
都市と村を「つぎはぎ」して、新しい風を起こしたい
はじめまして。わたしたちは、東京のはじっこ、山あいの里・檜原村(ひのはらむら)で活動を始めようとしている「ツギハギコミュニティ」です。
運営はこの3人
小川 豪(おがわつよし)
— 【東京都 西多摩郡 檜原村】村おこしサポーターツギハギ (@hino_tsugihagi) December 21, 2024
2017年、地域おこし協力隊として檜原村へ移住。個人事業「おがツー」や祭り・消防団など地域行事で村に深く根を張り、2025年再移住&起業予定!
「村の活気をもう一度」を合言葉に、自然と文化が息づく里山を案内する熱いキーマンです。 pic.twitter.com/9kinoBXFed
鈴木 彩瑛(すずきさえ)
— 【東京都 西多摩郡 檜原村】村おこしサポーターツギハギ (@hino_tsugihagi) December 21, 2024
観光協会での6年を経て独立。行政書士・旅行業者として事務受託、古民家再生にも挑戦中。
高齢化が進む里の現実と向き合いながら、新たなコミュニティづくりへ。アクションとアイデアで地域に息吹をもたらす頼れる女性です。 pic.twitter.com/iQDsFJGRPT
湯川卓海(ゆかわたくみ)
— 【東京都 西多摩郡 檜原村】村おこしサポーターツギハギ (@hino_tsugihagi) December 21, 2024
(株)MIMIGURIでファシリテーションやコンサル実務、NPO法人ETIC.の案件で長野市を中心に各地に関わっています。
都市×地域、人と人をつなげる人間として、檜原村でも新たな関わり方を模索中です! pic.twitter.com/ysicOCcW08
「ツギハギ」と聞くと、着物や洋服を当て布して直すイメージを持つ方も多いかもしれません。わたしたちはこの言葉に、“バラバラのピースを繋ぎ合わせて、新たな魅力を生み出す” という想いを重ねました。檜原村という“小さな地方”と、東京という“大きな都市”――。その異なる世界を、楽しみながら縫い合わせてみると、何か新しい景色が見えてくるんじゃないか。そんな発想から生まれたコミュニティです。
本記事では、ツギハギコミュニティがどんな目的を持ち、どんなことをやりたいのか。そして、まだ始まったばかりのコミュニティ運営における課題とアイデアをまとめてみました。わたしたちの小さな一歩が、同じように「都市と地方をつなぎたい」と考える方々のヒントになればうれしいです。
ツギハギコミュニティの目的・やりたいこと
「仲間を増やしたい」
一番シンプルかもしれませんが、わたしたちが大事にしているのは「仲間を増やすこと」です。
檜原村の中で事業や暮らしを続けたい人
東京に住みながら、週末だけでも村に関わってみたい人
自然豊かな環境で新しいことをはじめたい人
まだはっきり目的はないけれど、ちょっと山あいの文化に触れてみたい人
そんなふうに、さまざまな関わり方をする仲間たちがゆるやかにつながることで、面白い化学反応が起こるんじゃないかと信じています。
「小さくてもいいから、生業やプロジェクトを一緒に作りたい」
檜原村には、職人気質の小規模事業者さんが多くいます。建築、土木、林業、農業、宿泊、飲食……けれど書類仕事が苦手だったり、情報発信に不慣れだったりして、魅力やサービスが十分に外に伝わっていない現状があります。
イベントの企画に参加してもらったり
「週末だけのプチ副業」感覚でお手伝いに来てもらったり
たとえお金になりにくくても、お互いの得意を持ち寄ってサポートし合う。そんな緩やかな“助け合い”で新しい生業が生まれたり、面白いプロジェクトが動き出す可能性を広げたいのです。
「地域の人との交流を深め、新しい文化をつぎはぎする」
檜原村では、昔から続いているお祭り行事や伝統がいくつもあります。しかし少子高齢化の波は確実に押し寄せており、このまま放っておけば絶えてしまいそうな文化も少なくありません。
そこで、村に暮らす人と村の外に住む人が一緒になり、何かを「つぎはぎ」するように創り上げていく。例えば、
小正月の飾りづくりに参加してみる
古民家を直しながら、みんなが泊まれる宿にしていく
山林の間伐や選定作業を、ワークショップ化して体験してもらう
こうした取り組みを「イベント」という形で表に出していくことで、村の中にも、そして村の外にも「檜原は面白いことやってるかも」と思ってもらいたいのです。
2. コミュニティ運営の課題とアイデア
課題1:イベント集客のハードルが高い
小正月の行事や味噌づくりなど、いきなりはニッチすぎる気もする
シンプルに「興味はあるけどハードル高そう」「自分に関係あるのかが分からない」などで、すんなり集客にはつながらない。
アイデア
情報発信を丁寧にする
ただ「来ませんか?」と言うのではなく、きちんと背景や魅力を文章や写真で伝える。ハードルを下げる小さなきっかけ作り
まずはオンラインで井戸端会議的に話せる場をつくる、山の手入れに半日だけ来てみる、など気軽に参加できる仕掛けを。
課題2:持続的な仕組み・収益化がまだ曖昧
大きな収益源が見えにくいまま始めているので、「続けられるのか」という不安。
単発のイベント収益に頼りきりだと、コミュニティが長続きしないかもしれない。
アイデア
副業・複業スタイルの推奨
メンバーが本業を持ちながら、余暇や週末に少しずつ関わることで、いきなり生活の糧を全部コミュニティに頼らなくても活動できる。宿泊・体験プログラムの可能性
宿泊拠点や体験ツアーを、外部の方に有料で提供する仕組みがつくれれば、収益化の糸口になるかも。小規模事業主のサポート事業
行政手続き・広報・ブランディングなど、「村の事業者が苦手な部分」を外部の仲間が有償でサポートする、という形でマネタイズを模索できる。
課題3:都市部の人・村の人、それぞれの感覚のズレ
村に生まれ育った人は「こういうものだ」と当たり前に思っているものが、外の人には伝わっていない。
逆に都市の視点から見れば「こんなに素敵で魅力的なのに!」と思っても、村の人自身は「いや特に面白いもんじゃないよ」と価値を感じていない場合も。
アイデア
“アテンド役”に私たちがなる
村と都市を往復している人が、両者の文化や気持ちをくみ取りながら橋渡しをする。一緒にやってみるプロセスを大切に
いきなり形にするのではなく、一緒に山に入り、畑に立ち、何かを体験しながら、「なぜ楽しいのか」を相互理解していく。
これからのツギハギコミュニティ
わたしたちは、まず「イベントを成功させること」を最終ゴールにはしていません。どちらかというと、“一緒に山を整備する”“地元の人と味噌を仕込む”“ちょっと気になるから覗きに来る”といった「人と人との小さな接点」を、たくさん作っていきたいだけなのです。
そして、その接点をちょっとずつ「つぎはぎ」していくことで、参加しているみんなにとっても、檜原村にとっても、予想外の楽しい広がりが生まれればいいなと思っています。
目の前の小さなアクションを積み重ねる
3月には「もみじの里」の山の手入れ+プチ体験、味噌づくりイベントを検討
noteやSNSでの発信をスタートする
コミュニティメンバーが日記を綴るように、日々の村での体験や感じたことを書き残す
その様子を見て、ちょっとでも興味を持ってくれる人がいれば、いつでも歓迎
まだまだ模索中の段階ですが、これがわたしたち「ツギハギコミュニティ」のいまの姿です。今後は、いろんな角度からイベントレポートやメンバーの想い、村の面白い人々の紹介を発信していきます。
もし「こういう手伝いならできるかも」「ちょっと山の仕事に興味ある」「副業で地域と関わってみたい」など、ピンときた方がいらっしゃったら、ぜひ気軽に声をかけてください。一緒に東京の山のなかで、小さな「つぎはぎ」を始めましょう!
最後に
都会に住む人も、田舎に暮らす人も、どこか「ここじゃない場所」を求めている部分があるかもしれません。でもいきなり移住とか起業とか、大きな一歩は踏み出しにくいですよね。だったらまず、一日だけ体験してみるとか、ふらっとSNSで話を聞いてみるくらいでもいいんじゃないかなと思います。
ツギハギコミュニティは、そんな「ちょっとだけ」「まずは試しに」を歓迎する場所でありたい。これからの私たちの試行錯誤を、ぜひ見守っていただけたらうれしいです。自分の暮らしにひとさじ“村の風”を取り入れたい人、あるいは村に新しい風を吹かせたい人――みんなで少しずつ繋がっていきましょう。
これからの更新もどうぞお楽しみに!