音楽でお喋りしよう~ヨエコ・musicを聴いて~
今日、私の大好きなヨエコさんの新曲が公開された。
その感想や、私の考えたことを書こうと思う。
表現の手段は、言葉だけじゃないよ
まず、前奏などの中にある、チャイムの音が綺麗。カーン、コーン、みたいな。
中学で、吹奏楽をやっていたときの記憶がよみがえった。私はパーカッションだった。チャイムもやったことがあるけど、神聖でいてスカッとするような、あの綺麗な音を思い出した。
主人公は、「ピエロ」の女性のようだ。
「笑われることが仕事」としながら、「みじめ」「哀れ」といった思いもどこかに抱えている様子。「涙腺は錆びたまま」から、自分でも本当の気持ちが分からなくなっているか、スルーせざるをえないような感じになっているのかなと思う。耐えて耐えて、もうそれが当たり前になった感じもする。
2番では、「私は荷物」とも言っている。「うまくできない」、「ごめんなさい」って、自分を責めて苦しくなっている様子が伝わる。
私の中で、いちばん心に残った歌詞だ。
1番の歌詞から考えたことと言っていることが違くなるかもしれないが、ピエロには、やっぱり本当の気持ちがちゃんとあると思う。それを、うまく表現できなかったり、口に出してさらけだすことが出来ないんだと思う。
私も、特にマイナスの感情を人に伝えるのが苦手だ。「怒られるかも」「嫌われるかも」「喧嘩になるかも」、そう考えて、怖くて伝えられない。
伝えられずに残るモヤモヤを少しでも解消したくて、ノートに言葉を閉じ込めたり。色々思い当たる節があるなと思った。
でも、それらを放っておいて、自分の中にだけ閉じ込めておいて、本当にいいの?苦しくないの?
そういう問いかけに思えて、心に残ったんだと思う。
まとめると、ピエロは、本当の気持ちを表現できず、おどけて笑い者になっている。でもどこかで「そのままでいいのか?」という疑問を抱えているように思えた。
MVのなかでは、うさぎが登場する。この子は、ピエロに寄り添いながらも鼓舞している存在だと思った。「叫べ!走れ!」と、ピエロを奮い立たせている。「一緒に踊ろう!歌おう!」って、ワクワクすることに誘ってくれているような感じもした。何よりこのうさぎ、可愛い。
ピエロとうさぎは、一緒に音楽にあわせて踊り出す。「シャラランラン」、「タントンタン」と、可愛らしくて楽しい言葉にあわせて、手足を動かす。
この時の彼らは、とてもイキイキしているように見える。
そして、音楽自体もとってもノリノリで、こちらも歌い出したくなるような、踊りたくなるような楽しさを感じた。
終盤で、ピエロは、ピエロをやめる。そして、踊ったり絵を描いたりして、自分を表現している。やっぱり彼女はイキイキしている。最後には笑顔も見せている。
ヨエコさんと、色んな人のコーラスもとっても綺麗で、快活で、聴いていてとても楽しかった。
全体をとおして、「表現の手段は、言葉だけじゃないよ」というメッセージを私は感じた。
言葉での表現が苦手な人って、たくさんいると思う。私もその一人だ。
伝えられなくて、もどかしくて、苦しい・悔しい思いをすることも、たくさんあると思う。
でも、それを表現するのは、言葉じゃなくてもいいんだ。ちゃんと表現して、大丈夫なんだ。そういうメッセージを、私は受け取った。
可愛くて楽しくて、そして勇気をくれる曲だと思った。
もう一曲ちょこっと紹介!倉橋ヨエコ「ピエロ」
ピエロつながりで、ヨエコさんの前の名義、倉橋ヨエコの「ピエロ」という曲も貼ってみる。
優しくて、どこか寂しい、ピエロ。
好きな人を笑わせるためなら、喜ばせるためなら、何でもするわ。それに私の全てをかけてもいいわ。
こういったストーリーが見えてくる。
「さよなら夏休み」という歌詞もあり、夏の終わり、切ないあの雰囲気も感じられる曲だと思う。
よかったら、聴いてみてください。