長男はいつまでも長男である…
小さいころから
ひと一倍
ぽや〜
としていた長男。
幼稚園時代、
運動会のかけっこで
ヨーイドン!!
と言われても
スタートラインで
かっこよく構えたまま…
…
先生に背中をポンと叩かれて
ようやく走り出した。
小学校時代には
ランドセルを背負わずに
学校へ行こうとしていた。
宿泊防災訓練に
荷物を全部玄関先に置きっぱなしのまま
行ったこともある。
修学旅行で沖縄へ行き
初日にサイフを落とした。
運転免許を取ろうと免許合宿に申し込み、
行きの新幹線でサイフを落とした。
定期券は何度も落としているが、
サイフ・定期券ともに
親切なひとに届けてもらっている。
彼の周りの親切なひとたち…
ほんとにありがとう…
母として
心から感謝の心を伝えたい…
そんな
ぽや〜
とした長男も、
歳を重ねて大きくなり
社会人になった。
家を出て
彼女と暮らし始め、
働き始めた。
難しい仕事も
なんとかこなしているようだ。
いっちょまえに
仕事が忙しいんだとか言ったりしていて、
そうかそうか
忙しいくらい仕事があるなんて
ありがたいことだ…
無理せずがんばれよ…
と
巣立った息子を
ほほえましく見守っている。
先日
長男が帰省して
顔を見せてくれた。
あぁ変わらずに元気だな
と、ほっとする。
ぽや〜
としていたけれど
立派に社会人として
頑張っているなぁ。
頼もしいような…
わたしの手を離れていったことが
さみしいような…
母は微妙な心境だ。
また寄るわ〜
と
元気にニコニコ帰っていく長男。
そうだね
また
ちょくちょく顔を見せてね。
おっと
忘れ物しないでね。
スマホ持った?サイフもある?
うんうん持った持った
大丈夫大丈夫
じゃぁねーー
と行って出ていく長男を見送り
ほっとひと息ついていると…
母さん!!!
これ、お兄ちゃんのスマホじゃない???
と弟が…!
あぁ、もう、まったく、
長男はいつまでも長男である…