【通関士試験対策講座No.7】関税率表 分類 第39類～第43類
本日は関税率表の分類、第39類～第43類について学んでいきます。
関税率表は、関税率表の所属に基づいてそれぞれの品目ごとの関税率等が設定されており、この表をもとに、実際に輸出入する品目を分類していきます。
今回は、第7部と第8部の所属区分の解説と、どのような問題が出題されるか詳しく説明していきます。
では始めましょう！
第7部（第39類～第40類）にはどのようなものがあるの？
この部は、プラスチック及びゴム並びにこれらの製品が該当します。
例えば、プラスチック製の食卓用品やプラスチック製のスーパーの袋などの物品がこの部はこの部に含まれます。
第8部（第41類～第43類）にはどのようなものがあるの？
この部は、皮革及び毛皮並びにこれらの製品、動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグやその生産品が該当します。
例えばコンポジションレザーの製品、ハンドバッグ、買物袋、スーツケースなどの物品がこの部に含まれます。
試験にもよく出る類が含まれていますのでどのようなものが該当するかは
実行関税率表を確認しておいてください。
試験対策はどうすればいいの？
以前の講座の内容と同じようにこの分類の箇所は、通関実務の輸出入申告書作成の問題で、実際のインボイス品目に対する輸出入統計品目番号（HSコード）を関税率表から探し出す問題や、複数選択式の問題で「○○類に含まれないものをすべて選べ」など、通関実務の問題で色々な形式で問われることが多い箇所です。
輸出入申告書作成の問題では事前に、類注や過去に出題された品目の分類など目を通しておくと、本試験で出題された際にスムーズに対応でき、また、焦らずに対応できます。
第7部、第8部ともに馴染みのある物品が多いので、試験に出題されやすい傾向があります。特に第42類については、輸出入申告書作成の問題でよく問われ、基礎知識が無いと時間が掛かるため出題されやすいので、のちほどの解説で詳しい内容を確認しておいてください！
解説
では各類について試験対策で重要なポイントを中心に詳しく解説していきます。
どの類についても、出題者も作問しやすい物品が多いので、比較的試験では問われやすい傾向がありますので、関税率表も確認し、どのようなものが分類されるか、また、過去出題されたような物品についても抑えておいてください。
その中でも、特に第42類は要注意ですので解説確認しておいてください！
第 39 類 プラスチック及びその製品
→ 注2(ｍ) トランク、スーツケース等の容器は第42類に分類されます。含まれないものについては類注を中心に確認しておいてください。
第 40 類 ゴム及びその製品
→ 注2(c) ゴム製の帽子及びその部分品は第65類に分類されます。試験で過去問われておりますので覚えておいてください。
第 41 類 原皮（毛皮を除く。）及び革
→ 注1(c) 毛が付いている獣皮及びこれをなめし又は仕上げたものは、第41類に分類されますが、犬の毛が付いている原皮は、第 41 類に属するとありますので、含まれないものの例外（第41類に含まれるもの）として理解しておいてください。
第 42 類 革製品及び動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品
実行関税率表
→ 実行関税率表第42.02項ですが、前半に黄色の部分についてはカッコ内にて、材質が指定されています。
（革、コンポジションレザー、プラスチックシート、紡織用繊維、バルカナイズドファイバー若しくは板紙から製造し又は全部若しくは大部分をこれらの材料若しくは紙で被覆したものに限る。）
したがって、黄色の物品については、カッコ内の材質でないものは他の類に該当するということです。
ですが、青セルの部分の物品については、材質の指定がありません。
ここに挙げられているものすべて第42類に該当するということです。
【及び】 で区切られていますので理解しておいてください。
直近の第58回通関士試験でも出題されている頻出箇所です。
→ (注4) 手袋、ミトン及びミット（運動用又は 保護用のものを含む。)
は第42.03項に含まれます。野球で使用するグローブやミットなどが試験でよく出る物品となります。
第 43 類 毛皮及び人造毛皮並びにこれらの製品
→ (注4) 毛皮又は人造毛皮を裏張りし又は外側に付けた衣類及び衣類附属品
とは第42.03項または第42.04項に含まれます。
毛皮を裏張りしたコートや外側に付けたにつけたジャケットなどがここに該当する物品となります。
問題
第1問
ゴム製の長靴は、第40類（ゴム及びその製品）に分類される。
→答え ✕
ゴム製の長靴は、第64類に分類されます。第40類の類注2(b)を確認してお
いてください。
第2問 （第57回通関士試験より改題して出題）
下記のa．からc．までに掲げる物品のうち、第40類（ゴム及びその製品）に掲げる関税率表の類に属さないものはどれか
ａ．加硫したゴム製のコンベヤ用ベルト
ｂ．乗用自動車に使用するゴム製の空気タイヤ
ｃ．ゴム製の水泳帽
→答え ｃ．
ゴム製の水泳帽→第65類に分類されます。第40類の類注2(c)を確認してお
いてください。
第3問 （第52回通関士試験より改題して出題）
革製の野球用グローブは革製品として、第42.03項に分類される。
→答え 〇
革製の野球用グローブは革製品として、第42.03項に分類されると第42類
類注4に規定されております。
第4問 （第53回通関士試験より改題して出題）
第42類注2(e)、第65類の帽子及びその部分は、第42類には含まないこととされている。
→答え 〇
類注2(e)に第65類の帽子及びその部分は、第42類には含まない旨が規定さ
れているので正しい内容となります。
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