映画『人生フルーツ』観ました
ツグモの将来の夢は、
長野の小高い丘に北欧風の一軒家を建て、
門にはバラのアーチ、お庭には季節のフルーツを植えて、
ゆっくりとした時間を過ごし、生きること。
映画『人生フルーツ』は、まさにそんな私の夢を詰め込んだような作品だった。
建築家の津端修一さんが愛知のニュータウンに立てた平屋で、
妻の英子さんと、庭いっぱいに季節の果実や野菜を育て、楽しみながら
ゆっくりたっぷり生きる姿が描かれている。
大学に入ってから、幸せとはなんだろう…と考えることが増えた。
ありがたいことに高校までは、どんな自分でもいられる環境だったので、幸せについて考えたことがあまりなかった。
ところが、大学入学以降、「うらやましがられる自分」でいることを求められるようになった。
恋人・友人は写真映えやステータスで選抜され、自身は「いいね」と思われる仕事に就き、「いいね」と思われる休日を過ごすことが幸せだと信じて疑わない人が多かった。
それって本当に幸せなんだろうか。
周りから「いいね」「幸せそうだね」と言われる幸せって、評価を自分の外にゆだねているから、
自分自身が幸せなわけではないんじゃないかな。
他人の評価に自分を合わせようと常に気を張り続ける人生、振り返っても何もないんじゃないだろうか。
映画の中で津端夫妻は、2人きりの世界をとても大切にしていた。
お互い干渉することなく、着飾ることなく、ただそばにいるだけでいい関係。
2人で1日1日、時間を重ねるように、ためるように、生きる。
幸せってこういうことだよな、と改めて思った。
映画のパンフレットの中で、津端夫妻の
「僕たちはミツバチさんだから、今は冬眠中」
「暖かくなったら動き出します」
という言葉に、
伏原監督が「この人たちは、本当に妖精なのかもと思った…」とあった。(パンフレットp.18)
私も妖精になりたい。
無機質な街で消費され続ける世の中だけど、
時を重ねるごとに美しく、豊かに生きたいと思いました。
おしまい🍑
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