
誰でも踊れるミュージカルを - おど森稽古日報.1
嬉しい発見がありました。
新作ミュージカル『おどり村と妖の森』、まだ振付はこれからなのですが今回芝居と振りがかなり寄り添っている作品なので、芝居シーンでも「ちょっと踊る」みたいな部分がポロポロあるんですね。
わたしが何も言わずとも役者のみんながそれを読み取って、今は「それっぽい」動きをしてくれているのですが…
やっぱりみんな日本のおどりができる!
稽古日報

ミュージカルの俳優たちですし、ジャズダンスやバレエでも同じようにできるのかもしれませんが。笑
でもこれって、きっとダンスレッスンしてない人でもできるんじゃないでしょうか?どうなんだろう?検証したい!そういうWSをやりたくなってきました。
「ここはなんか踊ってるとこです」って投げると、なんとなく周りを見て似たような振りで、足を鳴らし手をひらひらさせて踊り出すみんなはどこか楽しそうで…。ヘンテコな動きをして笑わせたり、踊りを止めずにワハハと笑ったり、みんなで顔を見合わせたり…。わたしは心の中で「そう!それそれ!!」と感動していました。
「ここから振りがついて、決まった踊りをやることになるけど、今の適当に踊ってなんか楽しい気持ちを忘れないでほしい」なんてことも妖のみんなに言いました。
ダンスを習ったことがない人も、子どもでもお年寄りでも、きっとこれができるんじゃないか。日本人じゃなくても、ずっと日本に住んでいればもれなくできると思う。
なんなら踊りの雰囲気は違えど海外でもこういうのあるのかもしれない。
「ブラックの方とはリズム感が違うよ、あっちの人は日常的に歌って踊るんだから」とマイケル・ジャクソンとか好きな人が言いますけど、「いやいやワイらもですがな!」とわたしは言いたい。
そしてなんとなく「ダサい」気がしている日本のそれらを魅力的に描きたい!
トライアウトの稽古は、役者の思い切りや芝居、生まれ出たキャラクタからすごくインスピレーションを貰います。そうか、こういうことがやりたいのか。と自分でも改めて気付くことが多々あります。
ヒコとホンマ

思い切りが良いといえば今回の作品ではヒコ!
太陽みたいなヒコが稽古場を、妖の森を駆け回って物語は進んでいきます。この子がいないとこの物語は進まないのです!

天真爛漫でドジばっかり、でもみんなを明るくする。セーラームーンでいえば月野うさぎですね。 だけどセーラー戦士を担うのはウズメなのです。……何この例え。笑
凛ちゃんもヒコ同様思い切りよく挑んでくれていて、コロコロと鳴る鈴のようで見ていて面白いです。二幕の繊細なシーンが楽しみだなあ…!
そしてそんなヒコの飼っているねずみのホンマ。

こちらも思い切り良く、最初の本読みからホンマやん!!と感動しちゃいました。
ぱっと見スラリと背が高くかっこいい頼経さんがお茶目な動きでジタバタしてくれるのが超ラブリー。
そしてヒコを見る「眼差し」が優しくあったかくて心がポカポカになります。

自分が文字で書いていた台詞たちはもちろん、台詞のない場面や行間で、「ああ、そんな顔をするんだ」と役者たちの芝居に逆に教えてもらえる。その隙間を楽しむのが役者の楽しさでもあるんじゃないかなあと思ったりもします。
「心が止まっている」時以外、心が止まっていることはないのです。
これはアマチュアにはなかなか難しい技のようで、芝居の中で心を流していくのには経験に基づいた勇気や思い切りが必要なのだろうなあ、と思います。
その究極系が劇団四季の教えである「居て、捨てて、語る」なんですよね。
流れている心を無意識下まで落とし込み、ただそこに居る。何もしない。
さあ、話題が散らばってまいりましたので今日はこの辺にします。
新曲の歌唱動画が上がりました!
新作の曲が初公開です!『舞』という、みんなで踊ることへの歓びを歌う曲です。
「わたしのものがわたしだけのものじゃなくなってゆく」
最初に書いたように、踊りをわいわいと踊り、声を合わせて歌う時の、なんだか自分の手足や声がみんなのものと合わさっていくような感覚。ひとつになっていく感覚。
わたしのプレイヤーとしての感覚、それにアマチュアのみんなに教えてきた8年間で感じたミュージカルをする時に得られるらしい歓び。言葉にできないそれらを、言葉にしてみました。ぜひ聴いてください。
公演情報

ミュージカル「おどり村と妖の森」
◎公演日程
6月17日(土) 18:30
6月18日(日) 12:30 / 17:00
開場は各開演30分前
◎劇場 武蔵野芸能劇場 小劇場
〒180-0006 武蔵野市中町1丁目15番10号
JR三鷹駅 北口より徒歩1分
◎チケット(全席指定)絶賛発売中〜!
・通常チケット
S席6,000円 / A席4,800円
・応援チケット
S・A席 共に+1,000円(ポストカード付)
・もっと応援チケット
SS席(パンフレット・出演者サイン入りポストカード付)9,000円
チケット
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71790&
配信
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71961&
◎スタッフ
作・演出:ひらたあや
作曲:樹原孝之介
振付:落合佑介
監修:星潤
◎あらすじ
とある村に 神を宿す巫女の血を引く娘が生まれる。15歳のお祭りの日、その体に神を宿すべく舞の稽古を重ね…遂にその年がやってきた。彼女は祭り当日〈妖の森〉へ行き、神を宿す儀式をしなくてはならない。踏み入るのを禁じられ、妖が住むといわれている森で…。
巫女の娘・ウズメは舞の稽古で出会った天真爛漫な少女・ヒコと、村はずれに住む少年・イズナと意気投合し、彼らは揃って〈妖の森〉へ足を踏み入れる……。
人間も、妖も、神さまだって、みんな歌って踊りだす。
日本の歌と踊りのはじまりを考える、国産ファンタジー・ミュージカル。
いいなと思ったら応援しよう!
