キャラ弁を作る親になるとは。
わたしはキャラ弁というものが苦手だった。
ベタベタ触るし、美味しそうに思えなくて。
やりすぎじゃない?って思っていた。
いや、いまも思っている節はある。
夫の仕事の都合で、子どもが年中の途中ではあるが転園することになった。
転園前のこども園は完全給食で、遠足などの特別なときだけはお弁当だった。
それでも新型コロナウイルスの影響で、2回ほどお弁当を作ったのみ。
しかもそのうち1回はおにぎりという園の指定があった。
転園後の幼稚園は、週5日のうち4日がお弁当。
残りの1日は午前保育のため、自宅で昼食を摂る。
そんな幼稚園がいまでも実在するんだと驚いた。
そんなわけで、週に4日お弁当を作る親になったのだ。
まず、お弁当を作るにあたって自分に課題を出した。
・お弁当作りを楽しむこと
・彩りを考えること
・子どもの好きなものを入れること
この3つを自らに課したのである。
朝自宅で作ってから幼稚園で食べるまでおよそ5時間。
衛生面にはかなり気を遣う。
しっかり火を通す、冷めてから入れる、素手でベタベタ触らない。
これお弁当の三原則。
前日までにどんなお弁当を作ろうかなと下調べをする。
わたしの力量でもなんとかなりそうなキャラ弁を画像で見て、スクショしておく。
翌朝に見て、あぁこれを作るんだった……とまだ回らない頭で思索する。
これがワンセット。
うちの子はわりと少食なので、ギュッと握ったご飯は多いようだ。
多すぎるお弁当は食べるのに時間がかかるので、遊びにも影響が出るらしい。
そんなことに気をつけながら、楽しんで毎日お弁当を作っている。
完成したら写真を撮り、Instagramにアップする。
お弁当作りをもっと楽しいものにするために、わたしと子どもでその時間を共有するために、少しだけかわいいお弁当を作りたい。
そう思ったのが始まりだった。
いつもは作ったおかずをただ詰めるだけ。
でも、もう少し凝ったものを作ってみたい!と思い、少しだけ早起きすることにした。
初めてかわいいお弁当を作った日には、子どもが嬉しそうに幼稚園の話をした。
公園で会った同じ幼稚園のお母さんに「子どもからお弁当がかわいいって聞きました。」と話しかけてもらった。
じわじわと、わたしの心が満たされていくのを感じた。
子どものお弁当を作るのはわたしの義務なのだけど、そこにわたしの承認欲求が関わってしまっていたのだった。
でも、わたしも子どももうれしいのならWIN-WINでよいのではないか。
そう思ったら少しすっきりした。
さて、わたしの作ったお弁当を一部紹介させてほしい。
行事のあるときには、その行事に合うお弁当を作るようにしている。
ここまでは2021年のお弁当である。
2022年の成長ぶりを見ていただきたい。
おわかりいただけただろうか。
この成長具合を。
ぐんと成長していると、自負する。
こうして、わたしはちょっとだけかわいいキャラ弁を作る人になった。
いつもお弁当楽しみにしています、と先生からも声をかけてもらえるようになり、感無量。
社交辞令だということは理解しているつもりだが、やはり嬉しい。
ちなみに、11月頃になるとお弁当は「暖飯器」とか「保温庫」と呼ばれる機械に入れてもらえる。
ほかほかのお弁当が食べられるのだ。
ほかほかご飯が食べられる代償として、トマトやきゅうりなどのナマモノが入れられなくなること、チーズは溶けてしまうこと、フルーツは別容器に入れなければならない、などがある。
トマトが入れられないとなると、赤の色を違うおかずにしなくてはいけない。
チーズがメインのキャラ弁は顔がわからなくなってしまう。
フルーツを入れていた場所に別のおかずを入れなくてはならないので、一品ほど多く作る必要がある。
だが、冬の保温庫ならではのお弁当もある。
それは、肉まん。
肉まんのお弁当はすこぶる好評だ。
わたしは手作りパンもよく作るので、朝焼きたてのパンを入れたこともある。
コーンマヨパンと、シュガーバターパン。
どちらも子どもの大好物なのだが、シュガーバターパンはお弁当に入れると少し苦味が出たらしい。
ちょっと失敗。
これからも、卒園までわたしのちょっとかわいいお弁当作りは続いていく。
最後まで完走できますように。
2023年バージョンもお楽しみに!
つぐみ