実質、オードリー若林のリアル・ハーレムマンガとして観てたころの「日向坂で会いましょう」

3坂の冠番組で日向坂が異質だったのは、番組MCのオードリーがいわゆる"公式お兄ちゃん"というアイドルを生かす添え物を超え、オードリーを主体として見る層が少なくなかったことにある。

特に主人公を若林とした、実質的に少年マンガでやってたハーレムマンガのラブコメみたいなやつが、自然発生的になってたことが不思議だったというか。

なにせ若林自体が芸人とは思えないくらい非モテな人で、しかもエッセイで社会人として思い悩むみたいな方向だった。ナチュラルボーンなハーレムマンガ主人公すぎる人だったりする。

ひらがな推し時代からひなあいの初期くらいまで、そんな非モテ男性がアイドルたちに囲まれるみたいな感じに自然となってたのが特殊。

やっぱり一期生と二期生とわちゃわちゃしてる若様という構図、いい時期の「ラブひな」とか80年代の高橋留美子漫画みたいな感じさえあった。全体を演出してるケイマックスサイドは、意識してそれを使ってたように思う。

「若様のご贔屓メンバーを決めよう」とか、その最高潮っぽい。若林が結婚したパートナーがくみてんと同じ年齢らしいというのも、いま考えるといろいろ思う。絶対に恋愛やセックスみたいな一線は超えないのも少年マンガのハーレムものっぽい。や、そんなのやるわけないんですけど。

こんなふうに実質ハーレム漫画な時代はやがて若林の結婚、子供の誕生によって様相を変えていく。さすがにプライベートの変化、3期生や4期生の加入によって、より年若いメンバーが加わってくことで変わっていった感はある。や、1期生2期生の時点でオードリーより相当に年若かったんだけども。

オードリーはハーレムマンガの主人公みたいなとこから降りた(降りざるを得ない)あたりがわりとひなあいの性質が変わったとこな気もする。若林が主人公、というものではなくなったというか。

そうはいっても高橋留美子まんが感あるトーンはまだあるとは思うし、ハーレムマンガ的なものをまだ引きずってるとは思う。なにより番組を作るケイマックスが、誰よりいろんな奇跡でできたっぽい漫画感ある番組作りに固執してるようにも見えたりする。