ルールを増やすのではなく、マナーを広める
見出し画像は、食堂テーブルのウェットティッシュに、ひとこと添えたものです。見栄えは悪いですが、マナーに対する意識を高めてほしいという思いから、あえて目立つ位置に貼りました。
「ルールを増やすのではなく、マナーを広める」
これは僕がマネジメントにおいて大切にしている考えです。特にルールが多い製造業に転職してからは、強く意識しています。
今回はこのテーマについて書こうと思います。
ルールとマナーの違い
まず大前提として、ルールとマナーの違いはご存知でしょうか?
ちなみに僕は、きちんと調べるまで理解している"つもり"でした(笑)
それぞれの意味は以下の通りです。
ルール:守らなければならない規則・決まりごと
マナー:守ったほうが良い節度ある態度・礼儀作法
「守る」という意味は同じですが、大きな違いは強制力の有無です。
ルールは守る義務があります。もしルールを破った場合には、罰則を受ける可能性があります。
一方で、マナーは守る義務がありません。あくまで任意です。「相手を思いやる善意の行動」と言えます。
過剰なルールはデメリットが大きい
誤解の無いようお伝えすると、僕は「ルールはいらない」と言ってるわけではありません。むしろ、組織の規律性を保ち、共通認識を持つために、ルールは必要という考えです。
特に製造業の場合、問題発生時に影響の大きい金銭面や安全面はルールがないと困ります。
ただ、どの程度の影響度からルールを作るかの線引きは非常に大事だと思っています。
というのも、ルールを増やすことは、手間を増やすことでもあります。要するに、覚えなければいけないこと、やってはいけないことが増えるわけです。
さらには、主体的に動く考えも弱くなります。ルールを守れば良しとなり、ちょっとした気遣いや柔軟な対応ができなくなります。
僕も前職時代に、とあるエリアの支店長を任された際、ルールを増やし過ぎて失敗した経験があります。20名ほどの組織だったのですが、各メンバーと1on1面談を行うなかで、組織に対して何かしらの不平不満を抱えていることがわかりました。
支店長として着任直後だった僕は、メンバーからの信頼を得るために必死でした。だから、不平不満の解決に向けて、「早帰りデーの導入」や「喫煙ルールの厳格化」など新しいルールを次々と打ち出しました。
しかし、良かれと思った新ルールがむしろ逆効果。ルールが増えるたびに雰囲気が悪くなったんです。メンバー同士の無関心が助長され、支店を良くするための提案は出なくなりました。
こうした経験からも、過剰なルールはデメリットが大きいと思っています。
マナーの広がりが働きやすい職場をつくる
一方で、マナーに制限はありません。身につける人が増えれば増えるほど、職場の雰囲気はよくなります。
例えば、挨拶。もし、「社内ですれ違う際は挨拶する」というルールなら、挨拶を交わしたところで、お互い何とも思いません。しかし、マナーとして自然に挨拶を交わすようになれば、気持ちがいいはずです。
掃除も同じです。「毎週○曜日の△時に掃除する」というルールなら、粛々と対応するだけです。でも、誰かが空き時間を使って、マナーとして取り組んだのであれば、感謝の気持ちが生まれます。
同じ行動でも、ルールとマナーでは相手の捉え方が180度違います。
ルールだと「当たり前」に感じることが、マナーになると「ありがとう」に変わるんです。
相手のことを思いやり、心配りをする。マナーの広がりが働きやすい職場をつくるのではないでしょうか。
最後に
というわけで、ルールを増やすのではなく、マナーを広めたい理由を書きました。
かたい話になりましたが、働く時間を気持ちよく過ごしたいだけなんですよね。
あと、損得勘定で考えても、社内でしか使えないルールを覚えるより、社外でも使えるマナーを身につけたほうがお得です。社会人1年目に身につけたビールの注ぎ方はいまだに役立っています(笑)
とはいえ、そもそもマナーを知らない人もいるかと思うので、会社として学ぶ機会も作っていきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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