奈良工場1年目の振り返り
先月末、当社の奈良工場は竣工1周年を迎えました。
時間が過ぎるのは、あっという間です。設備搬入や竣工式がつい最近のように感じます。濃い1年間でした。
今回はそんな奈良工場1年目を振り返ります。
良かった点
①4名の新規採用に成功した
マシンオペレーターの新規採用は、進出先の奈良県五條市が過疎地域のため、最も懸念していました。しかし、毎年2名の採用目標に対し、2022年に2名、2023年に2名と計画通り進んでいます。
新入社員の1人(高卒入社)に入社の決め手を聞いたところ、「きれいな職場と大阪水準の待遇面に惹かれました!」と。素直ないい子です。でも、これが紛れもない事実なんだと思います。
企業理念や仕事のやりがいを伝えることも大事ですが、まずは長期就業できる環境づくりが重要だと改めて感じています。
②大きなトラブルなく安定稼働できた
1年目に新設・移設した機械は、大きなトラブルもなく順調に稼働しています。製造ラインは当初の6ラインから、現在は8ラインにまで拡大しました。これはひとえに、製造部をはじめとする関係者の頑張りのおかげで、感謝しかありません。
本社工場との連携も、新たに開発した社内システムやweb会議ツールの活用により、問題なく取れています。余談ですが、ITの活用促進はリテラシー云々ではなく、使わざるを得ない環境かどうかで決まると再認識しました。
③今後に向けた意思表示ができた
東大阪市の本社工場は、狭い作業スペースや建屋の老朽化、近隣の住宅増加など、さまざまな事業リスクを抱えています。こうしたなか、奈良工場の建設は事業継続・事業拡大に向けた意思表示となりました。
竣工後、一部のお客さまからは「実は今後どうされるのか心配してました」といった声もあり、少しでも不安を解消できたのはよかったです。
とはいえ、結果を残せるかはこれから次第ですので、期待を裏切らないよう頑張っていきます。
反省点
①ハード面の検討が不十分だった
正直、ハード面の「こうすればよかった…」は挙げ始めるとキリがありません。なかでも、以下の2つは大きな反省点です。
・来訪者に対する配慮が足りなかった見学ルート
・現場作業者のためにつくるべきだった仮眠室
まずは見学ルート。来訪者が応接室から工場へ行くためには、一度外に出て移動するか、靴を持って室内を移動するかの選択肢しかなく、非常に手間のかかるルートになってしまいました。
工場内の作業動線に意識が向きすぎてしまい、見学ルートにまで配慮が行き届かなかったことが原因です。
次に仮眠室。奈良工場はスペースの問題から、仮眠室をつくりませんでした。しかし、その結果、社員が食堂(兼休憩室)に椅子を並べて仮眠するようになり、十分に身体を休めることもできなければ、見栄えも悪いといった悪循環に陥ってしまいました。
事務所棟のレイアウトを一部変更すれば、仮眠室の設置も可能だったため悔やまれます。
②若手にチャレンジの機会を提供できなかった
新工場の建設と立ち上げは、当社にとって初めての経験でした。このため、役員や管理職が中心となってプロジェクトを進めました。
しかし、将来に向けた一大プロジェクトに、将来を担う若手社員をアサインしなかったことは大きな反省点です。もちろん負荷はかかりますが、この経験は近い将来に必ず活かせるはずです。なにより、少しでもプロジェクトに参加しなければ、当事者意識は持てません。
もし2棟目を増築する機会があれば、人選からこだわりたいと思います。
③コミュニケーションの場をつくれなかった
2022年はコロナ渦の自粛ムードが根強く、歓迎会や懇親会といったコミュニケーションの場をつくることができませんでした。
「飲みニケーション」には賛否両論ありますが、僕は賛成派です。普段から職場内でコミュニケーションを取っていたとしても、飲食を通じてお互いの距離がグッと縮まった経験はたくさんあります。
奈良工場の勤務者は車通勤で、居住地もバラバラのため、全員が揃うハードルは高いですが、何か良い方法がないかを模索中です。
④大雪リスクを甘くみていた
進出先の奈良県五條市は、積雪が少ない地域と聞いていました。このため、大雪リスクを甘くみており、非常時の対応方法を検討していませんでした。しかし、結果的に1年間で大雪による臨時休業が3日間もありました。
特に、最初の臨時休業日は朝から大雪の影響で大渋滞が起き、出社が難しかったにも関わらず、社員に長時間の車内待機を強いる形となり、対応が後手に回ってしまいました。
幸い事故や怪我はなかったものの、最悪の事態を想定して準備することの重要性を痛感しました。
最後に
改めて振り返ると、やはり良かった点より反省点が多いです。ただ、大切なことは反省点を次にどう活かすかなので、しっかり改善に取り組んでいきます。
同時に2年目は、奈良工場独自の取り組みが本社に水平展開される流れをつくりたいです。経験上、情報が集まりやすいのは本社ですが、周りを気にせず新しいチャレンジに取り組みやすいのは地方拠点だと思っています。
これから、奈良工場は結果が求められるフェーズに入ります。だからこそ、関係者全員でアイデアを出し合い、結果につながる好事例を増やしていきたいです。
僕自身も、アイデアの具体化(言語化)やチャレンジの承認を中心に、社員一人ひとりが主体性を発揮するためのサポートに取り組んでいきます。
思う通りにいかないことは理解しつつも、2年目終了時点の答え合わせが楽しみです。
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