【雑記】第10回 アイドル楽曲大賞 投票候補曲紹介(インディーズ・地方部門)

 前回の記事では、メジャー部門の投票候補を紹介したが、今回の記事では「インディーズ・地方部門」に触れていく。メジャー部門では、秋元康 氏の手がけるグループから名曲がバンバン出まくるという、個人的には不測の事態だったが(元、秋元さんアンチだった為)、インディーズ・地方部門もなかなか面白いことになった。

5位:ハニートラップ / THE ORCHESTRA TOKYO

 インディーズ部門は、メジャーに比べるとグループ自体の移り変わりも激しいため、ポッととんでもない新興グループが生まれたりする。今年の注目株は、個人的には、THE ORCHESTRA TOKYO、situasion、fishbowl、そしてあともう一組(いったんここでは敢えて伏せておく)といった具合だと思う。

 さて、こちらの楽曲のコメントに戻るが、何といってもイントロの壮大なストリングスからジャジーなピアノが入り、ブラスまで加わるという豪華絢爛な演奏がこの曲の魅力だろう。色気のあるアルトの歌唱もとにかくツボ。メジャーの投票候補5位、「拝啓、貴方様」でも言ったが、とにかく歌謡ロックは堪らなく刺さるのだ。

4位:なんども… / Sway Emotions Slightly

 Sway Emotions Slightlyは、前回の楽曲大賞投票を終えた後に知ったグループ。「ファインダー」を一聴して、もうそれは衝撃だった。それから「Parade」、「スペースシャトル」も聴いたが、どれも轟音のギターが特徴的でとにかくカッコいい。

 この楽曲は、Sway Emotions Slightlyでは珍しくスローバラードであり、波のようにゆったりとうねるメロディが非常に心地良い。まずはイントロ、ゆったりとしたピアノから始まり、15秒のところでアコギとエレキの二重奏に面喰う。メンバー3人のボーカルは優しくも儚げで、ファルセットの美しさが歌唱スキルの高さを伺わせる。そして間奏、この唸りの利いたアルペジオが最高にかっこよくて、ここでオチてしまった。

 余談だが、この楽曲が収録されている「Open My Eyes」はエグいクオリティのEPなので、是非全曲通して聴いてみて欲しい。

3位:バランスブレイカー / 誰もシラナイ。

 こちらのグループが、先ほど敢えて伏せていた今年の注目株の一組。正直、THE ORCHESTRA TOKYO、situasion、fishbowlあたりは、たぶん誰もが注目しているはず。しかし個人的には、このグループがずば抜けてかっこいいと思う。

 最初のメロ(C?)がK-POP的EDMを思わせるのだが、そこからエレキギターが斬り込んできて、ロックナンバーにダイナミックな変貌を遂げる。その後A→B→B’と展開し、このB’(それじゃない まだ まだ~の箇所)で挟まるピアノが本当に良いアクセントになっている。ここでのメンバーの歌唱も艶やかで非常に良い。そこからゴリゴリに踊れるサビに一気に繋げる。この息もつかせぬ曲展開が、本当に神がかっている。初めて聴いたときの「なんだこれは!!」という衝撃は今でも鮮明に覚えているし、何度聴いても本当にワクワクする。因みに、直近で出した「ババイ」という曲も、予想させない曲展開でありながら終始踊り狂えるので最高にかっこいい。名古屋発のラウドロックアイドル、所謂”ラウドル”の界隈なので、楽曲派の界隈からは着目されにくいのが非常に惜しいところ。

2位:電光石火ちょうだい / notall

 notallの3か月連続配信リリース最後の曲。王道アイドル楽曲が多いグループだが、「水平線」でドラムのリズムやオルガンが非常に良かったり、「二度目のハツコイは存在した。」でめちゃくちゃかっこいい鍵盤ロックをやったり。時折、変化球を投げてきて中々油断できないグループなのだが、今回はフィロソフィーのダンス等を思わせるディスコナンバーを出してきた。

 「夜を楽しもう~」のソロパートが終わったところで、色気のあるベースが入って終始鳴り響いているのが最高に気持ち良い。タイトルにある「電光石火ちょうだい」という謎のフレーズが耳に残る。その後も「踊る角にゃ福が来るんだ いいよいいよ その勢いよ」等とにかく耳に残るフレーズが何度も出てくる。と思ったら、この楽曲を手掛けたzoppは、なんと「青春アミーゴ」や「抱いてセンニョリータ」等を手掛けたジャニーズファンの間では著名な人物。道理で引っかかるフレーズが多いわけで。もうこんなの、チートなのである。

 因みにアットジャムのアクトでは、15分間という少ない持ち時間の中で、いきなりグダグダの緩いMCをし始めて、そこから「あふれゴリラ」というとんでもないオフザケ曲をやって場をとっ散らかしたところからの「電光石火ちょうだい」という、曲のふり幅が激しすぎる今のnotallにしかできないライブをしてくれた。この落差と問答無用の楽しさは、notallでしか味わえないので、是非とも生で体感してみたい。

1位:トーキョー last number / 覚醒のアドット

 多分、今年、これを超える曲は出ないと思う。メジャーもインディーズもひっくるめてでも、この楽曲がぶっちぎりの1位。イントロからリズム隊の演奏、サビのバックで哀愁を漂わせるオルガン、ゆったりと優雅にうねるボーカルライン、間奏のギターソロを横から全部持っていくオルガンソロ、Cメロでのファルセット、妙に古臭い「今夜はメランコリーなレイディー 笑てくれよ冗談をベイビー」等のリリック。どれをとっても本当に素晴らしい。好きな要素が揃い過ぎている。

 とくにリリックの音ハメが素晴らしく、ボーカルが跳ねるところでちゃんとメロディが跳ねているのが本当に心地良い。かと言って歌詞の意味は難解なものではなく、ダンスあるいはアイドルに夢を託して上京したはいいものの、なかなかうまくいかず葛藤する姿が、オシャレにエモーショナルに描かれていて、メロディだけでなく歌詞も名曲中の名曲と言わざるを得ない抜け目の無さ。まさに傑作。

+α:もしかしたら投票するかもしれない楽曲たち

青のダリア / situasion

 イントロの特徴的なフレーズがもうカッコ良すぎるし、それがずっとメロディの軸になっているのがとんでもなくツボ。

我儘横丁 / クレイビット

 私は歌謡ロック全般がツボなのだが、クレイビットは歌謡ロックそのものがコンセプトになっており、もう出す曲出す曲すべてがツボ。デビュー曲の「Tap!Tap!Tap!」も、「アフターフィーバー」もすべてがヤバい。

BABYLONIA / Task have Fun

限界無限大ケン% / クマリデパート

 ここら辺はもちろん大好きなのだが、まあ私が入れなくてもみんな入れそう、というのはある(笑)。因みにクマリデパートだと、「Furniture Girl」が新境地といったところでなかなか面白いサウンドをしている。

 なので私がクマリデパートの曲で投票するなら、こちらの方にするかもしれない。

 続いては、第9回ではやっていなかった「アルバム部門」の投票候補を紹介していく。

 

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