【小説】雨の七夕
今日は七夕ね
でも、雨降りね。織り姫と彦星、会えないのかしら
残念ね
そうだなぁ
今年は、梅雨が長い気がするなぁ
最近は、ジメジメしていて心も暗くなるなぁ
好きな人と、自由に会えないことほど、悲しいことはないわ
寂しくてしょうがなくて、のたうち回りたいほど苦しいでしょうね
私はそうだったから
僕たちも、今こうして一緒にいられているけど
離れて暮らしていたときは辛かったなぁ
下手すりゃ1年に一度しか会えなかったもんなぁ
織り姫と彦星みたいだって、言った日もあったなぁ
そうね。その分、会えたときは本当に嬉しかったわ
でも、また離れるとき、痛いくらい辛かった
いま、こうして一緒になれて、私、本当に幸せだわ
あなた、ありがとう
こちらこそ、ありがとう
君と一緒にいられて、僕も本当に幸せだよ
・・・あ、天気予報
あら、こっちは雨だけど、あっちの地方は晴れているのね
本当だ
ということはもしかしたら
織り姫と彦星も、会えるかもしれないなぁ
よかったなぁ
そうね
雨が降っていても、世界のどこかは晴れているのね
それならば、きっと、会えるわね
よかったわぁ
そうだなぁ
幸せな時間を過ごせたらいいなぁ
そうね
たくさん笑って過ごせたら嬉しいわね
初めて企画に参加させていただきました。
ありがとうございます。