何がいいのかではなく、どこがいいのかを語ろうじゃないか
聞きかじった話をしよう。
深夜ネットで談話していると、面白い話や提言が出てくるというもの。テンションが上がり、気分も大きくなり、主語がでかくなる。
もちろん、深夜談話の良し悪しを語ろうとは思っていない。おすすめはしないけど。
なので今回の元ネタは私ではない。だが、一理あると唸った。これは好きなものやことを自発的に話す時の心構えの話だ。さぁ、あなたは何をどう話すだろうか。
TRPGやマダミスのように、内容を話してしまうとネタバレになってしまうジャンルであれば難しいが、
それ以外について、例えば自分の好きな何かを話す時、単に「これいいよ!」と相手に告げるだけでは、思うに情報が少し足りていない。
相手があなたに絶対の信頼を置いているとしても優しさを添えてもう少し詳しく伝えてあげてもいいのではないかという話だ。つまるところ。
じゃあ何を付け加えるかという思考になるのだが、ここからは例として「作品」に対する思いを話すとする。
あなたは、その作品の何が、どこが面白かったのだろうか。
面白かった。楽しかった。これらの感想は間違いではないが、きっと、他の作品とは違う(または同じような)面白さ、楽しさがあったのだろう。それは、一体何か。一度、立ち止まって自分の中で言語化すべきだよねという論理展開だ。
これを行うことでメリットが3段階であげられる。
・1.自己の解釈の深化(分析)
・2.「良い」の相手への適切な伝達
・3.「良い」の事前すれ違い緩和
自己の解釈は言語化されずにそのまま脳内にしまったままのことがある。
「良い」ことは分かっているつもりでも、あえて一度問うてみる。
「何故よいのか。」「どう良いのか」その答えにたいして、更に「それはどうしてそう思ったのか」と思考を深めていく。
俗にいう『なぜなぜ分析』というやつ。これらの分析に慣れておくと、なんとなく便利かもしれない。
【自己の解釈の深化(分析)】
例えば、自分の持っているスマホがとても良いと思っていることにしよう。なんで気に入っているのだろうか。「使い心地がいいから」と頭に浮かんだなら、「何故使い心地が良いと思ったのだろう」と思考を深めてみよう。それは手に収まるサイズ故なのか、電池の長持ちさなのか、単純にUI(ユーザインターフェース。画面の操作性や見やすさ的な奴)がいいのかもしれない。ここまで、掘り下げると表現力があがって伝えるのも楽しくなるのかもしれない。
【「良い」の相手への適切な伝達】
「良い!」とだけ言われた相手が「え、本当にいいんだ!」と思い込んで、想定と違ったらきっと少し悲しくなる。自己の解釈の深化を行った上で良さを告げると、その解釈不一致がより軽減される。「手に収まるサイズでとても使い心地がいいからおすすめのスマホなんだよね!」と告げたとき、相手は手よりも大きいサイズのスマホが好みかもしれない。逆に、「お、新しいスマホ興味なかったけど、手に収まるサイズのスマホなら話聞きたいかも」となるかもしれない。
【「良い」の事前すれ違い緩和】
どれだけ言葉を尽くしても、「好き」「楽しい」「良い」の感性は人によって異なるもの。おススメされたが、やはり自分には合わなかったということはあるだろう。だが、言葉を尽くしたことによって『相手は面白いと言ったけれど面白くなかった』という感想から、『相手はこの部分が気に入ったのだろう。自分は気に入らなかったけど。』という"自分は自分、相手は相手"という相互理解へと至ることができる。理想は「何故気に入らなかったのか」まで言語化できるとなおよい。一番最悪なのは、「面白いって言ってたのに、嘘つき!時間を返せ!」という気持ちになってしまうこと。あくまで「自分は」ここが良かったという事を適切に伝えることで、たとえ感性がすれ違ってしまっていても、その後の会話が悪化するのを緩和してくれる。かもしれない。
【最後に】
ここまで読んだ方で気づいた人はいるだろうか。すべての内容が「~かもしれない」で終わっていることを。つまり、ちゃんとした根拠もないし、データもない。ただの深夜の談話で生まれた与太話だ。信じるも信じないもない。考慮するに値するかもなぁ、というだけの文章だ。言ってしまえば、「良いもんは良いもんなんだ!」「理由なんてない。考えるな、感じろ」「良いこと自体を伝えるのに多くは語りたくない」等等も間違っちゃいない。つまり、考えることが好きな人が好きなだけ考えてみると良いのでは、というに過ぎない。得るものも特にない。ここまで読んでもらえてうれしいが、果たして、面白かったかな?面白かったなら、何がどのように面白かったのか考えてみてほしい。んなこと考えるの面倒くせえよなぁ!?
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