ひらたあや(ミュージカル作家)

劇作家。脚本と演出などをします。最近は主にS&D Projectにてミュージカルの脚本を執筆し、演出しています。

ひらたあや(ミュージカル作家)

劇作家。脚本と演出などをします。最近は主にS&D Projectにてミュージカルの脚本を執筆し、演出しています。

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最近の記事

こちとら何度も失敗してんだ。 - ばいきんまんとえほんのルルン

今年のアンパンマンはどうやら随分良いらしいぞ…。と噂を聞きつけ、観てきました。 それいけ!アンパンマン 『ばいきんまんとえほんのルルン』 兎に角良かった。すごく面白かったです。 やっぱり子ども向け映画は「大人たちの本気さ」が大人になったからこそ感じ取れるので、大人になってから観ると色々なことが学べますね…。しかもアンパンマンという巨大なコンテンツですから、そりゃあもう本気も本気です。 子どもが飽きないギリギリの尺に詰め込まれた今回のメインテーマは 「諦めないこと」 どん

    • 旅路 - 『脚本家先生の憂鬱』・『ひとりぼっちの夜』

      シアター風姿花伝にて 2024年7月25日 ひらた生誕企画『脚本家先生の憂鬱』 2024年7月27日・28日 リーディング公演『ひとりぼっちの夜』 を上演しました。 リーディングはキルタ稽古中の5月末から稽古が始まり、約2ヶ月間の毎週末に4組の稽古を土曜の昼/夜・日曜の昼/夜で4まわしするというかなり(私が)ハードな稽古です。 今年からは演出助手に参加してもらい、事務的な部分やミザンス、発声、音出し、代役などをお任せできたのがかなり有難かったです。(コミュニケーションを

      • 誰かの意志に気付くこと −『キルタとぶきみなアパート』終演報告

        S&D Project オリジナルミュージカル第4弾 『キルタとぶきみなアパート』がうまれました。 足を運んでくださった皆さま、応援してくださった皆さま、これから配信を見ようとしてくださってる皆さまも!ありがとうございました。 いつもいつも、私の脳みそにしかなかったものが役者を通して多くの人に一気に共有されていく様を見て不思議な気持ちになります。本当にありがたいことです。 配信あります! まずはじめに!なんやかんやと長い文章になりそうなので、配信の宣伝を。 配信視聴期

        • ようこそ、ぶきみなアパートへ。 - キルタとぶきみなアパート

          年明けからすっかりnoteをサボってしまいました。 すっかり春も終盤ですが、私は必死こいて春を準備しています。 キルタとぶきみなアパート1月の記事で台本の話をちらっとしておりましたが、いよいよ物語が稽古場にやってきました。続々とステージングが付き、役者たちも製作陣も頭と体をフルに稼働させています。 史実や原作もない初めましての物語と対峙し、読み取り、体現する。 協力してくれている全員に頭が上がりません。最大級のラブを毎度感じます。 全部が私の頭の中にしかなかったものがどん

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        • 感想ノート
          11本
        • えんげき
          66本
        • ひびのあわ
          36本

        記事

          2024、どんどん未来へ。

          あけまして、 2024年が始まって、気づけば9日も経っているのですね。 こりゃあまた一瞬で夏になって「もうあと半分じゃん」とか言ってる内に今年も終わってしまうのではないでしょうか。 そんな風に先を予想できてしまうから、年を重ねれば重ねるほど一年って早いのかもしれないですよね。子どもの頃は今日と明日のことだけを考えていたなあ。でもそう入られたのは、今思えば大人たちが先を見て行動してくれてたからなんですよね。 さて。 一年のはじまりから…いやなんなら去年から、ずっと辛いことが

          ネタバレ有!『君たちはどう生きるか』を観たオタクの早口

          なるべく何も知らずに見た方がいいですよ!鳥と集合体が苦手でないならば、ぜひ観てください! まずは過去のどれよりも前向きな作品だと思った。歳を重ねて経歴を重ねた上でこの前向きさを描けるんだという人生の希望を得たような気もするし、そんな大それたものではなくてただただ面白いものを観られて興奮しているだけのような気もする。 トキメキが止まらないので、とりあえず初日に観て感じたことを興奮のままに書き殴っておくことにします。 どう生きるか、という問いは生きる意志があるからこそのものだ

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          誰にでも人生があるらしい。

          人それぞれに人生があるんだなあ、って、当たり前のことを考えています。 ミュージカル『おどり村と妖の森』の上演から1週間が経ち、役者たちがあれこれと振り返りを投稿してくれているのを見ていると、それぞれがそれぞれの環境や現状にあって、それに伴って考えてたことがあって。そんなタイミングで、オファーやオーディションがあり、出会ったんだなあ…。と感じました。 「袖振り会うも多生の縁」と言いますが、本当にそうなのかもと思ったり。 前世…というか、それぞれの輪廻のなかで何かの因縁があり

          誰にでも人生があるらしい。

          ミュージカル『おどり村と妖の森』

          ありがとうございました! 私にとっても、S&D Projectにとっても3本目となるオリジナルミュージカル『おどり村と妖の森』のトライアウト公演が終演いたしました。 お運びくださった皆様、心を寄せてくださった皆様、協力してくれた方々や協力し損ねてしまった人たちもみんな丸ごと、ありがとうございました。 なんと三公演全て満員御礼!でございました!本当に嬉しい!! 後ほど編集が終わり次第 配信もございますので、観られなかった方いらっしゃいましたらぜひそちらで。どんな映像になっ

          ミュージカル『おどり村と妖の森』

          妖怪?いいえ、妖です。 - おど森稽古日報.6

          うまいこと入って最後繋げる、みたいな脳みそがなくなってきました。そもそもそれをできてたかは置いておいて。 妖ってなんだ? 今回の新作ミュージカル『おどり村と妖の森』にはタイトルにもある通り「妖」が出てきます。妖、と言われると誰しも「妖怪ね」と思うでしょうし、実は作中でも妖怪だったことにされています。 しかし、この妖というやつは小豆を洗ったり枕をひっくり返したりはしません。妖怪というのは人間の「そんなわけない」が作り出したものであって、案外人間の現実や生活に根付いたものが

          妖怪?いいえ、妖です。 - おど森稽古日報.6

          台本を読む、表現する。 - おど森稽古日報.5

          好きな作家の戯曲を集めるのが趣味の一つです。 時折古書屋をめぐっては別役実の戯曲がないか探し回り、持っていない作品があったら大喜びして買う。最近はメルカリでも目を光らせています。 他にも『悲劇喜劇』という演劇雑誌を買ったり、岸田國士戯曲賞のノミネート作品を読んだり。大好きなケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲も、買わずにはいられないものもあります。 そんなわけで、「台本を読む」ということが趣味でもあります。 いつからか台本が、戯曲が大好きになっていました。 稽古日報 「台

          台本を読む、表現する。 - おど森稽古日報.5

          まだ誰も知らない村、五十鈴村 - おど森稽古日報.4

          五十鈴村、という名前の村を作りました。 いずれ おどり祭りの盛んな土地としてひっそり名が知れてゆく村です。名が知れてゆく…といっても、お祭りを調べていたりお祭りを巡っているごく一部のマニアの間だけで。 架空の町を作るのが大好きです。 ミュージカル作品は今のところ全て架空の町です。 『ひとりぼっちの夜』の舞台は 巡瑠璃町(めぐるりちょう) 『ひみつの箱には、』の舞台は 舟出町(ふないでちょう) まるでゆめのようだ では 『おしまい おしまい』の空山川一家が住んでいる星川町五

          まだ誰も知らない村、五十鈴村 - おど森稽古日報.4

          今ここに在る貴方にありがとう - おど森稽古日報.3

          国産ミュージカルを作ろう。 それは大それた話ではなく、「私が私である意味」を考えた結果でした。 私がミュージカルを作る意味。私が作品を書く意味。 私の中に流れるルーツ。 愛媛の田舎町で生まれ、夏と秋のお祭りでおどり、田舎が息苦しくて夢を追いかけ都会に出て、それからずっと走り続けている ひらたあや という名前の私が作れるもの。とんでもない経験もしていない平々凡々な私が。 「今、ここに在る意味」 稽古日報 徐々に音楽ができてきて、いつもよりも明確に樹原音楽の繋がりを感じられ

          今ここに在る貴方にありがとう - おど森稽古日報.3

          踊りが生まれる稽古場で - おど森稽古日報.2

          あまりにへんてこりんな稽古でした。 稽古日報 作品タイトルを見てもらえれば分かる通りに、この作品は「踊り」がテーマになっているのですが、別に「超うまいダンスをかっこいい構成で見せたい!」わけではなく。 先日のnoteタイトルにもしたように「誰でも踊れる」を最終目標に据えています。ご存知の方はまだまだ少ないと思いますが、我々の最終目標とは「学生や一般の方、アマチュアの方にも演じてもらえるミュージカル」です。 演じて感じるミュージカル…とでも言いましょうか。 観るだけの「遠

          踊りが生まれる稽古場で - おど森稽古日報.2

          誰でも踊れるミュージカルを - おど森稽古日報.1

          嬉しい発見がありました。 新作ミュージカル『おどり村と妖の森』、まだ振付はこれからなのですが今回芝居と振りがかなり寄り添っている作品なので、芝居シーンでも「ちょっと踊る」みたいな部分がポロポロあるんですね。 わたしが何も言わずとも役者のみんながそれを読み取って、今は「それっぽい」動きをしてくれているのですが… やっぱりみんな日本のおどりができる! 稽古日報 ミュージカルの俳優たちですし、ジャズダンスやバレエでも同じようにできるのかもしれませんが。笑 でもこれって、きっ

          誰でも踊れるミュージカルを - おど森稽古日報.1

          新作ミュージカル『おどり村と妖の森』

          日本で上演されているミュージカルはほとんどが翻訳劇です。ブロードウェイやウエストエンドで成功した作品が日本で観られるのは素晴らしいことです。 そんななか私は日本で、日本らしいミュージカルを作ることを目標としています。華やかさはないかもしれないけれど、なぜだか心にピッタリくる…そんな作品を目指しています。 第1作目の『ひとりぼっちの夜』は全ての世界にある〈さかさまの町〉をモチーフにしながらも、日本の田舎町で、夏祭りの日に起こる物語です。 第2作目の『ひみつの箱には、』は周

          新作ミュージカル『おどり村と妖の森』

          さよならが集まる駅

          稽古の帰り、22時前くらい。 池袋や新宿などの大きな駅から帰ろうとすると、たくさんの人たちがサヨウナラをしている。 人がもちもちしていて歩きにくいったらないけど、そのもちもちが「また今度ね」とか「今日は楽しかった」とかが接着剤みたいになって、人と人とをくっつけていると思うとなんだか可愛らしくも思える。 特に金曜や土曜の夜だと尚更名残惜しそうな空気がとっぷりと狭苦しい改札前に沈澱していて、ぬかるみを歩く時みたいに歩きづらい。 私も学生たちと「お疲れ様」と言い合って、それぞ