どうして良いと思ったのか、ちゃんと言葉にしてみたい@特別展アリス
わたしは好きな作品に出会った時、なぜ好きと感じたのかを言葉にするのが苦手です。
いつまでも見ていたいと思うほど強く惹かれているにも関わらず、
「わあああ好き!」
「わあああカッコいい/かわいい/おしゃれ!」
で終わってしまうのです。
作品を目の前に幸せな気持ちになるだけでも十分だと思うのですが、少しずつ自分の好みの「理由づけ」をしていけたらいいな、と考えています。
特別展アリスでの出来事
先日訪れた『特別展アリス』にて、こんなことがありました。
<白い駒だけのチェス盤>というオノ・ヨーコの作品を目の前にしたとき、わたしはいつもの通り、「わあああ!好き!」となっていました。
すると、近くで鑑賞されていたご婦人の発言が聞こえてきました。
そう、それがこの作品の肝なのです。
なんたること…。たとえその作品の背景知識がなかったとしても、もう少し考えて鑑賞したいと反省しました。
なにが好きか言葉にする
以下、この作品を見た時わたしが感じていた(であろう)ことです。
(1)真っ白くて綺麗
(2)箱に収まっている
(3)白い色だけでチェスを作ろうなんて思いつかない
(4)キャプションの内容がいい
抽象化してみると、
(1)自分の好みの配色(カラーパレット)がある
(2)「しつらえ」がある
(3)発想への驚きがある
(4)作品から想像される物語がある
という感じでしょうか。
今までに好きだと感じた作品を振り返ってみても、この4点がある作品にわたしは惹かれることが多いようです。
言語化することで、自分が作品に惹かれる要因を明らかにできました。この記事では一旦ここまでにします。今後少しずつ、それらに惹かれる理由、「なぜ」の部分を掘り下げて考えていきたいと思います。
なぜ目に焼き付いていないのか
さて、チェスつながりでもう一点気になった作品があります。
<チェスに興じるラトウィッジ家の女性たち>という チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(ルイス・キャロルの本名)が撮った写真です。
(1)褪せた感じの色合い(セピア色?)
(2)マット台紙?の形(上の2つの角が丸い)
(3)写真に彩色するなんて!しかもチェスを赤く塗るとは!
(4)「「鏡の国のアリス」に赤と白のクィーンを登場させようと考えていたのかも」
わたしが惹かれる4点が含まれている作品だったにも関わらず…
思い出せないのです。どの部分が赤く塗られていたのか。写真を拡大しても分からない。
気になって気になって少し気が狂いそうです。
夫にこのことを話すと「本当にそんなに気になる?人生にどのくらい関わる?」といわれ、一旦は「たしかにね!」と冷静になったものの…
ご存じの方がいらしたら教えていただきたい…。
自分なりに、赤く塗られたチェスはこの駒かな?あの駒かな?と妄想して楽しむ記事を近々書きたいと思っています…!
【追記】確認してきました…
まとめ
今回、「どうして良いと思ったのか、ちゃんと言葉にしてみたい」という願望の達成率は半分ほど…!
そもそもなぜこの願望を抱いたのか。
美術館から帰宅すると、好きだと思った作品の詳細が思い出せないことが多々あります。好きでじっくり鑑賞していたにも関わらず、なぜ目に焼き付いていないのだろう、と常々疑問に感じていました。
ふと、「自分が作品を好きなる基準がはっきりしたら記憶に変化があらわれるかもしれない!」と思い立ちました。その第一歩が、「わああ好き!」で終わらせず、きちんと何が好きなのかを言葉にしてみること、でした。今後も引き続き(ゆるりと)検証していきたいと思っています。
おまけ
小学生のとき、誕生日プレゼントにチェスをお願いしたことがありました。チェスを買いに行った母から電話がかかってきて、「普通のチェスとアリスのチェスがあるけどどっちがいい?」と聞かれました。母はアリスのにしたそうでしたが、堅物だったわたしは迷うことなく「普通の」と答えました。今なら絶対アリスにする、と先日母に話したところ、「絶対普通のでよかったよ」と言われ、ほう…となりました。
以上です。