中嶋優月と小島凪紗。櫻坂46キャプテン候補の「大人になり方」の明暗

アイドルグループで嫌でも大人にさせられるのがキャプテン(リーダー)の立場だ。そういう意味で櫻坂3期のゆーづとこんなぎが気になる。

3期生は全員が地肩が強い。櫻坂に求められるパフォは欅坂初期より遥かに高くなり、最初からそれなりの力がある人を呼びたかったのはわかる。それだけに、急速にグループに馴染み、かなり早く大人の姿として登場した子供って感じする。

大人になり方の急速度という意味で、やっぱり今年のゆーづの変わり方は飛び抜けてる。加入当初から考えるとぼんやりしてそうな感じだったのに、すでに、ほのすやまつりちゃんみたいな「安定した明るい大人」みたいに成長してる。次のキャプテンと目されるのも納得なのだ。

一方でこんなぎは「安定した明るい大人」の立場へ早々と成長するのでは、と思われたが、やや遠回りしながら前に進んでる。

逆にこんなぎが3期でもっとも葛藤する子供みたいな感じがある。ヘアスタイルを変えちゃう回数が他より多め・・ってとこから話を切り出しちゃうのもなんだけど、本人の自意識とアイドルとしての見せ方との間で折り合いをつけかねている悩みがうかがえる。

3期生の登場から現在までに、わりとイメージが変わった人と最初から泰然自若としてる人で別れてる。

そこでゆーづとこんなぎの二人は、櫻坂的な大人としてのアイドルという適応が好対照だ。最初に好印象な子供だったり危なっかしいかもと見てた子供が、成長して真逆の結果になるということは人生にありふれてる。それだけに、ふたりの成長プロセスは味わいぶかい。

それにしても、ファンレベルだと現在のような活躍となるのは、こんなぎとゆーづとで逆なように初期は見えていたが、種花としてはやっぱり近くでみんなを見ていて「こちらのほうがあの仕事で活躍できるな」としっかり見えてるんだろうな〜って思う。

ゆーづがこんな風に外仕事で活躍して成長できたり、こんなぎを「マモリビト」のように希望はあるがどこか悲哀のある楽曲のセンターにしたり、まあ振り返ると本人の能力に合わせた場所でやらせているというか。

ややこんなぎにネガな文っぽくなっちゃってるが、私はむしろこんなぎが一番表現できてるものがいまはっきりしてるとも感じてる。

こんなぎはたぶん3期ですごく葛藤を抱えてると思うんだけど、逆にそのことがいまの櫻坂で意外に見られない思春期感の表現にいちばん繋がってたりする。

ドームの「真夏に何が起きるのかしら」から、ついこないだの妄想デート企画まで、こんなぎが一番葛藤のある10代みたいな表現ができてる気がする。年少のいとまめとか的野よりもある意味で幼い、等身大な悩みのある人って感じする。

大人の櫻坂のなかで、いまもっとも大人になることに悩む思春期の人、という感じで、こんなぎは3期で特にドラマチックなメンバーでもある。