たった一度の成功体験が「自分」をつくる

皆さん、本日もお疲れさまでした。Takayukiです。

本日は私が苦手意識を長年持っていた事に対して、たった一度の成功体験が忘れられず、その思いに従って行動していった結果、人生が好転した話を書こうと思います。

学生時代の思い出

私は高校時代辺りから、人前で話すことが苦手で大嫌いでした。

国語の授業では、音読の順番が自分の座っている列に回ってくるだけで心臓が飛び出そうなほどバクバクし、自分の番が回ってきた時には声が震え、汗だくになっていた記憶があります。

当時は、授業中にわざと寝ているふりをして、自分の順番が回ってこないようにしたり、時には学校をずる休みもしていました。自分の事を意識すればするほど、上手くできない自分に苛立ちと絶望を抱いていました。

今でこそ本を読み、内容に関して人と話す事が好きですが、当時は読んだ本を人前で発表するという宿題も大嫌いでした。自分の発表が半年先であっても常に緊張していましたし、発表当日は、やはり声が震え、教室の前に立つだけでも体全体が震え上がりました。

友達にも、「腹から声を出せよ!!」と発破をかけられましたが、全く自分の体が思うようにいかないという事を体験しました。自分が情けなくて、劣等感を常に持っていました。人生でこの体験を避けられるならどんなに幸せだろうと思っていました。

そんな状態だったので、大学進学をすることすら苦痛でした。大学に進学するとプレゼンの授業があるだろうなという考えだけで、大学に対する嫌悪感が作られていきました。大学生活を謳歌して楽しむ事より、「人前で発表をする」「人前で話す」その行為が嫌で仕方ありませんでした。

しかし、一年の浪人生活の間に自分の人生を大きく変えるきっかけが訪れます。脳の先天的な病気が見つかりました。その後、浪人時代に三度の脳の塞栓術手術を行い、生死の境を彷徨いました。闘病をする中で、自分の意識は変化していくことになります。

そうして迎えた大学生活では、人前で緊張はするものの、「失敗しても死ぬわけではない」と腹を括ってプレゼンをすることができました。

人前で話すことが意外とできるようになっていった自分に、「可能性」を感じた瞬間でもありました。

社会人になって

大学を卒業し、私は大手機械メーカーの経理を担当することになりました。「経理だし、人前で話すこともそんなにないだろう」と高を括っていた私はある日、当時の上司からある依頼をされます。

「今度海外子会社のCFOが東京に集まるから、そこで新入社員は英語でスピーチをすることになった。準備しといてくれ。」

私には、青天の霹靂でした。まさか会社の役員の前で、しかも英語でスピーチをすることになる日が人生に訪れるなんて、考えもしなかったのです。

仕事なので断ることもできず、上司の顔に泥を塗ることもできないので、引き受けることにしましたが、内心はとても緊張していました。学生時代のトラウマが蘇ってきては当時の苦しい気持ちを思い出しました。

英語でのスピーチであったこともあり、メンターの先輩が付きっきりで指導してくれました。何回も会社の廊下で練習をしたり、文の言い回しや発音なども修正して頂きました。自宅では自分の声を録音し、それを聞いて暗記するという事をしていきました。そうした練習を重ねるうちに、スピーチの原稿にも変化が現れました。

最初は当たり障りのないビジネスライクな文章でしたが、徐々にユーモアを交えるようになり、自分らしさを備えたスピーチとなっていきました。

気付くとあんなに嫌だった「人前での発表」が少し楽しみになってきている自分がそこにはいました。

そうして、発表日当日、海外子会社のCFOの方々にはすごく笑って頂き、自分を覚えてもらうきっかけになりました。上司からもお褒めの言葉を頂き、新入社員として立派だと声を掛けてもらいました。当時の皆さんからの称賛は今でも心を震わせるような感動的なものであり、過去のトラウマが書き換えられた瞬間でした。

強烈な成功体験

社会人一年目の当時の体験が私の中の強烈な成功体験になっていると思います。前職の経験の中で、1番印象に残っている事といっても過言ではないように感じています。

転職をする際も、人前で話す事は苦手だと思っていたけれど、自分の中のたった一度の成功体験が忘れられず、「講演」や「コーチング」に携わる職業に就きたいと考えていました。そうしてたどり着いた今の職業では、何人もの受講生の前で話す経験をしたりもしています。

もちろん、まだお世辞にも上手いとはいうことはできず、もっとファシリテーションや話し方の技術を磨いていく必要は感じていますが、しっかりと準備すれば自分はできるという自信を持つことができています。

纏め

今回この記事を書くに当たって、過去の成功体験を再現性の高いものにするために、あえて分析してみるとすると、「自分の気持ちの矢印を自分ではなく、他人に向けていた」事だと思います。

学生時代の自分は、自分が失敗したくない、人に笑われたらどうしよう、などと常に「矢印が自分に向いていた」ように感じます。

しかし、「聞いている人に感動してもらいたい」「笑顔になってもらいたい」と思うとどんなに拙くても、失敗しても良いから思っている事を伝えたいという気持ちになることが分かりました。謂わば「矢印が他人に向いている」状態だと思います。

過去の成功体験を通して、ずっと苦手だったけどやってみたら意外と楽しい事が他にもあるかもしれないという感情を持つ事ができています。

皆さんも、自分が長年ずっと苦手と感じているけれど、できたら良いなと思うものに挑戦してみてはいかがでしょうか?


たった一度の成功体験から、人生が好転していくかも知れません。


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