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映画『チョコレートな人々』観ました

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以前ある会社で障害者雇用に関わっていたことがある。

表面的にはわりと評価されてた会社だったけど、会社のブランド力アップのために
障害者雇用をはじめ、ダイバーシティが利用されている感じがしてモヤモヤしていたので、
映画を観ることに。

◯年前に私が関わっていた頃、
身体障害のある人は比較的多くの会社から引っぱりだこで、

いかに知的・精神障害のある方を雇用し、
障害者の法定雇用率を満たすかが課題だった。

でも、既存の制度や仕事に適合できる人を各会社で取り合いしていて、
働きたくても働けない人にアプローチしていら職場はあまりなかった。(きっと今も)

映画『チョコレートな人々』は、
程度によらず心身に障害がある人、セクシャルマイノリティ、シングルペアレント(主にマザー)など、
多様な人々が働く会社「久遠チョコレート」を追ったドキュメンタリー。

「人を仕事に合わせる」ではなく
「仕事を人に合わせる」をモットーに、
何度もぶつかりながら雇用と生産性の両立を目指す代表の夏目さんと従業員の姿が映っている。

素敵だったシーンはいくつもあるけど、
夏目さんの姿勢に従業員へのリスペクトや、
社会への怒りが感じられてとても良かった。

他ブランドがひしめき合うデパートにて、有名ショコラティエたちに挨拶まわりしていた夏目さんが、
「もうペコペコするのやめた!これを作ってるみんながペコペコすることになる」
と言いきっていたのを見て、
外部から見た良い社長ではなく、従業員にとって良い社長でいようとしているのがよく分かったし

「どうせ軽度障害しか雇っていないんでしょ」
という声に憤怒し、じゅうどしょうがいの方々が働きやすいよう試行錯誤する場面を見て、
学校や職場、すべてがこうなればいいのに、と思った。

そして何より、夏目さんが過去を悔やむシーンがあり、それが本当に良かった。
自分は昔、障害がある同級生をいじめてしまい、とても後悔している、と、

こういう映画やテレビって
人のキレイな部分しか取り上げないから、
こんな動機を活力にすることだってあっていいんだよね、と救われた気分だった。

私自身、人を傷つけて後悔してることがあって、だからこそ今、人の役に立てる人間になりたいと思っているから。
(それでも相手の傷は一生癒えないのだけど)

単純なので「私も久遠チョコレートに就職したい!」と思ったが、
久遠チョコレートだけが事業を拡大すれば良いという問題じゃないのだ。

多くの人や会社が夏目イズムを受け継ぎ、
障害者雇用に限らず日本の雇用制度にひそむいろんな差別意識を除いていくべきなのだ。

あの行動力は真似できないかもしれないけれど、問題意識を持っているからには貢献したいな。

たくさん考えるきっかけが散りばめられた映画だったけど、終始明るく穏やかに話が進んでいたので
とても気持ちのよい映画初めとなりました☺️

おしまい🍑

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