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政治講座ⅴ2087「泥沼の中国経済は共産主義に起因する」

 旧ソ連の経済破綻の歴史を見れば自ずと分かる。
私有財産を認めず、全部が国有財産が共産主義である。
 一所懸命働いた者と怠けた者と同じ評価で同じ分配では労働意欲がなくなるのは当然であり、旧ソ連が経済的に行き詰ったことは当然の帰結である。そして、歴史は繰り返されている。
 毛沢東路線に祖先返りした習近平氏は旧ソ連の経済破綻と国家破綻と同じ轍を踏みつつある。折角、鄧小平が日本に三顧の礼で企業誘致した改革開放路線でGDP世界2位になったが今や不動産バブル崩壊と過剰債務問題と鉄鋼製やEV車の過剰生産で阿鼻叫喚の状態である。そして、政府による事実・実態の隠蔽が経済回復が不能にしていることに気が付かないのである。悪循環となり奈落の底へまっしぐらなのである。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2685年1月4日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

報道記事紹介

泥沼にはまる中国経済 中産階級2000万人が配車アプリのドライバーに殺到


▲グラフィック=朝鮮デザインラボ クォン・ヘイン
 中国の検閲当局は年の瀬にある作業に追われています。民間の経済専門家が「実体経済は政府統計よりはるかに悪い」と発言し、それがインターネットメディアやソーシャルメディアで急速に拡散すると、関連記事や映像を削除していると言うのです。
 中国は12月11日から2日間、習近平主席の主宰で来年の成長率目標や経済政策の方向性を決める中央経済工作会議を開きました。それを前に中国経済に対する悲観論が拡散するのを防ぐ狙いがあったとみられます。
 海外のソーシャルメディアに掲載された講演原稿によれば、中国政府が緊張してもおかしくない内容でした。国有金融機関である国投証券のチーフエコノミスト高善文氏は「この3年間で中国経済成長率が毎年3ポイント、計10ポイントが過大評価された」と述べました。2023年に中国政府が発表した経済成長率は5.2%だったのですが、実際は2.2%程度だったという指摘です。
 東北証券のチーフエコノミスト、付鵬氏も「この2年間で配車アプリのドライバーが2000万人増えた。中産階級の没落が本格化している」と述べました。
■「成長率統計、消費・投資の推移と食い違い」
 高氏は12月3日、広東省深圳市で開かれた2025年の投資戦略説明会で講演し、今年の中国の経済状況を分析しました。
 高氏は中国経済の現状を「活気あふれる老年層、意気消沈した若い世代、希望を失った中年層」と要約しました。老年層が予測可能な老齢年金に期待して安定的な消費生活を送る一方、働き口がなく未来の収入増に対する希望も失った青年層は衣食にかける費用を節約しながら何とか持ちこたえているというのです。中国31省・直轄市の統計によれば、若年層の割合が高い地域ほど消費の伸びが低下しているといいます。
 高氏は2020年に不動産バブル崩壊が始まって以降、中国政府が発表した3年間の成長率統計に対しても疑問を提起しました。都市就職人口の推移、投資の伸び、物価指数の変化などとつじつまが合わないというのです。2020年にコロナ禍が始まる前までは、中国は消費と投資の伸びが経済成長率と同じ傾向を示していたそうです。しかし、この3年間は政府が発表する成長率が消費や投資の伸びよりはるかに高いといいます。
 高氏はそうした分析を根拠に挙げ、過去3年間、毎年成長率が3ポイントずつ過大評価され、合計すると10ポイントに達すると指摘しました。政府発表数値から毎年3ポイントを差し引けば、消費・投資の伸びと推移が似ているといいます。
■失業人口推定4700万人
 就業者数についても同様の分析を示しました。中国の都市部の就業人口は、コロナ流行が始まってから急激に減少し、ゼロコロナ政策が終了した2023年に回復を始めましたが、まだ長期的な増加傾向と一致するほどには増えてはいないということです。それをもとに試算すると、4700万人の失業者がいるというのが高氏の分析でした。これは2023年末現在の中国都市部の就業人口(4億7000万人)の10%に当たる数値です。
 高氏は中国国内で屈指のマクロ経済専門家で、国務院発展研究センター金融研究所で勤務した経歴もある人物です。李克強前首相が在任中に開いた専門家座談会にもよく出席していました。
■「日本のように失われた35年が到来する」
 付氏は昨年11月24日、HSBCプライベートバンクの主催で上海で開かれた講演での発言が問題になりました。付氏は「中国経済は高齢化などにより、コロナ以前の2019年から既に構造的な需要低迷周期に入った。内需低迷を解決できなければ、中国も日本のように『失われた35年』に直面する恐れがある」と述べたのです。
 付氏は「地方の現場に調査に出向くと、過去2年間で配車アプリのドライバーが突然2000万人も増えていたが、彼らはどこから来たのか。答えは中産階級の没落だ」と指摘しました。不動産バブル崩壊、大量失業、給与低下などで没落した中産階級が生計を維持するために配車アプリのドライバーに殺到しているとの分析でした。
 付氏は中国政府の景気刺激策についても否定的です。2008年の世界的な金融危機当時は4兆元の大規模な景気浮揚策が需要を創出して効果を上げましたが、今の借金でインフラを建設する方式ではこれ以上消費を引き上げることはできないと語りました。成長期が終わろうとしている中、分配に焦点を合わせるべきだとも提言しました。
■習主席の「貧困層解消」主張も批判
 12月7日には中国の経済紙、経済観察報が「中国の低所得層が約9億人に達する」と報じました。
 労働経済専門家である李実・浙江大共有発展研究院長は同紙のインタビューに対し、「中産階級の所得水準に達していない低所得層は全体人口の65%で約9億人と推定される」と述べました。
 中泰証券のチーフエコノミスト、李迅雷氏も昨年末、「2021年時点で月収2000元(約4万2800円)以下の人口が9億6400万人に上る」と経済誌に投稿し、削除騒動に発展しました。習近平主席は貧困層解消を自身の功績の一つに挙げていますが、専門家がそれを真っ向から批判し始めたのです。
崔有植(チェ・ユシク)記者


中国 アメリカ28企業や団体への軍民両用物資の輸出禁止発表 アメリカの輸出規制に対抗か

TBS NEWS DIG_Microsoft によるストーリー

中国 アメリカ28企業や団体への軍民両用物資の輸出禁止発表 アメリカの輸出規制に対抗か© TBS NEWS DIG_Microsoft

中国の商務省はアメリカの28の企業や団体について、中国の企業などが軍民両用の物資を輸出することを禁止すると発表しました。

中国の商務省は2日、防衛大手「ロッキード・マーチン」などアメリカの28の企業や団体を輸出規制リストに加えたと発表しました。

「国家の安全と利益を守り、武器不拡散の国際義務を果たすため」としていて、中国の企業などがこれらの企業や団体に対して軍民両用の物資を輸出することが禁止されるということです。

さらに、商務省は台湾への武器売却に関わったとして、10の企業や団体について、中国と貿易をすることや中国で投資することなどを禁止する制裁を科すと発表しました。

アメリカが中国に対する半導体関連の輸出規制を強めるなか、中国側はそれに対抗する姿勢を示した形です。

中国、25年に特別国債発行を大幅拡大 成長促進へ資金調達

Reuters によるストーリー

中国は、低迷する経済の再生に向け財政刺激策を強化する中、企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。国家発展改革委員会(発改委)当局者が3日の記者会見で明らかにした。写真は中国の紙幣。2017年5月撮影(2025年 ロイター/Thomas White)© Thomson Reuters


[北京 3日 ロイター] - 中国は、低迷する経済の再生に向け財政刺激策を強化する中、企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。国家発展改革委員会(発改委)当局者が3日の記者会見で明らかにした。
消費者が中古車や中古家電を下取りに出して新しい製品を割引価格で購入できる耐久財向け補助金プログラムと、企業の大規模な設備更新を補助するプログラムの「2つの新たな」取り組みに調達資金を充てるという。
発改委の袁達副秘書長は「2つの新たな取り組みの実施を強化し拡大するため、今年は超長期特別国債基金の規模を大幅に拡大する」と述べた。
世帯を対象に、携帯電話、タブレットPC、スマートウオッチ・ブレスレットの3種類のデジタル製品購入にも補助金を提供する。
発改委は先月、24年の超長期特別国債発行による1兆元の資金を全て割り当てたと発表。資金の約70%は「2つの主要な」プログラムに、残りは新たな取り組みに充てるとしていた。
発改委の趙副主任は記者会見で、特別国債による資金調達を増やし、主要な取り組みの範囲を拡大するとも述べた。政府は主要な取り組みの一環として、今年向けに1000億元相当のプロジェクトを事前承認したという。
政府文書によると、主要プログラムとは鉄道、空港の建設や農地整備、主要地域における安全保障能力構築などのプロジェクトを指す。
ロイターは先月、当局が25年に3兆元相当の特別国債を発行することで合意したと報じた。
袁氏は25年の経済成長目標について、ニーズと中長期計画のバランスを取ると述べた。
ロイターは先月、 中国指導部が25年の経済成長率目標を5%前後に据え置く一方、財政赤字目標を過去最高の対国内総生産(GDP)比4%に引き上げることで合意したとも報じた。
袁氏は国内経済が新たな課題に直面しているとしつつ、「今年も景気回復の継続をけん引できると確信している」とし、今年の成長を支える十分な政策余地があると述べた。

【中国にとっての宿願】習近平主席は「台湾統一」に向けた工作のプロだった 毛沢東時代から続く中国共産党「統一戦線工作」の手法

マネーポストWEB によるストーリー

習近平・国家主席は中国共産党の誰よりも台湾の情勢や人びとの特性を理解しているという(写真/EPA=時事)

 習近平・中国国家主席にとって宿願とも言える「台湾統一」。実現に向けた重要任務を負うのは「中国共産党中央統一戦線工作部」だ。中国の歴史や文化、社会に精通する社会学者の橋爪大三郎氏と、元朝日新聞北京特派員のジャーナリストでキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司氏は、「中国共産党の“統一戦線工作”は毛沢東による建国当時から続いている」と指摘する。その手法とはどんなものか。(両氏共著より一部抜粋、再構成)【シリーズ第9回。文中一部敬称略】

 * * *

橋爪:毛沢東による中国共産党の国づくりはどう進んだのか。1927~1937年の中国国民党と中国共産党の間での第一次国共内戦を経て、毛沢東の中国共産党は、中国本土の支配権を確立した。しかし、人材も資源も不足していました。人口は多いけれど、知識人が足りなかった。

峯村:1949年に中華人民共和国が建国された時は、中国共産党に敗れた蔣介石の国民党政府が台湾に逃れたことで、国民党系の知識人も中国大陸からいなくなり、人材はより不足していたはずです。

橋爪:そこで、数少ない知識人をどしどし入党させる必要があった。結果として、これから国づくりに関わろうとする意欲のある人びとが大勢、党員となりました。国内外の学歴のある人や、科学者・技術者みたいな立場の人が、さまざまなポストに就きました。

 当時の中国は、農村と都市の二本立てになっていました。中国共産党は、農村の「解放区」を基盤にしていた。「解放区」では、地主の土地を取り上げて、農民に分配します。権利書も作成して、農民に配る。農民は喜んで生産性も上がる。こうして新中国はスタートしました。

資本家を騙して社会主義を建設

峯村:中国共産党が国民党に反抗し、じわじわと勢力を拡大していく際に採ったアプローチが、「統一戦線工作」というやり方です。国民党の内部を分裂させたり、友好勢力を増やしたりする伝統的な手法です。共産党が「法宝」(魔法の武器の意)と呼んで最も重視する工作のひとつと言っていいでしょう。

橋爪:はい。共産党が政権をとると、それまで活動していた外国企業や国民党系の人びとはいなくなりました。そこで統一戦線工作部は、残っていた中国人の資本家に、「共産党に協力しませんか」とはたらきかけた。ダンスパーティーなどを開いて手なずける。都市部に工場設備をもっていた資本家は、それならと「民族資本家」になります。その後も、「工場を国に寄付しませんか」「寄付しても社長を続けられます」「現在の邸宅に住んだままでいいですよ」などと秋波を送る。そこで工場を寄付すると、私有財産がなくなります。高級時計や金目の家具なんかも供出させられた。

 そのあとも、「元資本家なのか」「いつまで大きな邸宅に住んでいるつもりだ」という話になって、気がつけば“ただの人”になっている。都市部はそんなふうに社会主義になった。つまり統一戦線工作部は、資本家を騙して財産を没収する係だった。中国共産党はこうやって、ありったけの資源をかき集めながら、社会主義建設を進めたんです。

習近平が対台湾の統一戦線工作を率いていた

峯村:統一戦線工作部は、中国共産党を理解するうえで非常に重要な組織です。当時の資本家の取り込みだけでなく、現在でも台湾をはじめ、日本やアメリカなど、世界に対しても統一戦線工作を仕掛けています。この統一戦線工作部に、前例のないくらいカネと人員を注ぎ込んでいるのが習近平です。

 ここで、私が最初に習近平と会った時のエピソードを紹介します。2007年10月の第17回共産党大会で、習近平は最高指導部の政治局常務委員に抜擢されました。私は党大会の分科会で、数メートル先に座っている習近平を見ました。丈が合っていないのか、ズボンの裾は膝下までずり上がっており、頭の後ろには寝癖がついていました。次期国家主席候補ではありましたが、正直言って、「どん臭くてパッとしない」というのが私の第一印象でした。そこで習近平の能力や人となりについて、複数の共産党幹部らに尋ねました。

「彼を侮ってはいけない。我が党内で台湾問題に最も精通している傑物だ」という答えが異口同音に返ってきました。習近平は南部の福建省で17年間も勤務していました。実は台湾の対岸に位置する福建省には、台湾向けの統一戦線工作の拠点が置かれています。つまり習近平は長年にわたり、対台湾統一戦線工作に従事していた「プロ」なのです。

橋爪:習近平が、対台湾の統一戦線工作を率いていた!

峯村:建国当時の共産党幹部らが、国民党員や資本家に対してやったような工作をしていたのです。習近平は福建省時代、台湾のビジネスマンや退役軍人と日夜、酒を飲んだり、ゴルフをしたりしていたそうです。台湾内部の情報を集めるだけではなく、台湾企業に補助金を出すなどの優遇政策をちらつかせたり、協力者として取り込んだりする工作をしていたのでしょう。

 同時に、「我が党は台湾との平和的統一を望んでいる」「台湾が独立を宣言したら即戦争になる」など、中国共産党としてのメッセージを台湾側に流し込む作業もしていました。こうした工作を20年近くやってきた習近平は、約1億人の党員のなかで、誰よりも台湾の情勢や人びとの特性を理解している、といっても過言ではないでしょう。

 こうした統一戦線のアプローチは、インテリジェンスの業界では「MICE工作」と呼ばれる、相手の弱みや欲望に付け込んで、取り込みを図るやり方です。中国共産党は結党してからいまにいたるまでこのような統一戦線工作を得意として、その真価を発揮しているのです。

(シリーズ続く)

※『あぶない中国共産党』(小学館新書)より一部抜粋・再構成

【プロフィール】

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう)/1948年、神奈川県生まれ。社会学者。大学院大学至善館特命教授。著書に『おどろきの中国』(共著、講談社現代新書)、『中国VSアメリカ』(河出新書)、『中国共産党帝国とウイグル』『一神教と戦争』(ともに共著、集英社新書)、『隣りのチャイナ』(夏目書房)、『火を吹く朝鮮半島』(SB新書)など。

峯村健司(みねむら・けんじ)/1974年、長野県生まれ。ジャーナリスト。キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。北海道大学公共政策学研究センター上席研究員。朝日新聞で北京特派員を6年間務め、「胡錦濤完全引退」をスクープ。著書に『十三億分の一の男』(小学館)、『台湾有事と日本の危機』(PHP新書)など。

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