮や海外勢力の影響下にあると批判し、12月上旬に宣布した戒厳令を正当化している。【ソウル日下部元美】

韓国捜査本部、尹大統領の逮捕状執行を停止-公邸周辺で反対デモ

Soo-Hyang Choi によるストーリー

(ブルームバーグ): 韓国の尹錫悦大統領を内乱の疑いで捜査している合同捜査本部は3日、尹氏に対する逮捕状の執行を停止したと発表した。

  聯合ニュースによれば、高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)の捜査チームを乗せた車両が大統領公邸に同日午前に到着したが、大統領警護官に執行作業が阻まれた。

  また、現職大統領の逮捕という前例のない動きに反対する抗議活動が公邸周辺で行われ、警察は約2700人の警官を配備したとも伝えられた。

  公捜庁は声明で、「対立が続いており逮捕状を執行することは事実上不可能」と判断し、現場の安全確保を考慮し午後1時30分(日本時間同)に執行作業を停止したと明らかにした。  

South Korea Investigators Attempt to Arrest President© Bloomberg, Google Earth

  今後の対応は、今回の検証を踏まえ決めるという。法的手続きに応じなかった尹氏の姿勢は、極めて遺憾だとしている。逮捕状は6日まで有効で、再び尹氏逮捕に動く可能性もある。

  聯合は先に、捜査官らは軍の封鎖を突破し公邸の敷地内に進入できたが、建物内にはまだ入っていないと報じていた。警察はデモ参加者数を1200人前後と見積もっているという。

  尹氏の警備担当者はブルームバーグ・ニュースに対し、捜査官と軍の間に対立はなかったと語った。公捜庁と国防省はコメント要請にすぐに応じなかった。

  尹氏の代理人は逮捕状の執行作業開始を違法とし、法的措置を取ると表明。これまでにも逮捕状の執行を阻止するため裁判所の差し止め命令を求めていた

  尹氏の支持者らデモ参加者は、公捜庁の解散や尹氏最大のライバルである李在明氏の逮捕を求める声を上げ抗議。最大野党「共に民主党」の代表を務める李氏は汚職疑惑に見舞われながらも、尹氏が大統領職を失った場合に実施される大統領選の最有力候補とみられている。

  内乱容疑で尹氏に対する捜査を強く求めてきた同党の報道官は3日、「韓国の全員が内乱の首謀者と疑われる人物に対する令状の正当な執行に協力すべきだ」と述べた。

South Korea Authorities Move to Arrest Impeached President Yoon© Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  3日の韓国株式市場では、韓国総合株価指数が上昇。5営業日連続安後の押し目買いやバッテリー関連銘柄の値上がりが寄与している。韓国ウォンも対ドルで上げている。

  ソウル西部地裁は先月末、尹氏が同月宣布した「非常戒厳」を巡り合同捜査本部が請求していた逮捕状を発付した。尹氏は国会で弾劾訴追案が可決され、大統領権限が停止された。

関連記事韓国の裁判所が尹大統領の逮捕状発付、非常戒厳巡り-現職で初 韓国大統領府の主要スタッフが一斉に辞意表明、大統領代行は受理せず韓国、今年のGDP予測を下方修正-非常戒厳巡る問題など反映

原題:Korea Investigators Fail to Arrest Impeached President Yoon (1)、South Korea Fails in Unprecedented Attempt to Arrest PresidentSouth Korea Faces Resistance in Attempt to Arrest President Yoon、Korea’s Kospi Rises After Five-Day Drop on Dip-Buy, Battery Gain(抜粋)


逮捕状執行の陰で孤立していた尹大統領…韓国軍は捜査官らに公邸正門を開放、警察は警護処長からの追加派遣要請を拒否


▲高位公職者犯罪捜査処の李大煥(イ・デファン)部長検事ら捜査官らは3日午前8時30分ごろ、ソウル市竜山区漢南洞の大統領公邸検問所に到着し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する逮捕状を執行しようとしたが、陸軍首都防衛司令部第55警備団の兵力が捜査官を取り囲んで阻止した。/news1


 高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が3日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する逮捕状を執行しようとした際、韓国軍警護部隊がソウル漢南洞の大統領公邸正門を逮捕チームに開放したことが分かった。また大統領警護処の朴鍾俊(パク・ジョンジュン)処長は公捜処逮捕チームの公邸入りを阻止するため、韓国軍と警察に追加の人員派遣を要請したが、いずれも拒否されたという。
 朴鍾俊・警護処長は同日午前、公捜処逮捕チームが漢南洞の公邸敷地内に入ろうとした際、正門でこれを阻止しようとした。しかし大統領を含む要人の公邸が集まる漢南洞公館区域の正門などを守る首都防衛司令部所属第55警備団は午前8時2分、逮捕チームに正門を開放した。その後逮捕チームが正門を通過し500メートルほど離れた公邸に向かったところ、大統領警護処の職員らは公邸の200メートルほど手前でこれを阻止した。その過程で朴鍾俊・警護処長は韓国軍第55警備団と警察202警備団に隊員の追加派遣を要請したが、いずれもこれに応じなったという。
 大統領警護法によると、公邸など大統領と最も近い警護は警護処が担当し、公邸の正門と周囲の防衛は首都防衛司令部第55警備団が、公邸外郭の警備は警察202警備団が担当する。韓国大統領室の関係者は「朴鍾俊・警護処長はこの日第55警備団・202警備団と合流し逮捕チームの公邸進入を阻止しようとしたが、軍からも警察からも支援が来なかったため非常に当惑した」と明らかにした。
 大統領警護法第15条は「警護処長は国家機関長などに公務員派遣などの協力を要請できる」と定めている。これに基づき第55警備団と202警備団は警護業務に関して通常は警護処長の指揮・統制を受けてきたという。ところがこの日軍と警察は「協力要請は必ず従わねばならないわけではない」との論理で警護処長の要請を事実上拒否したことが分かった。
 与党のある幹部は「崔相穆(チェ・サンモク)権限代行は警察に警護処を支援するよう指示したが、警察はこれも聞かなかったらしい」と伝えた。韓国大統領府は同日崔相穆・権限代行に対し「202警備団はもちろん、大統領室庁舎を警備する警察101警備団も追加の人材派遣が必要だ」との意見を伝え、崔相穆・権限代行はこの支援要請に応じるよう警察に指示したという。しかし警察の関係者によると、警察幹部は逮捕状執行に妨害となる行為は原則的にできないと考えていたようだ。
 軍と警察のこのような対応を受け「尹大統領は公権力に対する指揮・統制権を喪失し孤立したようだ」との見方も出ている。金竜顕(キム・ヨンヒョン)元韓国国防部(省に相当)長官や趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長など非常戒厳作戦に参加した軍と警察幹部が内乱容疑で身柄を拘束されたことも影響したとみられる。そのため最後まで公捜処逮捕チームの公邸進入を阻止したのは大統領警護処で、後に第55警備団の一部も警護処を支援したという。
 公捜処は逮捕状を執行できなかったことについて「大統領警護処の指揮・監督者である崔相穆・権限代行には、警護処に対して逮捕状執行に応じるよう命令を下してもらいたい。この点を今後強く要求する予定だ」とコメントした。しかし朴鍾俊・警護処長は「警護処の指揮・監督者は今も尹大統領」と考えているという。尹大統領は弾劾訴追により権限停止の状態だが、今も警護処の警護を受けているからだ
梁昇植(ヤン・スンシク)記者、ヤン・ジホ記者、チュ・ヒョンシク記者


韓国国会「尹大統領の弾劾事由から内乱罪を外します」→尹大統領側「内乱罪が成立しないのなら弾劾訴追そのものが誤り」

3 時間 • 読み終わるまで 4 分

 非常戒厳宣布と内乱の容疑などを理由に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を弾劾訴追した韓国国会が3日、憲法裁判所で「刑法上の内乱罪に該当するという主張を撤回する」と表明した。高位公職者犯罪捜査処が捜査している大統領の内乱容疑を弾劾事由から外し、非常戒厳が憲法違反かどうかにのみ集中して弾劾審判の審理を速やかに進めたい、という趣旨だ。尹大統領側は「今回の弾劾審判は内乱罪成立を土台とするものなのに、内乱罪が成立しないのであれば弾劾訴追そのものが誤っていたということ」と反発した。

韓国国会「尹大統領の弾劾事由から内乱罪を外します」→尹大統領側「内乱罪が成立しないのなら弾劾訴追そのものが誤り」
 国会側の代理人団は3日、憲裁で開かれた尹大統領の弾劾審判の第2回弁論準備期日で「内乱罪を弾劾訴追事由から撤回する」とし、「内乱容疑の有罪・無罪の判断は刑事法廷で進められ、立証されるだろう」と述べた。
 これに対し尹大統領側が「内乱罪についての証拠調べが行われるべき」と強く反発するや、憲裁は国会側に追加の書面資料を提出せよと要求した。内乱罪を尹大統領の弾劾審判対象に含めるかどうかは、早ければ14日から行われる正式な弁論期日で決定される見込みだ。
 法曹界からは「弾劾訴追議決書に盛り込まれた内乱罪を任意に排除したら、審判手続きの適法性を巡る論争が起きかねない」という声が上がった。法律には、弾劾事由の撤回に関する明示的な規定はない。

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 保守系与党「国民の力」は3日、「国会で議決された弾劾事由を変更するのであれば国会の議決手続きを再度経るべき」と主張した。与党側のある関係者は「弾劾事由の核心である内乱罪を外して、尹大統領をできるだけ早く罷免し、李在明(イ・ジェミョン)民主党代表の司法リスクを避けようとするもの」だと批判した。
■内乱罪を外したら「戒厳が違憲かどうか」だけを審判…与党「手続きは違法」
 韓国国会が12月14日に通過させた尹大統領の弾劾訴追議決書には「尹大統領が戒厳宣布権を乱用し、国憲を紊乱(びんらん)する目的で政府、軍隊と警察を動員、武装暴動をする内乱罪を犯した」「尹大統領の行為は刑法の内乱罪、職権乱用罪など重大犯罪に該当する」と記されている。弾劾訴追の核心事由として内乱罪を明示したのだ。こうした核心弾劾事由を国会側が「撤回したい」と言い出したのは、結局のところ弾劾を主導する野党が裁判のスピードを速めようとしている戦略だ-というのが法曹界の見方だ。
 国会側は3日、弾劾審判弁論準備手続きで「(尹大統領が)刑法に違反した事実関係と憲法に違反した事実関係は事実上同一」としつつ「憲法裁判が刑法違反かどうかに埋没することを防ぐため、憲法違反についての事実関係で争いたい」と述べた。尹大統領の非常戒厳宣布等が内乱罪に該当するかどうかは争わず、弾劾するかどうかの分け目となる憲法違反にのみ集中するというのだ。
 刑法上の内乱罪に当たるかどうかを判断するには、さらに多くの証言と証拠が必要で、立証の負担も大きくなる。単純に違憲性のみを問うより審理期間が数倍長くなることもあり得る。
 これに対し尹大統領の代理人団は「内乱罪は刑法上の犯罪であって、憲法上の犯罪ではない」としつつ「国民が注目しているのも内乱があったかどうかだ。実質的に内乱罪を評価することなく、弾劾するかどうかだけを判断することはできない」と反論した。その上で「野党は戒厳解除後、尹大統領に内乱罪の罠を仕掛け、そのフレームのもとで世論を引っ張って来た」「国会側が(弾劾事由を)必要に応じて入れたり抜いたりしている」と述べた。また「非常戒厳は原則的に大統領の統治行為で、内乱罪を除外してしまったら問題になるものは一つもない」とも指摘した。
 国会側は「内乱罪を弾劾事由から撤回することが、内乱罪ではないということではない」としつつ、「(刑事訴訟ではない)憲法裁判の手続きに合わせて争い、立証するという話」と再度説明した。これに対し憲裁は国会側に、内乱罪関連の議決書を追加で提出するよう指示した。今後、正式な弁論期日で内乱罪を弾劾審判の対象から除外するかどうか決定する見込みだ。
 内乱罪撤回問題は政界でも大きな論争になった。国民の力の法律諮問委員長を務める朱晋佑(チュ・ジンウ)議員は「裁判部の勧めで弾劾事由から『内乱罪』を撤回するなんて、こんなでたらめな進行があるか」とし、「内乱罪は弾劾(訴追)事由の核心であったにもかかわらず、裁判部が直接撤回を勧めたというのは『弾劾を認める』という予断をほのめかしたものと読める」と主張した。しかし、弁論準備手続きにおいて裁判官が実際に直接撤回を勧める状況はなかった。
 朱議員はまた「弾劾に賛成の議員らは『弾劾訴追書』に書かれた内容を全て合わせて総合的に判断した」とし、「核心の弾劾事由が撤回されたのであれば国会の新たな決議が必要、という憲法上の指摘が出ることは避けられない」と語った。国民の力は、この問題を話し合うため、4日に緊急議員総会を開くこととした。
 一方、国会の訴追人団に参加している民主党関係者は「憲裁で内乱罪の立証のために長い時間を費やす必要がどこにあるのか」とし、「(戒厳宣布が)憲法に違反するかどうかだけ判断すればいいのであって、刑事法廷のように複雑に進める必要はないと思う」と語った。弾劾審判の性格に合うように一部調整するだけであって問題はない、という趣旨だ。
 これについて、チ・ソンウ成均館大学法学専門大学院教授は「こういう形で弾劾要件を緩和したら、いつでも大統領を弾劾できる」と語った。
 一方、憲裁は3日に弾劾審判の準備手続きを終結させ、14日午後2時に最初の正式な弁論手続きを開くこととした。憲裁は14日を含め16日、21日、23日、来月4日と5回の弁論期日をあらかじめ定め、告知した。旧正月(今年は1月29日)の連休がある1月最終週を除くと、週2回ずつ裁判を開くというわけだ。
パン・グクリョル記者、パク・ヘヨン記者、チュ・ヒヨン記者

国民情緒法(国民感情法)の解説

 国民世論次第で司法判断が決まるなど罪刑法定主義・法治主義・法の支配崩れがちな大韓民国の政治・社会体質を皮肉った言葉である。

 国民情緒に合うという条件さえ満たせば、行政・立法・司法は実定法に拘束されない判断・判決を出せるという意味である。韓国国内でも用いられる。

皮肉を込めて「 -法」という名が付くが、大韓民国における法律の類ではなく、不文律であり、法律や条例、条約、大韓民国憲法さえも超越する法の軽視風潮を揶揄した言葉である。
 一部の市民団体(圧力団体)や学者の私見によって具体化され、大衆世論によって成否が判断され、これを韓国メディアが後押しすることで、国民情緒法は(比喩的に言って)「制定」される。

 法の支配時効法の不遡及といった近代法の原則すら時に無視され、国民情緒という揺らぎやすい世論に迎合して、いかなる裁定をも下すことができるとされる。
 この風潮の最たる例が「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」で、この法律は「日本統治時代の朝鮮で財産を得た当時は合法だったとしても、親日行為を通じて得た財産を子孫からでも没収できる」という法律であり、この時には「法令の効力は過去の行為に遡及して適用されない」という、法の一般原則をも否定した。韓国憲法にも遡及法(事後法)を禁止の規定があるにもかかわらずである。

 国民情緒への偏重は下級の地方法院、高等法院の判決で多く見られ、大法院(最高裁)ではこれらの判決が覆ることもあった。中央日報によると「数十年前の偽装転入、半世紀を超えた父親の親日などの問題で、国民情緒に背いた(ある)公職者は現職から退く『恥辱刑』を受けた」。
 被告は「通貨危機の直後、国民の憂憤に押されて『政策も司法的審査の対象』と」されたが、結局は「最高裁で無罪が宣告された」と言う。無罪確定まで6年を要しており、当事者は長く不当な苦難を甘受しなければならなかった。

 罪刑専断主義との違いは、権力者の恣意性が必ずしも働かないという所で、逆に言えばポピュリズムに支配され、国家の法的安定性やコントロールができなくなる恐れがある点である。

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