見出し画像

お堅い会社からベンチャーに転職してみた



最近急に秋がやってきましたね。

今年の夏、自分の友人には何も言わずこっそりnoteを書きだし、仕事への悩みや思いを整理するために文章にし、知らない人に公開していいねを少しだけ頂いてちょっと喜んだりして、自分の中の整理がついたので、思い切って転職してみました。

転職して2週間(まだ2週間)たって、部屋の段ボールも片付いていないですが、自分の中で生活が軌道に乗った感じがするので、初心を忘れないうちに文章にしようと思います。

「お堅い会社からベンチャーへの転職」というタイトルなのでビフォーアフターをざっくりご説明します。前職は連結で5万人以上いるけれど、素材系だったので知名度も低い会社でした。とはいえ、大きな組織の中で人事をしていたので、組織の中の組織と言わんばかりの、忖度!寝技!方々への気遣い!の日々を6年半過ごし、自分の中では「堅い!!!」思い出になるであろう会社でした。

(退職するにあたっては、慰留やお世話になった人へのご挨拶など、「こんなに大変だと聞いていたら転職などしなかった!」と途中で心が折れるくらいに大変だったので、文章で公開していいねをもらって発散したい気持ちが非常に大きいのですが、どこが僕独自の要素でどこが汎用的でみんなに知ってもらう価値があるのかわからないので一旦胸にしまっています)

転職先は社員が10人くらいしかいないコンサルとHRテックをやっているベンチャーなので、社員数は0.2%くらいです。オフィス面積も今のところマッチ箱くらいのサイズなので、外面的な都落ち感は半端じゃないです。

僕の周囲では、それなりの規模の会社から、このレベルのベンチャーに行く人は知らないので、それなりに思い切った決断だったかなと思っていますし、ご参考になるようなこともあるんじゃないかと考えています。(100人規模くらいになった伸び盛りベンチャーに行く人はちらほらいますが)

生活面の影響

まず生活のレベルですが、給与水準がそんなに大きく変わっていないので、あんまり意識することがないです。転職って一大事ですが、その意味ではすぐに何か具体的な変化が起こるわけではない。むしろ、前職時代は会社の寮だったところ、都市部に一人暮らしを始めたので満足度は向上してすらいます。(家賃分は支出が増えているのでつらいところですが、今後どう効いてくるか・・・)

勤務地としても、東京から大阪へ転居していますが、街がコンパクトなので通勤も楽(自転車で行ける)、人と会うにも片道20分あれば遊びに行ったりご飯に行ったりできると、充実しています。(学生時代を京都で過ごしたので、友人関係は東京大阪半々といった感じですが、東京といっても都内から埼玉千葉横浜に散らばっているのでかなり違います)

あとは、東京みたいにみんなが人間的にきっちりしていない、という楽さがあります。お巡りさんは人を疑う目をしていないし、道端でおじさんが座り込んでいても暖かくスルーするし、飲食店のおばちゃんが優しいし、OLが一昔前に流行った服装で通勤できるし、うどん屋さんには紅しょうがの天ぷらが置いてあるいい街だと思います。かっこよく生きる人には東京はいいんだろうなと思いますが、快適に生きるならそれなりに人口が多い地方都市なのではないでしょうか。

仕事面の影響

次に仕事のレベルですが、未経験職種への転換(人事⇒コンサル)だったのでビクビクして転職したものの、意外と仕事の本質的なところは変わりないので、知識レベルで努力は必要だと認識する点は日々いっぱいありますが、能力的な限界を感じたりはしないので、問題なしだと思います。(仕事に関しては個人的に、何をしているかよりもどういう自分であるかのほうが、アウトプットに効いてくると考えていたので、違和感なく嬉しいです。)どちらかというと、大企業中で仕事が変わった場合のほうが、その部署の作法や過去知識などが必要になってくるので、新しい仕事に取り掛かるハードルが高いように思います。

もちろん転職する年齢やポジションによっては、すぐにアウトプットを出さないといけないので、知識があってすぐ使える前提じゃないとNGといったケースもあるんじゃないかと思うのですが、ベンチャーにおいてはすべてがきっちり仕切ってないし、人でも足りてないし、業務上ファジーな点は多いので、若手の人はむしろベンチャーのほうが活躍できるんじゃないかと思います。

将来性の話をすると、若手の間ベンチャーに行ってもいいけど、年取ってからどうするの?という問いは解決できていませんが、当たりの会社を引き当てるまで転職し続けるのか、自分で仕事をとれるようにするのか、ですかね?(みなさんどうしてるんですか?)世の中も働き方も目まぐるしく変わっていく時代なので、20年後どうなっているかなんてわからないですが、変化について行って常にアジャストできる自分であるしかないですよね。

小さい会社って、どうしても社長の一存が大きくなりがちなので、社長に身を預けられるかは非常に大きな観点なのかなと、当たり前のことですが改めて認識しました。
大きな会社でも上司の目が気になると思うのですが、その上司はその上の上司のことを気にしているし人事部門もチェックしているし、上司は定期的に変わります。なので気にしているのは「組織」にどうみられるか、なのかなと思います。
小さな会社は「社長の一存」でなんでも決めれてしまう分、その「一存」が非常に重要になってくるので、組織ってゆうのは偉大だなと思います。信じられる「一存」で物事が決まる会社に行かないといけないので、自分の人を見る目を非常に大事にしないといけません。

転職して、転職前に抱いていた認識と今のところ違和感はないので、ミスった自覚は今のところないのですが、たまにそういう仕組みであることを思い出して、ドキッとすることもあります。
面倒見のいい人であれば「組織」でハートフルさが薄まるよりも安心感が強いなんてこともあるかもしれませんし、「組織」にいるときとは異なる密度の人間関係で働くことに呻くこともあるかもしれません。

それでも組織で働いているときより全てのことが自分に近いというか利害関係を持つというか、自分の仕事になります。責任を持ちたくないというのは、責任の後ろにいる人たちのことを自分が背負いたくない場合に出てくる気持ちで、どうでもいいよと思う場合にはただ重荷に感じますが、自分でコミットしようと思える場合には、大きな組織じゃないとやや背中が軽いこともあって、比較的背負いやすいかなと思います。
大きな組織にいれば、大きなものを背負わせてくれる点は、非常に良い環境なんだなと思います。小さい組織にいると、背負ってるものはほぼ理解できたうえで、進んで背負えるようになります。どっちがいい、というものではなく、どっちが好きか、なのかなと思います。

気持ち的な話

メンタル面では、非常に良好です。
なんせ、主体性は持ちやすいので、やることと責任が明確です。忖度根回しといった組織の弊害業務は発生しないしレポートラインも1本です。
雇用の不安定さと裏腹に手に入れた快適さですが、短期的には良いかなと思っています。

前職では、転職した人はその後どうなったか知らないケースが多くて、職場の人からすると「死んだ人」くらいに思っていましたし、それこそ転職するのは清水の舞台から飛び降りる覚悟で、アフリカ駐在と同じくらいのハードルかなと思っていましたが、いざやってしまえばなんてことはないものだな、と思っています。プライベートでかかわる人たちは変わりませんし、寝るベットが変わるわけでもないので、意外と普通です。

そういえば昔研修で3か月インドに行った時も、行く前は「絶対なにかに当たって入院するし、インド人とは仲良くできない」と震えていましたが、実際行ってみるとインド人とローカル屋台巡りするくらいにはあっさり馴染んだので、人生そんなものなのかもしれません。

前職時代の同期後輩と飲みにも行きましたが、あんまり転職した実感もなかったです。アメリカ人がたくさん転職する気持ちもわからなくもないな、と思いました。(だって家帰ったら愛する家族いて土日は庭でBBQでしょ?そら職場変わったくらいなんでもないですよね。)
転職に対するネガティブな気持ちって、仲のいい集団から1人飛び出して別の集団と仲良くするときの中学生的なあれに似ているのかもしれないです。きっと日本人みんな幼稚なんですね。

総括

意外と何ともなかったな、と今のところ思っていて、見えない壁みたいなものをみんなが勝手に作り出してるんじゃないかと考えます。別に大きな会社にいても20年後確実に幸せになれる時代じゃないですしね。

秋だからか、転職したからか、はたまた年を取ったのか、最近キノコがおいしいです。
皆さん秋を楽しみましょう。

お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?