政治講座ⅴ697「これからは水素の時代」
核融合と核分裂の違いが判らず、「核」は恐ろしいと時代遅れの迷信みたいな概念にとらわれている人の多いこと、情けない。さて、EVがもてはやされている中でひたすら新しい発想で開発を進めている企業がある。EV自動車の欠点は充電時間が長い。走行距離が短いなどである。エコと言いながら発電された電機は石油を燃やして電気を発電して送電される。このようにエネルギは効率が悪いほどエネルギーロスという無駄が発生する。将来の究極の車は水素エンジンであると確信している。今回は水素の関連記事を合わせて掲載する。
皇紀2682年12月18日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
実現間近!「水素エンジン船」 脱炭素対応の“本丸” 日本と世界の現状
深水千翔(海事ライター) の意見 - 昨日 8:12
水素燃料フェリーも実現近い?
川崎重工業が2022年11月30日、水素を燃料として使用する舶用中速4ストロークエンジンを開発し、日本海事協会から基本設計承認(AiP)を取得しました。同社が開発した16万立方メートル型の大型液化水素運搬船に発電機として搭載し、実船試験による実証を進める予定です。
当該発電用エンジンを搭載する予定の大型液化水素運搬船(画像:川崎重工業)。© 乗りものニュース 提供
利用時にCO2(二酸化炭素)を排出しないことから、究極のクリーンエネルギーとして需要が高まっている「水素」。これを大型船舶の燃料として活用する技術開発が進み、実用化が近づいています。
今回AiPを取得したのは、世界初という「発電用水素焚き二元燃料4ストロークエンジン」。水素だけでなく、従来の低硫黄燃料油も燃料として自由に切り替えが可能なエンジンです。今後、推進用エンジンが開発され商用化した場合、日本周辺を航行する近海船や内航船へ導入される可能性があり、将来的には水素燃料フェリーのような船舶の建造も期待できます。
川崎重工は今回、天然ガスに比べ燃焼速度が速く逆火しやすく、燃焼温度が高いという水素の特性に合わせた燃焼技術を開発することで、異常燃焼や燃焼室部品の過熱などの技術課題を克服し、単筒試験機による実証試験で安定した水素燃焼が可能であることを確認しました。
水素燃料の選択時は、船内の液化水素用タンクから自然発生したボイルオフガス(超低温の貯蔵タンク内部で蒸発して発生する水素ガス)を主燃料に、カロリーベースで95%以上の比率で混合して発電を行い、船内へ電力を供給します。
同エンジンを搭載する大型液化水素運搬船は、舶用の液化水素貨物格納設備としては世界最大の容積を誇る4万立方メートル級の液化水素タンクを4基搭載し、16万立方メートルもの水素を積載可能です。川崎重工坂出工場で建造し、2020年代半ばの竣工を計画しています。
推進システムは、水素を燃料として使用できるボイラーや蒸気タービンプラント、燃料供給システムで構成されており、発電機と併せて船舶が排出する温室効果ガス(GHG)を大幅に削減できる見込みです。
同社が建造した世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」(タンク容量1250立方メートル)は既存のディーゼル発電・電気推進方式だったため、水素燃料エンジンの大型船搭載が実現すれば、水素輸送全体で炭素の排出量を減らせるでしょう。
他社も続々 水素エンジン開発進む 発電用/推進用に大・中・小…
川崎重工による水素焚き二元燃料エンジンは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業」の一環として開発が進められているものです。今回は発電用途でのAiP取得でしたが、同社は推進用エンジンの開発を目指しています。
NEDOの同事業では、さまざまな用途に対応可能な舶用水素エンジンのラインアップを2026年頃に完成させることを目標に掲げ、複数社が開発に同時並行で取り組んでいます。川崎重工が推進用の中速4ストロークエンジン、ヤンマーパワーテクノロジーが補機用の中・高速4ストロークエンジン、そしてジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)が大型船向けの低速2ストロークエンジンを開発しています。
川崎重工はこれに加えて、舶用水素燃料タンク・燃料供給システムの開発も担当しており、各社と共同で水素燃料推進システムの実現を目指しています。陸上試験を経て実証運航に適用し、機能と信頼性を確認した上で、社会実装につなげていくとのことです。
AiPを取得した水素焚き二元燃料エンジン(画像:川崎重工業)。© 乗りものニュース 提供
ただ、こうした水素燃料船は、韓国や欧州勢も開発に着手しており、世界的には競争が激化しています。すでに水素燃料電池や水素混焼エンジンを搭載した船舶も出てきました。
日本では、ツネイシクラフト&ファシリティーズが2021年7月に建造した世界初の水素燃料旅客船「ハイドロびんご」(19総トン)は、水素と軽油の混焼エンジンを2機搭載しています。同船は可搬式の水素貯蔵タンクを装備しており、軽油と別のラインを通じてエンジンへ水素を供給して混焼する仕様となっています。このため岸壁に水素充填の設備を置く必要がなく、水素を供給が容易という特長を持っています。
世界でも水素船登場 ほぼ同時期
イタリア造船大手のフィンカンティエリは2022年11月に、水素燃料電池モジュールを試験的に搭載したクルーズ船「ヴァイキング・ネプチューン(Viking NEPTUNE)」(4万7800総トン)を、スイス船社のヴァイキングに引き渡しています。両社は船舶からのGHG排出削減に向けて水素を燃料に使用する発電システムや低速時の推進システムを開発しており、建造中の新造船や既存船への実装も視野に入れています。
また、オランダのダーメン・シップヤーズ・グループが、ベルギー海運大手のCMBグループと共同で水素焚きエンジンを積んだ工事船(コンストラクション・サービス・オペレーション・ベッセル、CSOV)を開発しています。ウインドキャットグループが2隻を確定で発注しており、ベトナムのハロン造船所が建造し、2025年以降に就航する予定となっています。
2022年9月には、イタリア船級協会(RINA)が同国の新興企業アウレリア・グリーンシップ・コンセプトデザインが開発した水素燃料RORO船(貨物船の一種)にAiPを付与しています。こちらは重量物船やクルーズ船、高級貨客フェリーにも使用可能な水素推進システムも開発する予定です。
川崎重工が開発した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」。水素サプライチェーンの構築も進んでいる(深水千翔撮影)。© 乗りものニュース 提供
水素を広く普及させるためには、水素を大量に製造してコストを下げつつ、それに見合う消費を支えるだけの供給手段を確保する必要があります。現時点では、安価なサプライチェーンは確立されていないものの、脱炭素化の流れの中で水素燃料船の開発が着々と進行しており、そうした船に乗れる機会もそう遠くはなさそうです。
「水素も将来有望な技術」=脱炭素化でトヨタ社長
【バンコク時事】トヨタ自動車の豊田章男社長は14日、訪問先のバンコクで、脱炭素化に向けた取り組みについて、電気自動車(EV)だけが選択肢ではないと強調した。その上で、「あらゆる選択肢を追求したい。水素もバッテリーEVと同様に将来有望な技術だと考えている」と述べ、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)を手掛けるトヨタの方針をアピールした。
トヨタ自動車の豊田章男社長=7月15日、千葉市美浜区© 時事通信 提供
同社は、タイ現地法人の設立60周年の記念式典をバンコクで開催し、豊田社長があいさつした。タイでの事業については「トヨタがタイで成長し、発展する機会に恵まれたことは大変光栄だ。次の60年も変わらぬ支援をいただきたい」と話し、今後も中核的な生産拠点とする方針を示した。
トヨタ 開発中の「水素エンジン車」 市販目指す方針明らかに
2022年6月3日 22時21分
トヨタ自動車は、水素をエンジンで燃焼させて走る開発中の「水素エンジン車」について市販を目指す方針を明らかにしました。走行時に二酸化炭素がほとんど出ず、脱炭素社会に向けた車として、EV=電気自動車などの電動車とは別の新たな選択肢となるかが焦点です。
トヨタ自動車は、走行時に二酸化炭素をほとんど出さない車としてエンジンで水素を燃焼させて動力にする「水素エンジン車」を開発していて、レースなどで技術面の実証を続けています。
この「水素エンジン車」についてトヨタは3日、市販を目指して研究開発をしていく方針を明らかにしました。
具体的な時期は未定だとしています。
また、今後「液体水素」を燃料として活用する研究も進めるということです。
静岡県の富士スピードウェイでは3日から自動車レースが開かれていて、豊田章男社長が「水素エンジン車」のドライバーとしてコースを駆け抜けました。
トヨタによりますと、3日のレースでは「気体の水素」を使用していますが、「液体水素」を使えば体積が800分の1になるため、車に充填(じゅうてん)できる量が増え、1度の充填で走れる距離を伸ばすことができるということです。
現地で会見した豊田社長は「水素エンジン車でレースに参戦するようになってから1年がたったが、この間、トヨタのカーボンニュートラルへの取り組みが進んだ。ともに挑戦する仲間が増え、車も進化している」と述べました。
脱炭素社会に向けた車としてEV=電気自動車などの電動車とは別の新たな選択肢となるかが焦点です。
参考文献・参考資料
実現間近!「水素エンジン船」 脱炭素対応の“本丸” 日本と世界の現状 (msn.com)
「水素も将来有望な技術」=脱炭素化でトヨタ社長 (msn.com)
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