佐々木久美と、日向坂で歳をとるということについて

くみてんは「坂道で歳をとるとはどういうことか」を考えさせる人だ。坂道グループで乃木坂のYACさんに次ぐ年長、ということではあるが、誰よりも年齢と進退と本人の自意識がどうなっているのか気になる意味で目を離せない。

くみてんが「早く30歳になりたい」というのは、ネタではなく半分以上は本音なのだとおもう。ひなあいではバラエティに収めるために、核の部分は掘り下げてなかったが。

くみてんは昨年からいろいろあったが、ビジュを見てるかんじはすごく安定してる感じするし、盤石な雰囲気はさして崩れてない。比較であんまり言っちゃあれかもだけど、最近のまなふぃは調子大丈夫かな・・となる感じするのを見ると、ぜんぜん落ち着いているようには見える。

まなふぃのビジュはどんどん周りの1期が卒業していくなかでメンタルが危うい瞬間あるのだろうか・・と思っちゃうんだけど、ぶっちゃけそういう理由で崩れかける理由はわからなくもない。

そういう意味でくみてんが安定しているように見えること、それ自体がなにか不思議な感じを受ける。年下である櫻坂のふーちゃんや乃木坂の梅よりも若く見える印象がある。若くというより、"幼く"か。

エース格のこさかなさんや、おすしの方がシビアな大人化を感じてしまう。状況が好転しないもがきや諦念が顔に刻まれてゆく雰囲気。変なことに2期以降のほうに悲壮感のあるメンバーがしばしば見られる。

にぶちゃん復帰後のショートボブへの髪型変更も、考えてみたら日向坂的な"明るくなくてはいけない子供"を降りることを選んだ悲壮感はあった。後の卒業発表ブログで腰の問題が明らかになり、実はやめる前提で日向坂に戻ってきたんだ、とわかったときは、相当な悲壮感を感じたとおもう。

悲壮さが大人らしさと表裏一体なところはある。その意味でくみてんは悲壮感というのはあまり表情に刻まれてる感じがない。

これが観ててけっこう混乱する。「いま日向坂は大変な状況だけど安心して欲しい」という悲壮感の見えなさでもないし、かといって呑気にしていて無神経であるとも違う。

いずれにせよ、本人が表には30歳になりたいという発言とは裏腹に、どこかで成長にブレーキをかけているみたいな印象ある。

こにしんと古着屋に出かけたyoutube動画を見ると、およそ10歳近く離れてるふたりに見えなかったことも気になる。

「ビジュを保ってるのすごい!」というのはあるが、ひらがな時代から現在まで凄まじい紆余曲折を経験してきた人が、一見すると顔に悲壮感が見えにくいことが不思議。他坂のまつりちゃんや梅にもなくもないのに。

大人を望みながら明るい子供の役割をまっとうし続けるせいだろうか。ひなあいでオードリー(と番組スタッフ)の意図を汲みつづけることは、皮肉なことにある意味で大人化を押しとどめてしまったのかも。

ある日のひなあいで、三つ編みのくみてんに「さすがにきつ!」とならず、「へーけっこう似合うじゃん」と思ってしまう安定したビジュのなかに、そういう不思議さが凝縮されてる。