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2024年を振り返る~活況の「D2C」に転換期?

コロナ前から活況だった「D2C(Direct-to-Consumer)」に、変化の兆しが現れ始めた。ECのバズワードにもなったビジネスモデルだったが、2024年に入ってからは業界をけん引してきたブランドなどが次のフェーズに挑戦する動きが目立つ。その背景には何があるのか、D2Cブランドの節目ともいえる動きを探った。

バブル一段落後、D2Cブランドは次のフェ―ズに

「D2Cバブル」とも評された2010年代半ば以降はアパレル、コスメ、食品などで新興ブランドの参入が相次ぎ、売れるネット広告社の調査によれば25年のD2C市場規模は3兆円に達すると予測されている。自社ECサイトを軸に売り上げを伸ばすD2Cが台頭した背景には、スマホ・SNSの浸透や消費者の購買意識の変化、ECサイト構築・運営の簡素化などがある。

しかし、23年末から24年に入ってから、代表的ともいわれてきたD2Cブランドが思い切った決断をする動きが目立ち始めた。M&Aで他社の傘下に入ったり、株式公開に踏み切ったり、次のフェーズに向けて始動している。

D2Cブランドの起業者は年齢が若く熱量も高いが、引き続き成長路線をまい進するためには従来の手法だけでは難しいと判断したようだ。新たな商品開発やフルフィルメント整備、リアル店舗の出店やECとの連携など、進化を続けるにはこれまで以上に資金が必要となる。順調に伸びてきたD2Cブランドだからこそ、ステップアップに向けて岐路に立たされている。

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執筆者/渡辺友絵 <記者プロフィール> 長年にわたり、流通系業界紙で記者や編集長として大手企業や官庁・団体などを取材し、通信販売やECを軸とした記事を手がける。その後フリーとなり、通販・ECをはじめ、物流・決済・金融・法律など業界周りの記事を紙媒体やWEBメディアに執筆している。現在、日本ダイレクトマーケティング学会法務研究部会幹事、日本印刷技術協会客員研究員、ECネットワーク客員研究員。

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