ひとりぼっちの夜のこころの埋め方
本を読む、電話をする、YouTubeを見る、音楽を聴く、ツイッターで誰かと話す…色々な「寂しさの埋め方」があると思います。
わたしのばあいは「物語を書く」でした。
四季の同期であり、最近相棒のように仕事を共にしている星潤から「オリジナルミュージカルを作ろう」という話をもらい、これからの展望を聞き、わたしは大賛成をしました。
子どもにも大人にも感じるものがある、親子で観たくなるようなミュージカル。わたしの大好きな舞台です。
…さて。何を書こう。
悶々とプロットを考え、色々なタイトルを考えました。「テーマ」が必要だ。このミュージカルで自分が何を感じたいか。それが「ばかばかしい」でもいい。「世の中うそだらけ!」でもいいけれど、第一歩はやっぱりじんわりと優しく観た人みんなに沁み渡るような、わたしが演劇でやりたいど真ん中のこと…。
そうして出てきたテーマが「だれもひとりぼっちにしない」でした。
ぜったいこれがいい、と星くんに打ち出し、劇場を決めるとほぼ同時にプロットをあげました。
ひとりぼっちの女の子ヨシュカと、さかさまの町。
(ヨシュカ役:井上万葉)
夜の星あかり、毎日の空の色、月の満ち欠け…わたしたちの目から見て当たり前のことを、実は誰かが作っていたら?動かしていたら?わたしたちの世界のちょうど真逆にある、裏っかわの…そんな「さかさまの町」にヨシュカが導かれる物語を書きました。
(イラスト・デザイン:のどか)
将来こどもたちに観てもらえることや、学生が演じることを想定して…。観るお客さんに何かを感じてもらうのは勿論ですが、演じることで…この台詞たちを自分の言葉にすることで≪少しでも心が優しくなれるように≫…と祈りを込めて書いた台本です。
12月に行われるS&Dの本公演までの稽古期間でそれを実感できたらいいな…そこが勝負だな、と思っております。楽しみです。
(振付:落合悠介 /学生たちへの振付稽古)
夏の公演はトライアウト公演でしたが、多くのお客様に観ていただけてとても大事な公演になりました。全員が「本当にやってよかった!」と実感できる舞台でした。
公演後のツイッターでも #ひとりぼっちの夜 と検索すると「今日のビロォド良い仕事してる!」と青空の写真や夕暮れの写真をアップしている方がいたり、台風の日も「タオフーなんか嫌なことあったのかなあ」と優しいツイートをしている人がいたり…。
日常に溶け込んでくれる良い登場人物たちを描けたのかもなあと嬉しくなります。定期的にハッシュタグを見に行ってしまうほどには。笑
この作品を、もっともっと多くの方に観ていただきたいし、演じて…体験・体感していただきたいです!そのために来年はあちらこちらへと奔走することになりそうです!
「こんな時はひと夜のことを思い出せばいいんだ、」と孤独な夜の「寂しさの埋め方」のひとつになれたら…そう思います。小さな子どもたちから大きな大人たちまで!みんなみんな!
…あなたのところにシルベが行くかもよ?
学生たちで演じる「ひとりぼっちの夜」は12月15日、世田谷区民会館にて上演されます!我々大人も全力で取り組んでいます。9月から本格的に稽古が始まるー!あわわ!
良かったら観に来てみてください。そして「あれ、うちの地域でもやれるんじゃない?」などのお声も心からお待ちしております!
作・演出・カミユ役:ひらたあや でした!
(シルベ役:宮野怜雄奈/リイ役:阿部美月)