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3Dプリンターのサポート材とは? 積層痕とは? 種類と特徴をわかりやすく解説します!
こんにちは、ツジカワ東京デザインセンターです!
これまで2回に分けて、3Dプリンターのご紹介をしてきました。
3Dプリンターってなんぞや?って方は、こちらの記事をご覧ください!
【第一弾】「3Dプリンターって何ですのん」‐3Dプリンター超基礎知識‐
【第二弾】精密~大型いろいろ造形できます!ツジカワの3Dプリンターの種類と作れるものをご紹介!
大小問わず数々の3Dプリンター造形を手掛けてきた、ツジカワ東京デザインセンターが、3Dプリンターを使ってみたい!と思ったときに必ず知っておくべき「サポート材」と「積層痕」について解説します!
「サポート材」と「積層痕」って知っていますか?
3Dプリンターで造形を行おうとしたときに最初に出会う、聞きなれない単語トップ2が「サポート材」と「積層痕」
まずはこの2つについてご紹介していきます。
「サポート材」とは?
第一弾の記事で、『3Dプリンターは、下から順々に積み上げて形を作っていきます』という説明とともに、こんな図を載せました。
![](https://assets.st-note.com/img/1702710027472-ryMwC54Db2.jpg?width=1200)
しかしこの図、厳密に言うと正しくないんです。
造形するときのイメージとして、正しくは、こう。
![](https://assets.st-note.com/img/1702710047268-nSaEZ4P6u8.jpg?width=1200)
リンゴの周囲にグレー線が増えましたね。
これが「サポート材」と呼ばれるものです。
「下から順々に積み上げて形を作る」という3Dプリンターの性質上、リンゴの葉っぱのような空中に浮いているパーツや角度が急激に変わる部分などは、下から支えてあげないと、上手く積層できずに崩れてしまいます。
樹脂を積み上げるための支えとなるのが、「サポート材」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1702710668235-49MOcWqILB.jpg)
ざっくり言うとこんな感じ。重力を感じますね。
サポート材の種類と特徴
サポート材自体はどんな3Dプリンターでも必要なものですが、その性質は、大きく以下の2種類に分けられます。
モデルとサポート材が「別素材」
まずは、「モデル造形用の樹脂」と「サポート材用の樹脂」が、別な素材でできている場合。
サポート材は後から除去する必要があるので、「モデル造形用の樹脂」よりも柔らかい・水に溶けやすいなど、除去しやすい性質を持っていることが多いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1711353740641-6V6tt2ulLk.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1703052525738-kYQ28lFZFn.jpg)
ツジカワが保有している、精密でフルカラー造形が可能な『J750』は、
「モデル造形用の樹脂」よりも「サポート材用の樹脂」の方が柔らかい性質を持っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1702711146439-cKlul4W6q5.jpg)
うっすら黄色い部分がサポート材
![](https://assets.st-note.com/img/1702711635665-n1QYCqSaE7.jpg?width=1200)
J750のサポート材は、爪で引っ掻いても取れるくらいに柔らかいので、樹脂製のスクレーパーや、小型のウォータージェットでサポート材を除去していきます。
モデルとサポート材が「同じ素材」
次に、「モデル造形用の樹脂」と「サポート材用の樹脂」が、同じ素材でできている場合。
サポート材は後から除去する必要があるものの、同一材料で造形を行うのでので簡単には除去できません。造形後に工具などを使っての除去作業が必要となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1702712854085-90cq6U5sqA.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1703052482750-jlCwOXKglK.jpg)
ツジカワが保有している、大型造形が可能な『Massivit』や『FDM方式3Dプリンター』は、「モデル造形用の樹脂」も「サポート材用の樹脂」も同じ材料を使用します。
サポート材は本来必要のない支えの部材なので、造形の際、機械に付属する専用のソフトで、支えつつ・最低限の材料で・除去しやすい形状に設定していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1721456588163-VAu3RtXtTM.jpg?width=1200)
同じ色の樹脂なので、どこがサポート材か分かりにくいことも多々。
モデルの形状によっては、
「サポート材の造形時間や材料の消費量が多すぎる!」
「サポート材を除去する作業時間が膨大!」
なんてこともあるので、その場合には
・モデル形状を分割して、サポート材のつく場所を減らす
・モデルの角度を変えて、サポート材のつく場所を減らす
などの工夫を行うことで、効率的に造形を行っていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1706596539761-RkBQb01wQd.jpg?width=1200)
「積層痕」とは?
読んで字のごとく「積層の痕」
『3Dプリンターは、下から順々に積み上げて形を作る』という図解を、積層痕に特化して表すとこうなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1702710027472-ryMwC54Db2.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1706595975646-ZmA0je4VFI.jpg?width=1200)
リンゴの輪郭がもにゅもにゅっとしましたね。
これが「積層痕」と呼ばれるものです。
1層の厚みによってどのくらい積層痕が目立つかは異なりますが、
「樹脂を積み上げて形を作る」という3Dプリンターの性質上、積層痕のない造形物を作ることはできません。
![](https://assets.st-note.com/img/1717144127352-xbCeKumRIW.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717144228955-G6zTlA5vCw.jpg?width=1200)
1層の厚みが1mmに満たないものもあります。
若干筋は見えるものの、表面は概ねなめらか。
![](https://assets.st-note.com/img/1717144237553-1A4SSzKKfU.jpg?width=1200)
その分造形時間の短縮が可能です。
「積層痕」は3Dプリンターならではの現象のため、成形品を模したモックアップや、つるっとした表面が求められるキャラクターのオブジェなどを作るときにはまず「積層痕をどうやって消すか」がカギになってきます。
『積層痕をどうやって消すか』
その方法は、また次回に!