クリスチャン・ハイパーポップへの挑戦
今回は、私がTsuikyu名義で出した曲「Heart On Fire (feat. 知声)」についてのストーリーテリングを書きます。
「ハイパーポップ」を知るきっかけ
2022年に音楽活動を再開し、最新ジャンルを調べていた時、ハイパーポップに出会いました。
ハードコアテクノやナイトコア(早回し音楽)から発展した、「自由な表現」を重視する音楽ですが、「LGBT文化」から生まれたジャンルということでした。
1年間の葛藤
私は最初、ハイパーポップのクリスチャン化については懐疑的でした。聖書で禁止された同性愛を肯定するのではないかと心配していたからです。
そんなある日、ふと音楽ストリーミングサービスで出会ったのが、planetboomの「I Will Follow You (Remix)」でした。
ハイパーポップ的なサウンドに、一切排除されたLGBT要素、そしてplanetboomのオリジナリティなどに衝撃を受け、インスピレーションの根源となりました。
そして、そもそも私がゲイクラブ由来の音楽「ハウスミュージック」を作っている時点で、そのようなことを考える立場にないことを再認識し、本格的に「クリスチャン・ハイパーポップ」の制作に着手します。
制作開始
2024年のはじめ、私は長い期間をかけて、最新鋭のMacに音楽制作ソフト、そしてEDM向けのシンセサイザーやサンプル音源を手に入れたので、最大限に新しいクリスチャンミュージックを作ることができる環境がありました。
しかし、ハイパーポップの作り方については無知だったので、ハウトゥー動画を観たり、さらにハイパーポップの楽曲を聴いたりました。
その上で、最初に衝撃を受けた「I Will Follow You (Remix)」をレファレンスに、J-Coreの要素も入れて、試行錯誤を重ねた結果、最初のプロトタイプが完成しました。
日本的かつそれなりにハイパーポップらしいサウンドになったので、「これはいける」と手応えを感じて、編曲を完成させます。
歌
あと必要なのは「歌」でした。
最初は「ずんだもん」を使用しようと考えていましたが、NEUTRINOの利用規約では「宗教的な利用」が禁止されていました。
当時はVOCALOIDとVoiSonaくらいしか持っておらず、ボカロが合わない曲調だったので、どうしようかと思っていました。
そこで、VoiSonaの知声のパラメータをいじっていると、「幼い声」にできることを発見します。
その時「これだ」と感じ、採用に踏み切ります。
歌詞
歌詞で特に意識したのは「露骨(ハードコア)に神様を賛美する」ということでした。
ハイパーポップがハードコアな音楽だったので、歌詞もハードコアにしてしまおうというシンプルな発想です。
これまで日本人の宗教観に合わせるため、やや婉曲的だった私の歌詞は、祈りながら試行錯誤を重ねた結果、今までにないほどパワフルなリリックになりました。
できるだけ韻を踏むように心がけたリリックは、パンチラインまで良い感じに仕上がったので、神様に感謝しました。
特に「どんな人よりも美しい 神様のことが大好きだ」という歌詞は、成約時代の「神様の恋人になる」という考えに合うものでした。
リリースと世間の評価
ミキシングとマスタリングを行い、いよいよSoundCloudでリリースします。
最初は伸び悩みましたが、SNSでプロモーションを重ねた結果、少しずつ海外のリスナーから注目されていきました。
特に、キリスト教圏で音楽文化が根強いアメリカで私の曲が高く評価され、称賛のコメントが投稿されました。
そして、「Christian Hyperpop」のプレイリストに登録されたので、かつての憧れの国アメリカで一人のアーティストとして認められたことを知り、本当に神様に感謝しました。
私の音楽活動の目的は、あくまでも神様を喜ばせることが第一であり、人から良く思われることではないのですが、それでも6年間のキャリアの中で一番嬉しい瞬間でした。
おわりに
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
もし気に入っていただけたら、私のアルバム「Possibilities」にも収録されているので、ぜひご購入ください。
今後もTsuikyu Musicをよろしくお願いいたします。
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