エンボス加工・デボス加工って何ですのん
こんにちは、ツジカワSNSチームの片寄です!
何ですのんシリーズ第3弾!※
皆様「エンボス加工」「デボス加工」って聞いたことありますでしょうか?
ツジカワは箔押しや活版など、特殊印刷用の金型などを製造・販売している会社(その他本当に色々やってるんですがここでは割愛)ですので、
エンボス・デボス加工に使用される版も製作しております。
ここで改めて一度、「エンボス加工」「デボス加工」について基本的な情報をまとめてみたいと思います。
エンボス加工の仕組み
エンボス加工とは用紙を版の形に浮き出す加工です。
「浮き出し」とも呼ばれます。
金属版と樹脂版を使用して、紙を挟み込むことで絵柄を浮きあげます。
逆向き(文字が読めない向き)の金属製凹版を上にとりつけ、正向き(文字が読める向き)の凸版(樹脂版)を下に取り付けます。
エンボス加工の工程についてはこちらの動画でもまとめております。
デボス加工の仕組み
デボス加工は用紙を版の形に凹ませる加工です。
「型押し」とも呼ばれます。金属版と樹脂版を使用して用紙を挟み込んで版の形に押し込みます。
逆向きの凸版(金属版)を上にとりつけ、正向きの凹版(樹脂版)を下に取り付けます。
下に取り付ける樹脂の凹版ですが、使用されないこともあります。
受け版を使用せずに絵柄を押し込む場合は「空押し(からおし)」と呼ばれます。
まとめると
めっちゃ簡潔にまとめると
エンボス=絵柄を盛り上げる
デボス=絵柄を押し込む
加工です。
エンボス版・デボス版の種類
ツジカワが提供しているエンボス版・デボス版の種類はざっくり3種類あります。
腐食版+樹脂版
彫刻版+ニュークリアダイ(型取成型雄版)
彫刻版+彫刻版
ひとつずつご紹介していきます。
腐食版+樹脂版
金属腐食版とナイロン版と呼ばれる樹脂版の組み合わせです。
一般的なエンボス(浮き出し)、デボス(型押し)加工に使用されます。
同一高さの凹凸が作成可能で、コストが低く短納期に対応可能なのが特長です。
写真の金属版はマグネシウム版ですが、銅版での作製も可能です。
彫刻版+ニュークリアダイ(型取成型雄版)
彫刻版は機械で彫られた版です。ニュークリアダイという聞き慣れない名前が出てきましたが、写真右の樹脂版のことです。ナイロン版とは違い、腐食で製作するのではなく、元型に樹脂を流し込んで成形するタイプの樹脂版です。
さて、この彫刻版とニュークリアダイの組み合わせの何がすごいのかというと
とまぁ、腐食版に比べると表現の幅が非常に広がります。
彫刻版については、こちらの記事もご参照ください。
彫刻版+彫刻版
彫刻凸版と彫刻凹版の組み合わせも可能です。彫刻版とニュークリアダイの組み合わせと同じく複雑な凹凸表現、3Dモデルデータの確認、質感の付与などが可能です。
彫刻深度を自在に変えられるため、ニュークリアダイよりもより高低差があるエンボス加工が可能です。
しかし、金属版はニュークリアダイに比べるとクッション性が低いため、紙によっては破れが生じることがあります。
ある程度の厚みがあり、伸びやすい紙へのエンボス・デボスに最適です。
ツジカワの考えるエンボス加工・デボス加工のメリット・デメリット
エンボス加工・デボス加工はお菓子やお酒、化粧品の紙パッケージ、貼箱、名刺、メッセージカード、本の装丁など、至るところに使用されています。
そんなエンボス加工・デボス加工の魅力とは何でしょうか?
エンボス加工・デボス加工のメリット
エンボス加工・デボス加工のデメリット
エンボス加工・デボス加工超基礎知識として1500字ぐらいにまとめようと思ったら3000字ぐらいになってしまいました。
版の詳細スペックはツジカワHPでご確認ください。
版をご依頼の際は絵柄データだけではなく、紙厚・紙の種類を教えていただけると、より最適な仕様で版を製作することができます。
エンボス加工・デボス加工は紙との相性、型のクリアランス、機械のセッティング等々いろいろな要素が絡み合うので、今後どんどんマニアックに彫り下げて行きたいと思います!彫刻屋だけに!(また言ってる)