受験だって楽しんだ者勝ち
夏休みにさしかかるこの頃、私はまだ鮮明に覚えている高校3年生の夏に気づいた受験の捉え方について残しておきたい。
受験、といえば辛い日々を想像する人が多いのではないだろうか。
勉強は何時間しようと足りず、模試の点数や合格判定を見ては落ち込む。
そのような日々を送ることが高校最後の年のお決まりだと私も思っていた。そしてストレスを抱えながら自習室で問題集に向かい勉強していた。
そんなある日、私は先輩に言われた一言で受験に対する意気込みが変わった。
「受験、全力で楽しんで」
笑顔で言葉を受け取ったが、頭の中は混乱だった。
何を言っているのだろう、もう受験が終わったから気楽なことが言えるのではないかと思った。さらにこの言葉をくれた先輩は優秀であったこともあり、私を一緒にしないでくれ、とも思った。
学校の先生が高3生にかける言葉は
「今辛い時、でも1年の辛抱」
先輩の言葉やかけ離れている、そう思った矢先だったが、先生の言葉には必ず続きがあることを思い出した。
「大学生になったら楽しいから」
私はなぜ受験勉強を頑張っているのか、根本的な理由を忘れていた。
それは自分の描く将来に向かうための努力で、その未来は楽しいものだと願っていた。
受験勉強は確かに大変で、点数を見ては落ち込む日々だってある。
けれど私は楽しい未来に向かって今努力していて、その過程だって楽しんだ者勝ち。
大学生になった私は今、高校生に先輩からもらった言葉をプレゼントしている。受験生の一年は決して憂鬱な年ではなく、描く未来へ楽しいを積み重ねる年である、そんな風に捉えてほしい。