優しさにつけこまれない様に Don't let others take advantage of your kindness
きっかけ
最近Netflixで、"After Life"という海外ドラマを観始めました。
主人公は25年連れ添った最愛の妻を亡くしてしまい、自暴自棄になり周囲にすぐつっかかっていく中年のイギリス人男性Tonyです。
そんな彼の振る舞いに困り、亡くなった妻の弟すなわち義理の弟であり同時に職場の上司MattがTonyに注意した時の会話です。
Matt: "You can't just go around being rude to people."
(言うまでもないが、失礼な振る舞いを人にしないでくれ。)
Tony: "You can though. That's the beauty of it. There's no advantage to being nice and thoughtful and caring and having integrity. It's disadvantage if anything…"
(俺はする。していいんだ。いい人でいても得しない。思いやりや親切、誠実さなんて損するだけだ。どっちかといえば…)
Matt: "Let's see. Because if you carry on like this, I might have to let you go."
(でも今のままだと君をクビにせざるを得ない。)
Tony: "No, you won't, that's what I'm saying, because you're a nice bloke. So, I'll take advantage of you, like everyone else does here. You'll warn me. I'll ignore it. You'll give me another warning. I'll ignore it. I'll carry on doing what the fuck I want. Eventually, you'll give up, and I'll win."
(君はしない。君は良いやつだから俺をクビにしない。だから俺はそれにつけこむ。ここの他の奴らみたいに君の警告を俺は無視する。また警告されてもまた無視し、好き勝手やる。君が諦めたら俺の勝ちだ。)
友人を思い浮かべた私
悲しいがな、私はこのシーンを見た時に2人の友人が思い浮かびました。ここ1,2年、私の優しさにつけこんでいるのではないかと思っていた2人です。いや、このTonyの正直な発言のおかげで確信に変わりました。彼女達はTonyより社会性があるから言わないだけで、内心私のことを舐めていて、私の優しさにつけこんでいます。Tony同様きっと変わる意思だってないでしょう。そう思うともう友人とは呼べない気もします。知人になりつつある2人といった方が正しいかもしれません。
一人目の友人
一人目は、会う約束をしていたのに連絡が取れなくなったり、平気でドタキャンしてくるA子。そんなことが増えたので、彼女と予定を立てることはやめ、お互い空いているタイミングでいきなり「明日空いてる?」「今から会える?」などと都合の良い関係の男女みたいな連絡を取る仲になりました。でもお互い忙しいのにそんな連絡で会えるはずもありません。私は予定立ててくれたらすぐ会えるから、会えないのは向こうのせいだと思っています。それなのに定期的に「近々会いたい!」と連絡してくるんです。だからといって具体的な日程を決めても、当日気分が乗らなければ体調が悪くなったと言って彼女が他の用事を優先させる未来が目に見えています。私が強く咎めたりしないと分かっているから、その優しさにつけこんでいるのだと思います。だから、そんなラブコールが来ても「そうだね~」とだけ返します。
会うとテンションなど話が合うので大学時代は一番仲が良かったのですが、最近あまりにも会うまでのやりとりにストレスを感じ、長いこと連絡を無視しています。いつか彼女は変わってくれると思っていたのですが、結局彼女は変わるどころか悪化している様に感じます。最初はてっきり私が舐められていて、私だけにそういった扱いをしているのだと思っていたのですが、被害者は何人も居る模様です。ただ先輩相手など特定の人にはそういったことはやらないと思いますし、彼女の中で多少の優先順位みたいなものはあるはずです。優しい人は必然的に優先順位が下なんだろうな。そんな彼女は交友関係が広いんです。そこが不思議で仕方ないのですが、きっと本当に優しい人は彼女の周りから離れていくのではないでしょうか。
もう一人の友人
もう一人は、会うと7,8割自分の話を一方的にしてくるB子。それでいて、私の話には興味を示さず、つまらなさそうにするんです。相談事があると言えば多少向き合ってくれるが、オチの無い近況報告程度だと自分が悪いことしたのかと錯覚させられる空気感になります。なのに、自分は固有名詞たっぷり使って会社の上司やチームメンバーの愚痴を1時間ぶっ続けで話すのです。おかげで彼女の会社の人の名前は覚えてしまいました。そんな状態でありながら彼女と旅行に行った私も馬鹿なのですが、彼女は全然私の話に興味を示さないので、3泊4日の旅行の2日目の中盤から私は話すことを諦め、沈黙が多くなってしまいました。ただ沈黙だと気まずいので、私から積極的に彼女に質問しました。でも彼女からの質問返しはありません。質問してくれないなら自分から話すしかないと思ったのですが、何か口に出しても興味なしの文字が顔に表れ、「へー。」「で?」「そうなんだ。」としか言わなくなり、この子と旅行に来たことを心底後悔しました。「なにこれ、接待やん。なんで友達相手に接待しなきゃいけないの。いや接待よりしんどいかも。」と思い帰りたくなりました。なのに最近「今度また旅行行こうよ!」と言われ、びっくりしました。私は嘘をつくのが嫌で、社交辞令もなるべく言いたくありません。かつ前回の旅行を楽しんだと思われるのも癪でした。だから「そうだね~でも○○忙しいじゃーん!ニコ」という一番無難だと思われる返しを披露。我ながらあっぱれです。
そしてふと、こんな彼女に周りは何とも思っていないのだろうかと気になり、「他の友達とか会社の人にもこんなにしゃべるの?」と聞いたところ、「いや、聞き手に回ることも多いかも。こんなにしゃべらない。」
「え、そうなんか。(じゃあ話過ぎてる自覚あるじゃん。)」
この時に一言でも「○○は話しやすいからついつい話しちゃうのよ。」だとか「いつも話聞いてくれてありがとう」などが出てくれば違ったかもしれません。そんなことを考えていたら、気が付いてしまいました。この子私に感謝してくれたことないや。私は彼女に限らず、友達に日頃から感謝を伝えるし、お互いの良い部分を会話の中で自然と言ったりします。実際、彼女の仕事へのストイックさや今の仕事とは別に将来自分がやりたいことを明確に持っている芯の強さなど、尊敬しているから褒めたことがあります。でも彼女から褒められたことは記憶にありません。きっと私自身に興味がないのだと思います。私は人への関心が結構強い方だと思うから、質問しがちです。だからきっと、「○○はよく話を聞いてくれて、沢山愚痴らせてくれるわ~」って思っているんだろうなって納得がいってしまいました。やっぱりなめられている、付け込まれているのだろうなと思います。
最後に
だから、MattとTonyの会話を聞いて腑に落ちました。友達だと思っていた2人は私の優しさにつけこんでいたのです。とはいえ、彼女達ははなから変わるつもりもなかったと思うので、勝手に彼女達は変わってくれると期待していた私も馬鹿です。なので、これから関わる人には1,2度裏切られた瞬間に身を引こうと思います。恐らく舐められているからです。
ちなみに、A子とB子のことを悪く書きましたが、彼女達にももちろん良い部分があります。だからなるべく会いたいと思っていた私は、いつも彼女達を遊びに誘う側でした。でも途中からモヤっとすることが増え、会いたいという感情よりそのモヤモヤ感が強くなってきたので、最近2人と距離をとりつつあります。そんなさなかに向こうから誘われることが増えました。でも私の気持ちはもう2人にはほとんど向いていません。未練がましいですが、失ってからその大切さそして優しい人だってずっと優しくないということに気が付いて欲しいです。
また自分自身、優しい人は優しくしてくれる人と付き合った方がいいということにも気が付きました。優しさにつけこんでくる人と居ると、大切にされていない気がして、自分に価値がないのかと思ってしまい心がすり減ります。 でもそんなことは全くありません。自分に価値を感じさせてくれる人と一緒に居ることが大事です。そこに気が付けた私は、もう友人関係で悩むことは減ると思います。なんだか一つ大人になったと思います。Don't let others take you for granted, because you are more precious than you think :)