〈弔い〉の作法について
2017年の3月11日は、仙台におりました。14:46分、町にサイレンが響きわたると、歩いていた人たちは自然と立ち止まって、海の方角を向き直し、静かに祈りを捧げておりました。多くの人たちが一斉に、じっと祈りを捧げる時間は、よくよく考えてみると、稀なことのように思います。それだけ、大きな災害に見舞われた土地には、弔いの所作が深く編み込まれているのでしょうか。
その翌日、なんとなしに海を眺めてみたくなり、友人と連れ立って、浜辺をまわっておりました。いつもより少しばかり荒い波を