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自己紹介|透明な庭で言葉を紡ぐ
はじめまして。
自己紹介をしようと思います。けれど、どこから話せばいいのかわからないのです。自分のことなのに、不思議ですね。
私は植物研究所で育ちました。四季折々の咲き乱れる花たち、緑の匂い、窓辺の光、それと実験室の静かな空気。それらは私にとって当たり前の日常でした。けれどその「当たり前」の中に、どこか異物のように漂う違和感があって、私はずっと揺れていました。自然とテクノロジーの間を漂う振り子みたいに。
身体が弱くて、内向的で、外の世界が怖くて、でも本当は飛び込んでみたかった。仲良くなりたかった。でも、それは思っているよりもずっと難しいことでした。夢は何度も砕かれて、心には深い傷が刻まれました。親からも友達からも、冷たい言葉をもらうばかりで、私はますます自分の中に閉じこもるようになったのです。
でも、そんな私の中にだけあった秘密がありました。それは、言葉の中で生きるということ。詩や物語を編む時間は、私が息をつける唯一の場所でした。自然や花や昆虫たち、目に見えないものたちが語りかけてくれる声。それらを言葉にすることで、私は自分自身を保っていたのだと思います。
「生まれた場所は選べない」なんて、悲しいことを考える夜もありました。家を転々とし、逃げるように場所を変えても、不思議と書くことだけはやめられなかった。悲しみや苦しみが、どうしても言葉になりたがるのです。そして、そんな言葉たちはいつしか私を支える存在になりました。
いま私は、静かな森の奥で、星と月が見える場所にいます。そこにはたくさんの自然があって、小さな喜びがどこにでも転がっています。悲しみや苦しみもすべて、私にとって世界を理解するための鍵だったのだと気づきました。
そんな詩を、ここで少しずつお届けしていきたいと思います。言葉は不思議なものです。読む人の心に触れたとき、初めて本当の形になるような気がします。
スタンドFMも始めました。
詩を読むことは、言葉に命を与えること。大切にしたいです。
声になった言葉たちが、夜の片隅で誰かの心に触れることを願っています。
第一歩の詩
スタンドFMの第一回では、私自身について詩に編みました。
言葉が静かに紡がれ、私の歩んできた小さな道が浮かび上がります。
もしお耳を傾けていただけたら、それはきっと言葉の旅の始まりになるでしょう。
どうぞお聴きいただけましたら、幸いです。