
2025-01-07 年末年始のエンタメ
昨夜、寝付けず起床は10時頃。朝食は抜き。
午後の早い時間に、近所まで来たということで母がベーグルを持って家に遊びに来た。実家に帰りやすい駅まで車で送って帰宅。
昨日の日記に書いたとおり、この年末年始はインフルエンザと気管支炎でほとんど活動できなかったので、その分だけエンタメを多く摂取した。2日で40時間以上も寝ると、どれだけ辛くても、もうそれ以上は眠ることができなくなったりするのだ。
そのうち、よかったものをいくつか紹介しようかな。
リンクはアフィリンクになっているものがあるし、ネタバレには気を配って書いてますが、ネタバレ不感症の僕に感知できないレベルのネタバレが混入している可能性があります。
The Boys
DCやMARVELに出てくるようなヒーローたちが、企業に管理されている世界観にあるダークヒーロードラマ。
「圧倒的なパワーを持つヒーローを力の無い普通の人間が管理している」という逆転現象がヒーローたちの不満を生み(しかしヒーローたちにはマーケティングや経営の能力がないので従うしかない)、その不満を打ち消すようにパワーを背景とした傍若無人な振る舞いをするヒーローが描かれる。
つまり、この作品においてはヒーローがヴィランになっているのだ。
このヒーローの「ヴィランぶり」がすごい。
特にメインヴィランであるホームランダー(スーパーマンやキャプテンアメリカの立ち位置)はその見た目が人間であるが故に「壊れちゃったヒーロー」、つまり「制御の効かない暴力装置「の恐ろしさを十二分に表現してくれている。
そのヒーローたちに対抗する人間の組織が「The Boys」。こちらはこちらで、とてもヒーローには見えない振る舞いをする。つまり、ヒーロー不在のヒーロードラマという作りなのだ。しかも、エロ・グロ・バイオレンス表現に容赦がない。救いもない。しかし、その世界観に何か爽快感を覚えてしまう。
もともとシーズン3の途中まで見ていて、寝込んでいる間に最新シーズンの4まで見終わってしまった。続きは来年らしい。
チ。 —地球の運動について—
すごいという話は聞いていたけど、実際すごかったな。
キリスト教(作中ではC教と記述される)主流派の考えとは異なる「地動説」を信じ、証明しようとした人々の話。
ちなみにガリレオガリレイはおろか、コペルニクスも出てこない。それよりずっと前の時代が舞台になっている。
地動説そのものはキリスト教の教義に反しているのだけど、登場人物のほとんどが信仰は失っていないので「信念をもって死ぬ」という強さを信仰から得ていて、それがストーリーのスピード感にも繋がっているのが面白かったな。
日本に住んでいると、宗教について「盲信するか・否定するか」の二択しか選べないように勘違いしてしまうが、実はそうではなく「宗教をベースとした思考様式と生活様式を保ちながら、それを運用する人々(教会など)を否定する」という選択肢もある。
これは「盲信」と対になる非常に知的な態度だし、思考に軸があるということなので強靱さも与えてくれるのだと思う。
ただ、タイトルの回収については「ほんとにそれ、最初から考えてたかぁ〜?」と思ってしまったな。
J⇔M ジェイエム
「ひなまつり」の大武政夫作品。途中巻まで読みかけだったので、残りをまとめ買いして読んだ。
ハードボイルドで抜けたところのある大人の男と、醒めていて能力の高い少女という組み合わせはそのままに、その二人の心が事故的に入れ替わってしまった、という構成。
完全なるエンタメ作品で、ここから何かを得ようと思うのは間違いだと思う。ただキャラ構成が上手で、物語に波風も立たないのでちょうどいい温度の温泉に長湯しているような心地よさがある。
僕はそもそも「ドラマ」のない作品が好きなのだと思い出した。
ひらやすみ
こちらも「ドラマのない作品」。または、「全体がさざ波程度のドラマになっている作品」とも言える。
ひょんなことから阿佐ヶ谷の平屋を引き継いでしまった青年を中心に、人間模様が優しく描かれている、ただそれだけの作品なのだけど、絵が気持ちいいのでけっこう楽しんで読むことができる。
また、主人公を客観したときに感じる「自由さ」が、実は主観だと「そこに囚われている」と感じてしまうという矛盾は、無職時代を過ごしたことのある僕にとって身近なテーマでとても共感できた。
不可思議Wonderboyの「pellicule」を聞いたときに感じた「こんな、普通に話すようにして人生や未来や過去や後悔や希望や友情を表現できるのか」という驚きが、この作品にもある。
大脱出 / 大脱出 2
「水曜日のダウンタウン」で有名な藤井健太郎が演出した脱出系バラエティ。DMM TVプレミアムの無料期間を利用して視聴。
水ダウの脱出系企画でも見られる「ふざけきっているが、ルールもまた考えきられている」というバランスが面白かった。
ルール的に仕組まれた軋轢がだんだんと大きくなっていく「空気の悪さ」そのものをエンタメ化しているのが現代っぽい。
ただ「2」のほうはな……。
「テレビでできないことをやりました」と言いたいのは分かるのだけど、「それ」をテレビに映せない合理的理由を逆説的に証明してしまっていて、正直、見るに堪えないシーン多数。
インフルエンザで脳が茹で上がっている状態なら、なんとか見られます。