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ブヨ調査隊結成!

昔。

我が子の園行事の引率で
稲刈りに行ったとき。

うっかり短めのズボンで参加したわたしは
足をこっぴどくやられて
ゾウの足
のようになった。

痛痒くて
熱を持って
パンパンに腫れた状態が
数日続く、
最悪の
ゾウの足。

ブヨ(ブユ)
のしわざだ。


奴らは
コバエのような姿で
集団でやってきて
膝下あたりを狙ってくる。

刺すんじゃなくて
咬む。
そして血を舐める。
咬まれた痛さで気付かれないようにするためか
麻酔(毒)を入れてくる。

この毒のせいで
あとから
めちゃくちゃ腫れて
めちゃくちゃ痛くなる。


ゾウの足
にされて
腹が立ったわたしは
ブヨのことを
さんざん調べた。

奴ら
水のきれいな
渓流に生息しているらしい。

キャンプ場とかによく出るから
長ズボンを履いて
防ぐといいらしい。

稲刈りをした場所は
自然豊かで
水路がたくさんあったからなぁ。
生息地だったわけだ。

次からはやられまい、
肌をさらすものか、
と心に誓った。



憎きブヨについて
研究した結果、
清流渓流以外では
お目にかからないだろうと
油断していたら、
なんと
身近なところで
再会してしまった。

中2の娘が
ゾウの足!

部活のとき
学校の芝生広場でやられたっぽいわ…
と言っている。

学校には
清流渓流は
ないのに!
住宅街なのに!

でも
娘のゾウの足は
間違いなく
見覚えのあるゾウの足。

友達も何人か
やられたらしい。

間違いない。
ブヨだ。


そこでわたしは
ブヨ調査隊
を結成することにした。

学校
(もしくは近辺)
にある
ブヨの発生源を探り、
撲滅するのだ!

ゾウの足仲間である娘も
さぞかしブヨが憎かろう
と思い
調査隊に誘ったところ…

マジでそういうの学校でやるのやめて


本気で嫌な顔をされた。

中2はお年頃だからね。
憎さよりも
学校内での世間体
ってものが
上回るのだな。
仕方ない。

そうしてわたしは、
娘にバレないよう
こっそりと活動することにした。


ある日
学校の用務さんに
ばったり会った。
用務さんはとても良い方で
わたしは用務さんのことが好きで
仲良くさせてもらっている。

これはチャンス!

ブヨ調査隊一緒にやらない?
と話しかけてみた。

用務さんは

なんのはなしですか

という顔をしていたが、
ふむふむと話を聞きながら
快く参加を決意してくれた。

強力な仲間ができた。
学校周りを熟知している
用務さんがいれば
百人力だ。



我々
ブヨ調査隊は
必ず
憎きブヨの
この住宅街での発生源を
突き止める!
高い目標を持って
調査に挑むのだ!

その前に
娘にバレて
怒られなければ…
だが…



#なんのはなしですか

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