かわいらしさと妖しさが粋@小村雪岱スタイル
三井記念美術館で開催中の『小村雪岱スタイル - 江戸の粋から東京モダンへ』展。
小村雪岱とは
大衆文化が花開いた大正から昭和初期にかけて、「画家」と呼ぶには収まりきらない、多岐にわたるジャンルに新風を吹き込み、多くの人々を魅了した(三井記念美術館公式ホームページより)
多岐にわたるジャンルというのが、本展覧会の展示構成からわかります。
展示構成
1. 肉筆画・木版画
2. 装幀本
表紙・裏表紙だけでなく、表・裏見返しや、函まで...!!
泉鏡花や谷崎潤一郎などの著作に数多く関わっていたそうです。
3. 挿図原画
4. 舞台装置原画
5. 工芸
以上のように、雪岱は装幀家、小説挿絵画家、舞台美術家としても活躍していました。
小村雪岱の魅力
・自然表現が面白い(『七夕』の天の川や、色々な作品で描かれている雪や雨に感動)
・構図が面白い(『A Beauty』、『河岸』や『雪の朝』など)
・少し怖い、どこか謎めいた雰囲気(『柳橋』の船の下は一体どうなっているのだろう)
・色鮮やか(装幀がまるでヨーロッパの服地のよう)
・可愛らしさ(至る所に描かれている小さな生き物たち)
・デザイン性(小村雪岱に私淑する現代作家さんの作品や、「小村雪岱スタイル」を体現している工芸品をみると、さらに小村雪岱が好きになる)
まとめ
小村雪岱の表現は、こざっぱりしているなかに、かわいらしさと色気もあって、まさに粋でした。
そして、多様なジャンルで活躍している
(小村雪岱)抜きに日本の商業美術は語れない(日経TRENDY 2021年1月号 臨時増刊より)
というのが分かる展覧会でした。
このあと富山県と山口県を巡回するようです。