小林由依の櫻坂46卒業後の沈黙が誰より存在感があり意味深

櫻坂の卒業生というのは、もう卒業の前段階からその後の活動を準備してるような雰囲気ある。

櫻坂自体がトラウマ持ちな学生時代や子供時代から大人になることみたいなグループなのもあるのから、菅井様から理佐もあおたんも土生ちゃんも欅坂改名後の活動はそのまま今の活動に移行するまでの下準備な感じある。今にして思えばだけど。

グループから卒業した後のアイドルが次のキャリアに行こうとすると、正直なところ竜宮城から地上に帰ってきて玉手箱を開けちゃったような印象で見えちゃうことってわりとある。やっぱりアイドルって不思議なジャンルで浮世離れした箱庭だよねって感じする。

でも櫻坂は、変な言い方だけど浦島太郎が地上にスムーズに適応できるように、その後の社会にも移行しやすいようにいろいろしてるようなグループっていうか。櫻坂時代の旧欅坂1期のみんなが女子高生の制服風制服をやめてからの、箱庭の思春期から完全に手を切った感じってあれは意味あったんだなーって考える。

いろんなグループで卒業発表って悲しいけれど、櫻坂における卒業はまた味わいが違うのはそういうところではある。有美子会長はもうちょいグループにいてもらってもよかったような、とは思わなくないけど、ともあれ最後のブログなどを読むと会長も会長で自分なりの大人のなり方を見つけたのかな、とか適当なことを思う。

ということを、ゆいぽんの卒コン円盤が出るのであらためて考え直していた。

櫻坂の卒業生の中でもゆいぽんはまた別格だ。特に、卒業してからいままで音沙汰がまったくないあたりが、らしいといえばらしい。菅井様や理佐が、ばりばりモデル業や女優業に進んだのもあり、ゆいぽんもすぐに近い仕事をするのかと思えた。櫻坂在籍時代から水面下でやってる舞台業や学業みたいな活動は、スムーズに卒業後の進路に繋がってる。でも、ゆいぽんは今のところそれが見えない。

ただ、この沈黙がまたゆいぽんの解釈が変わる感じがある。欅坂のトラウマに真正面から対峙してきた人で、櫻坂になってからもけっこう引きずってたというか。

2023年の「桜月」から(スタオバからというべきかもだけど、ここからにさせてくださいな)卒業シングルとなる「承認欲求」まで、欅坂トラウマへの向き合いでゆいぽんは最重要人物としてMVに登場してる。一連のMVで彼女をメインにして振り返ると「センターを導き、思わせぶりに去る」物語が付与されており、その物語は自身がセンターを務める「隙間風よ」とソロ曲で完結を迎える。

その後、卒コンで3期に混じってAnthem Timeやったり、欅曲はグループのトラウマ性にかかわらないものにとどめたり、「ああ、あの時代を受け入れて昇華しきったということかなあ」と見てた。

そんな卒コンだったので、比較的スムーズに次のキャリアに移るんだろうかと思ってた。でも、今に至るまで次の活動の音沙汰がない。沈黙の長さにゆいぽんが現役時に向き合っていた負担の重さを、あらためて感じたりする。この沈黙もまた、次の人生に向かう移行期ってことなんだろうか。

・・・・・なんていって、「疲れたからしばらく遊んでまーす」くらいの感じかもしれないけど。