安倍首相が阿部首相だったらアンチが流行らせようとしそうな言葉
桂太郎政権を抜き歴代最長政権となった安倍政権、そんな政権の内閣総理大臣安倍晋三首相ですが、安倍首相の名字を見るとちょっと面白いんですよね。「アベ」の漢字が「阿部」ではなく「安倍」なんですよね。「阿部」のアベさんは割と見ますが、「安倍」のアベさんってちょっと少ないですよね。苗字由来netで調べたところ「阿部」が全国順位25位だったのに対し、「安倍」は1,398位となっていました。桁が2つ違う…。じゃあもし、安倍首相が阿部首相だったらどうなっていたのでしょうか?特にアンチの皆さんはどんな言葉を流行らせようとしそうなのでしょうか。ぼやーっと考えていきます。
ちなみに私の政治姿勢ですが、少なくとも安倍首相のアンチではありませんし信者でもありません。当然君が代も歌いますし、当然天皇陛下も好きですし、当然日本という国が好きです。それ以上は本題に関係ないので言及いたしません。あ、あと「阿部」という名字で無理矢理揚げ足を取っていきますので、全国の阿部さんすみません。
さて、注目すべきは「阿」ですね。まず「阿」という漢字の訓読みですが、「阿る」というものがあります。「おもねーる」と読みます。なんというか、THE 難読漢字みたいな読み方ですね。意味は次の通りです。
人の気に入るように振る舞う。へつらう。(『大辞泉』より)
人の機嫌をとって気に入られようとする。へつらう。(『明鏡国語辞典』より)
原則を曲げてつき従う。へつらう。迎合する。(『漢字源』より)
忖度の上位互換みがありますね。忖度という語は「他人の心をおしはかること。(『大辞泉』より)」「他人の気持ちをおしはかること(『明鏡国語辞典』より)」くらいの意味なんですよね。今の用法を見てみると「阿る」と同じくらいの意味を感じますがそれはまた別のお話。独裁が云々言うタイプのアンチには向かないかもしれませんが、アメリカの犬だ中国の犬だと言うタイプのアンチにはうってつけの言葉かもしれません。
続いて、「阿」を用いた熟語を挙げていきます。まずは有名どこから。まずは「曲学阿世(きょくがくあせい)」です。意味は以下の通りです。
学問上の心理をまげて、世間や権力者の気に入るような言動をすること。(『大辞泉』より)
学問の心理を曲げて、世間や権力者におもねること。(『明鏡国語辞典』より)
こちらもやはり阿るの意味が出ていますね。ただ、曲学阿世の場合には世間に阿るというような意味もありますので、「阿る」という語のへつらう人の範囲が広がっているのかもしれません。仲間内にだけ阿るとか、世間の権力者たちに阿るとかそういう意味で流行らせようとしてきそうです。また、もし首相の名字が阿部であったら、自身(≒権力者)という意味で曲学阿部みたいな言葉も作られていたかもしれませんね。教育を捻じ曲げて軍国教育にしているんだ曲学阿世だとか言いそうですね。とにかく社会に従順な人間を育てるためで考える力を奪っているとかって主張も聞きますがどうなんでしょうね。私は受験勉強を通して知識ベースで論理的に思考を組み立てていく力はある程度ついたと思っています。ある程度ですが。話は大きく逸れますが、母校の研究費は結構カツカツだったそうです。
続いて、「阿附迎合(あふげいごう)」「阿諛迎合(あゆげいごう)」「阿諛追従(あゆついしょう)」などです。いずれも相手の気に入るようにおもねりへつらうことの意味があります。まあほぼ阿ると同義みたいな感じのようです。類語に「阿諛弁佞(あゆべんねい)」というのもあります。これは、「口先だけでうまいことを言って、おもねりへつらうこと(『大修館 四字熟語辞典』より)」という意味があります。口先では国民のことを考えていると言うが、実際は自分の私利私欲のためだろとか、独裁できるようにするための建前だろみたいなことを言いたいアンチにはうってつけでしたね。それこそ「阿部弁佞」みたいな言葉が生まれていたのかもしれません。安倍首相の喋り口調はそこまで上手というか演説向きというかそういう感じではないのでちょっとアレかもしれませんが。
続いて多分マイナーどころから一つ。「呉下の阿蒙(ごかのあもう)」を紹介します。意味としては、「昔のままで一向に進歩のない者をいう。(『明鏡 ことわざ成句使い方辞典』より)」というものです。三国時代の言葉のようで、呉を離れた呂蒙と久しぶりに会ったところ、呉にいた頃とは違い学識も深く、もはや呉にいた頃の呂蒙とは違いますねと言ったという故事に基づく成語です。ちなみにこの場合の「阿」ですが、こちらは阿るという意味では使われておりません。「~さん」のような敬称としての意味をもつ接頭辞です。兄を呼ぶときに親しみをこめて「阿兄」と呼ぶような用法もあるそうな…。私は知りませんでしたが。これもアンチが好きそうな言葉ですね。なんてったって進歩のない者って意味を持ってしまっていますから。「呉下の阿部」とか言いそうですね。
なんでもかんでも日本は遅れているのに世界はこんなにも進んでいるんだと一部の見方だけ取り上げて、しかもその原因が阿部政権だからだって言いたいアンチにはうってつけの言葉ですね。ちなみに私の見解だと、そりゃ他国と比べて遅れているところもあるでしょうが進んでいるところもあると思いますし、遅れているように見えるようなところも別の観点から見ると間違った方向に進んでいないだけなこともあるのだと思います。ここで政治的あれこれを述べることは控えますので、具体的にどこがなどというようなことは一切言わないでおこうと思います。それに海外で暮らしたこともない上に、その辺の専門でもないのに他国のシステムと日本のシステムを対照することなんてなかなか阿保らしいと思うので。あ、ここにも出てきましたね「阿」。ちなみにこの「阿」は当て字らしいです。大辞泉と明鏡国語辞典にはそのように記述されていました。
ダラダラと長くなってしまいましたが最後に超メジャー級で分かりやすいやつを。「阿鼻叫喚」。めちゃくちゃ有名ですね。『大修館 四字熟語辞典』によると、「非常に悲惨な状況に陥って、叫び喚いて救いを求めること。」とあります。同書によると「阿鼻」というのは「阿鼻地獄」の略だそうです。「仏教で、一番奥底にある地獄」とあります。仏教における八大地獄の一番奥底らしいです。なんかとてつもなく苦しいらしいです。ヤバい。「叫喚」に関してはそのまま泣いて喚くことの意味があります。一説によると「叫喚地獄」の略というものもあるそうです。これも八大地獄の一つのようです。八大地獄に関してめっちゃ詳細に解説してくれているサイトがありましたのでリンク貼っときます。
阿鼻叫喚は分かりやすいですね。誰もが知っている悲惨な状況をあらわす四字熟語です。アンチにはうってつけの言葉だと思います。多分これも阿部叫喚とか言われるんでしょうね。
なんか色々揚げ足を取ってきましたが、本当に安倍晋三首相で良かったと思います。阿部晋三首相だったらこんな風にアンチから散々言われていたかもしれないと思うと、さすがに何とも言えない気持ちになってきました。歴代最長政権となってもちろん色々問題も出てきていますし、新作コロネの問題もあります。アンチにもならず、信者にもならず、他の政治家や団体も同じような目でできるだけ公平に評価していきたいですね。