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No.26 夢から覚めたくないっちゅーの【俄か流 音楽のすヽめ】
俄か流 音楽のすヽめ
沖縄在住のアラサーサラリーマンが自分の人生を振り返って、心に残った音楽を楽曲単位で紹介していこうと思います。
楽器も出来なければ、楽譜も読めませんし、音楽理論もちんぷんかんぷんです。しかも、特定のジャンルに精通しているわけでもなく、広く、そして浅く色々な音楽を聴くいわゆる「俄か音楽ファン」です。
ただ、昔から音楽を聴くことが好きで、私の日常は音楽と共にあると思います。
思い入れがある楽曲を紹介して、誰かと共鳴できれば嬉しいです。
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親に厳しく育てられていたこともあって、高校生の頃までは夜出歩いて遊ぶという経験をほとんどしてこなかった。
その反動か、大学生の頃はとにかく夜中遊びまくった。
17時から25時くらいまでの時間のほとんどを人生初のアルバイトに捧げていたため、終わった後は夜が明けるまで大学の友だち誰かしらと遊んでいた。
遊びといっても、北部まで意味もなくドライブしたり、心霊スポットへ行ったり、友だちの家でダラダラ過ごしたりと他愛もないもので、若いなりのお金のない過ごし方ってところだ。
その中でも今振り返って若いなって思うのは、夜間でも解放されていた大学の駐車場に集まり、明るくなるまでひたすらおしゃべりをすること。
近況報告することなど無いほど常に一緒にいたのだが、話題につきることはなく、ただ延々と話し続けるということをよくやっていたのだ。
僕が記憶力が無いだけなのか、何の話をしていたか全く思い出せないが、何となく楽しくていつもそんなことをしていたのだろう。
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グルーヴという音楽用語がある。
それは、ジャズやファンクなどのブラックミュージックなどで用いられる音楽や演奏に関する表現方法のひとつである。
感覚で語られる事が多く定義づけが難しいところだが、リズムを対象に「ノリ」を表す概念であると思って差し支えないだろう。
要するに、グルーヴとは音楽を聴いて身体を動かしたくなるような感覚のことだ。
思うに、会話にもグルーヴが存在すると思う。
抑揚をつけずに会話をする事は困難だ。
伝えるためにイントネーションや話すリズムが一定ではならない。
抑揚をつけることで、僕らは意識せずともお互いが不快にならないよう会話のラリーを続けることができるのだと思う。
会話を演奏と捉えるのであれば、取り留めないような会話はいわばジャズバンドのセッションであり、ゆえに、会話にはグルーヴが生まれることもあるのだと思う。
もしかしたら僕は、友だちとの会話に気持ちのいいグルーヴを感じていて、それを求め、繰り返し繰り返し集まってはおしゃべりに興じていたのではないだろうか。
とにかく、あの頃明け方まで他愛もない話を続けていた時間が僕は好きだった。
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ーイェ〜こんな感じこんな感じとか言って、ところで今何時?
まじで?「いいとも」始まんじゃん?
つーか俺たちマジ馬鹿なんじゃん?
RHYMESTERの『ブラックファスト・クラブ』はクラブで一頻り遊んだ後、明け方飲み直しに入ったファミレスでずっと時間を過ごすという内容の曲だ。
そういう意図で作られたのかは定かではないが、僕はこの曲を聴くと、そのような、もう少し遊び続けていたい、もう少しおしゃべりを続けていたいという気持ちを共感する事ができるのだ。
こういった感覚は、僕だけでは無いんだなということに嬉しささえおぼえる。
ー来た時は確か普通メニューからモーニングからまた普通メニュー
店員も客も総入れ替え済み やったネ!っつーかもう帰れっつーに
最近では昔に比べ体力も落ち、夜なにをするにしても翌日の仕事が頭をよぎる。
まだまだ29歳、されど29歳。
友だちたちにもポツポツと家庭ができ始め、身の回りの状況が少しづつ変わってきているこの年代。
何か口実や名目がないと、なかなか集まれないのも、寂しいところではあるがそれが現実なのだ。
睡眠を削ってまで行うおしゃべりのセッションは、疲れた体とは裏腹に、もっとほしい!という気持ちが湧いてきて、さながらそれはドラッグのようである。
まだまだ引き返せる、、、今のうちだけ、、、
そう思いつつ、もうしばらくはこの身体におしゃべりドラッグを摂取していきたいものである。