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自分なりの小説の作業工程まとめ
これは素人なりにいくつか長編・中編小説を完結まで書いてみた限りでの、小説の作業工程に関する備忘録です。
なお、私が公開している素人小説については、「小説家になろう」、「カクヨム」、「ノベルアッププラス」、「エブリスタ」でご覧頂けます。
さて、小説の創作論については、諸説、様々なものがネット上に跳梁跋扈している現状ですが、その多くはエンタテインメント色が強い作品作りに焦点を当てているように思われます。
が、この備忘録ではそういう、魅力的なキャラクターの作り方とか、こういう風に作らないと読まれないなどということを書くつもりは毛頭ありません。
タイトルの通り、ただただ中編や長編を執筆するときの、作業の進め方を残しておくためのものです。
当然、人によって合う合わないがありますので、参考程度にご覧下さい。
1.初めに(下準備編)
1-1 入力・保存のツールを用意しよう
人によって色々言いますけど、とりあえず、入力して保存するためのツールを用意しましょう。
小説投稿サイトに入力して公開せずに保存して執筆もできますが、不具合で消えてしまったり、投稿サイトそのものが消えてしまう可能性もありますので、基本的にはパソコンなどに保存するのがベターです。
私は主にノートパソコンで、ソフトウェアはGoogleドキュメントを使っています。
スマートフォンなどは、搭載メモリの関係か、漢字変換が弱いので、中古とかリファイン品の安いものでも、パソコンがあった方が便利です。尤も、パソコンの漢字変換も期待するほど優秀ではないんですけども。
1-2 小説を読もう
これから小説を書こうというときに、何を言っているんだと思うかもしれません。
が、これはとても大事なことです。
投稿小説の世界にはいつまでも更新されず完結しない「エタる」という俗語がありますが、これはエターナル終わらない、エターナル連載中の略らしいです。
この「エタる」要因の一つに、ストーリーのアイディア不足、文章のアイディア不足があるのではないかと私は考えています。
聞くところによると、小さい頃から沢山小説を読んでいる方は、文章を書くことにつまづくことが少ないらしいです。
小説をたくさん読めば、それだけストーリーと文章が自分の中に蓄えられるのでしょう。
だから、こういう文章を書きたい、こういうジャンル・ストーリーの作品を書きたいという作品を見つけて、アイディアを仕入れるのです。
今までに沢山読んでいる人には、このアドバイスは不要かも知れません。
1-3 小説のネタをメモして蓄えよう
小説を書き始めると、こういう展開にしたらいいんじゃないか、とか、こういう表現にしたらいいんじゃないか、などと、急にアイディアが閃くことがあります。
そのアイディアが有用なものかどうかは神のみぞ知るところですが、今書いている作品ではなく、将来書く作品に使えることがあるので、何か閃いたら残しておくことをお奨めします。
1-4 ネタが被っていても気にしない
これは心構えですが、小説を書いていると、細かいところで他の作品と重複している部分が出てきてしまいます。
しかし、丸々全部盗作みたいなものでなければ、気にしない方が良いです。
人類は2000年以上も前から物語を創造し続けているので、被らない方が無理というもの。
なので、例えば主人公の名前がルフィで海賊王を目指しちゃうとか、諸々の設定や主要な登場人物の名前が有名作品と被っていたら変えた方が良いとは思いますけど、ストーリーや設定の一部が被っているとかは、回避しようがないことなので気にしない方が良いです。
2.アイディアを書き出そう
2-1 何を描きたいか決めよう
テーマと言うかなんというか、何を描きたいのか、どういう話にしたいのかなどをぼんやりとでもいいのでとりあえず大雑把に決めます。
そして、実はここのアイディアで小説の書き方が二つに分かれます。
もちろん、あとでいくらでも修正できるので、大袈裟に捉える必要はありません。
で、何が分かれるのかというと、作品作りの順序です。
少し具体的には、登場人物を作ってからストーリーを作るか、ストーリーを作ってから登場人物を作るか、です。
別の言い方をすると、魅力的な主人公が輝くストーリー・世界を作るか、ストーリー・世界の中で輝く魅力的な主人公を作るか、ということです。どっちが先かということです。前者は主人公が作品の枠で、後者はストーリー・世界が作品の枠になりますね。
エンタテインメント作品を書くのであれば、主人公を始めとした魅力的で個性的な登場人物を造りながらストーリーを考えた方が良いと言えます。エンタテインメント作品は主人公に共感できるかどうか、主人公と同化できるかどうかが鍵らしいので。
2-2 大まかな流れや設定などを書き出してみよう
これももう本当に大雑把にですが、2-1をもとにして、盛り上がりなども考えつつストーリーの大まか流れを書き出してみます。
例えば、登場人物から作り始めた場合には、主人公が冒険をして人々を救う→世界の謎に触れる→仲間ができる→世界の謎に近づく→強敵が出てきて大ピンチ→なんやかんやでそいつを倒して世界を救ってハッピーエンド。
例えば、ストーリー・世界から作り始めた場合には、これこれこういう世界のこの場所に主人公が生きている→大きな事件に巻き込まれ始める→仲間ができる→なんかピンチになる→なんやかんやで解決する→黒幕は無事で根本的には解決してない。
とか、まあ、大体そんな感じのフワフワしたものでいいので、大きな流れを書き出します。
2-3 あらすじを書いてみよう
フワフワと書いた大まかな流れを実現するためには、どういう展開にすればいいのか、どうすれば作品の方向性に見合った面白さになるのか、そういうことを考えながら、書き出してみます。
ついでに、設定や登場人物が足りなかったら、それもどんどん追加したり変更するなどしていきます。
3.小説を書いてみよう
3-1 あらすじを細かくしてみよう
先程までのあらすじや設定をもとに、もう少し細かくストーリーを書き出してみます。
もちろん、箇条書きでオッケーですし、あらすじや設定を変えた方がいいなと思ったら、そっちも直しながら進めていきます。
ついでに大まかな区切りも作って、ブロック化したり、時系列の表も作り始めます。
ブロック化と時系列の表は、そこで何を表現したいのか検討するときや、小さな流れと大きな流れの辻褄を合わせるときに、多分、役に立ちます。
それから、ストーリーの順番を変えたいときにもブロック化は役立ちます。
個人的に、この工程を粗挽きストーリープロットと呼んでます。
ストーリープロットを何段階かで段階的に細かくしていく手法ですね。
3-2 あらすじを更に細かくしていこう
はい、先工程で作った粗いストーリープロットをもう一段階、細かく書いてみます。
当然、設定等の追加や修正も適宜行ないます。
この辺りは個々人の経験になってくるところですが、草稿を書くのに充分だと思うまで、細分化を繰り返します。
私の場合は粗挽きのものでもそれなりの文章量なので、もう一段階、細かくすれば、草稿の執筆に移れます。
ここまでで、一人称視点にするか三人称視点にするかや、文章の硬さなどを決定します。
3-3 文章化してみよう(草稿執筆)
粗削りでもいいので、箇条書きのストーリープロットを参考にして、どんどんと文章にしていきます。
ストーリープロット作りが甘いと、ここで躓きます。
そんなときはストーリープロットを見返すと修正しやすいと思います。
ついでに、自分の中に文章のアイディアが枯渇していても、ここで躓きます。
3-4 校正と推敲をしてみよう
校正と推敲は別の作業なんですけど、私の場合は素人が一人でやるので、まとめてやってます。まとめてやらない場合は、効率を考えると推敲が終わった後に校正をするのが良さそうです。
校正というのは誤字脱字、用語の用法間違いなどを修正する作業で、推敲はより良い表現やストーリーの流れなどを検討する作業……のはずです。
この工程は、草稿を書き終えた後、何日か間を空けてやると良いらしいです。長い人だと一ヶ月以上、間隔をあける人もいます。
ちなみに、自分が意外と誤字脱字が多いなって分かったり、後に続く文章が行方不明になっている箇所を見つけられたりするので、結構重要な作業です。
ここまで終わったら、小説投稿サイトにコピペして公開の設定をします。
ちなみに推敲を一話ずつやるか全部書き終えてから全体を通してやるかは、人それぞれです。
最後に、これを読んだ皆さんが、自分なりの執筆の進め方を見つけて頂ければ幸いです。