機材は「目的と用途」に合ったものを選ぶこと
値段の高いギター・高いピアノ・高いオーディオインターフェース・高いプラグイン…。
本当にそれは「あなたが作りたい音楽」に必要なものですか?
実は、「目的と用途に合った最低限の機材」でも、費用を抑えつつ、最高のパフォーマンスを出せる場合もあります。
例えば、オーディオインターフェースが必要なとき、歌やギターをやるつもりがないのに、インプットの解像度が無駄に高いものを選んではいませんか?
私のようにEDMやHiphopビート等しか作らないのであれば、エントリーモデルのオーディオインターフェースでも事足ります(私はArturia MiniFuse 2を使っています)。
また、ある人はiPhoneのGarageBandで曲を作っているのですが、それとは思えないほどの高いクオリティで作り、才能を発揮しています。
逆に、Cubaseやさまざまな高額プラグインを持ちながら、全く曲を作ろうとしない人もいます。
どちらが「音楽家」と呼べるでしょうか?
本当に優れた音楽家とは、良い機材ばかり持ってロクな曲を作らない人ではなく、どんな機材でも人を感動させ、心や精神に救いと恵みを与えられる人です。
音楽機材は、あくまで「道具」であり、高級車や高級時計などの自慢物ではないからです。
そもそも、日本では音楽家であることは、やや「社会のハグレモノ」というイメージがあります。
こんにちの日本文化は、どちらかといえば、音楽や精神、信条などの目に見えないものよりも、お金や数字、ステータスといった目に見えるものばかりを重視するからです。
音楽家は医者や官僚よりも収入が少なく、また不安定な仕事だと思われている節があります。
それでもあなたは、自分の言葉や知識では説明のつかない世界を探求するため、また、目に見えるものを超えた、より精神的に高い次元へと昇るためにも、音楽を作り始めたのだと思います。
そこに「富」や「名誉」は関係なく、ただ「優れた音楽が作りたい」という思いがあったのだと思います。
その情熱があれば、たとえ携帯電話であっても、人を感動させる音楽を作ることは可能です。
とはいえ、あるところでは、有料のものは無料のものより優れていることは事実なので、あなたが本当に必要だと思うものにお金を使うことに、差し支えはありません。
高価な機材には、確かに技術的な優位性があり、特定のジャンルやプロフェッショナルな用途には必要不可欠な場合もあります。
そのため、ギタリストを目指す人にギターを買うなとは言いませんが、そのギタリストにはこのように問います。
「あなたは、フェンダーUSAやマーティンなどの高級ギターでなければ、良いギターが弾けないのですか?
プレイテックなどの安ギターでも人を感動させられますか?」
音楽家にとって本当に必要なのは、お金よりかは、音楽に対する強い情熱と好奇心なのです。
「携帯電話を使ってでも世界最高の曲を作ってやる」というハングリー精神なのです。
高い機材を買う前に、今あるもので一番良いものを作ってみてください。
そこで、無料の方法ではどうしても解決できない問題が起きた時、それを「問題点リスト」に書いてください。
そして、そのリストの内容を解決できるものに、お金を使うようにしてください。
そうすれば、あなたが使っている機材が安くても高くても、最高のパフォーマンスを出せるはずです。
これらが今の時代の音楽家がこれから求められるスキルです。
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