武装するアイデンティティ探索者

自分らしさって何なんでしょうねという話。「私と言えばコレ!」と言えるものがあなたにはありますか。私にはないです。

アイデンティティというものは自分を支えてくれる『核』みたいなもので、辛い時、苦しい時、めげそうになった時に心の灯をくれるものだと思っています。一方で逃げるべきときの妨げになったり(アイデンティティからプライドへの変化)、根っこから壊されてしまうと修復が難しかったりします(アイデンティティの喪失)。

今回はその一歩手前、そもそも私のアイデンティティってなんだっけって人の話になります。支えてくれる『核』がない状態です。すごく不安定。

自分の強みは。一番熱心になったことは。趣味は。印象深いことは。これらの質問から炙り出そうとしても、私の場合『一番になった記憶がない』ことが妨げとなってきます。

得意だと思うことに対しては大抵先達がいて。頑張っても自分より頑張っている人がいて。ようするに自信に繋がってくれないのです。他人と比べてしまう弱者の悪い癖。上を見れば無限に上はいるものです。下を見れば自尊心は多少は満たされますが、アイデンティティと呼べるほど強固な『核』にはなり得なかったり。

そうこうしていると、自分ってなんなんだろうって思っちゃう。自分には何もないんじゃないかと錯覚してしまう(いや、ないかもだけど私はあると信じたいよ!)。突出した人が周りにいればいるほど。

でもよく考えると、一番じゃなくてもそこそこレベルならできることはいくつかあったりします。トッププレイヤーじゃないけれど、上級者の最下層くらいにはいるんじゃないかなぁとか、中級者くらいかなぁだったり。

不安になると、私はそのそこそこレベルを数えます。書き出したり思い浮かべたり。ちょっとしたことでいい。早起きができるとか朝食をいつも作ってるとかでも、きっといい。くだらないって思うかもだけど、案外あなたが「誰でもできる」って思っていることは「誰でも」はできなかったりする。

もしそれが、「8割の人ができる」ことだとしても、あなたができることのすべてをできている人ってどれくらいいるかを考えるときっと少ない。何かに突出してる人は周りの目からわかりやすいけれど、ソレ以外は案外何もできなかったりする。なんでもできるように見える人は、見えない部分でイロイロできていないものです。

合計点を数えましょう。小さな些細なことでも、塵も積もればアイデンティティとなりえます。『あれもそこそこできてこれもそこそこできてソレとアソコもそれなりにできる』人も少ないのです。武器1つで戦う必要なんてない。人間は総合力。クリリンの戦闘力は75000。

そうやって今日も私はできることからやってます。ちょっとずつでいいからできることを増やそうかなとも思ってます。その中で何かが突出していくかもしれないし、複数のできることが組み合わさって他人の目にも見える【何か】に変わるかもしれません。それまでこの小さな武装たちを頼りにしていこうと思います。これが私のアイデンティティだ、と言える日まで。

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